和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

頭刺

はじめに †

頭刺は、足甲の症状の引き鍼と鎮心に使われる †
•応急処置の原則は、「遠くに強く引く」でした。
◦患部が胴や頭などの体幹部にある時には、「遠く」として手足の甲が使われますが、
患部が手首・足首付近の時には手足の甲は、「遠く」とは言えないので、
そう言う場合に手足の甲を使っても邪気を引ききれない事があります。
■こういう場合に左右反対側や上下反対側、対角反対側の対称点が使われる
事を[3.10]で説明しましたが、
足の甲の場合には、頭が遠くとして使われる事があります。
頭刺と言われるようです。
•頭刺は足の甲の遠くとして使われるだけでなく、
過敏状態を鎮めるためにも使われます。
◦運動器系の痛みでも神経過敏な状態が関係していそうな時に、
前準備としての引き鍼の後に、頭のツボに刺鍼した後そのまま置鍼し、
後始末の前に抜鍼するという手順で使います。

頭の経絡的区分 †
•頭のツボの分布と経絡の関係はの図のような感じで、
i.頭の鉢巻きをする辺りが陽経、
その内側から頭頂部にかけてが陰経、
ii.頭の右側は右半身、
左側は左半身のツボが出ます。
■頭の鉢巻きをする辺りの
前側は陽明、横は少陽、後ろは太陽になります。
■鉢巻きをする辺りの内側から頭頂部は厥陰の領域ですが、
前よりは太陰、後ろよりは少陰になります。
◦足の甲の場合には、
2,3間が鉢巻きをする辺りの前側の陽明、
3,4間が鉢巻きをする辺りの横側の少陽、
4,5間が鉢巻きをする辺りの後ろ側の太陽になり、
1,2間は頭頂部付近の厥陰が担当部位になります。
◦過敏症状に頭刺を使う場合には、
経絡的な事を考えに入れながら、
一番痛い所と天から見てだいたい重なる辺りの頭の部分を探す
とツボがみつけやすいです。
•頭のツボは
表面の皮膚がブヨブヨしていて、
押すとぺっこり凹むのが特徴です。
◦古いツボほどブヨブヨしている面積が広くなる傾向にあります。

頭刺の手順 †

足の甲の痛みに対する頭刺 †
1.先ず、症状確認し、頭のツボを探す
i.どういう動作をした時に、どの辺りが辛いかを確かめます。
■動かすのが辛い時には無理せずに、だいたいの位置を把握します。
ii.それから、その位置の左右、陰陽、前横後ろから
頭にツボが出ていそうな箇所の見当をつけ、ツボを探します。
■頭を手で触って、凹んだ所、ブヨブヨした所を探します。
2.手甲に引き鍼
◦選んだ頭のツボに経絡的に関連する手の甲にツボを探して引き鍼します。
■患部が足の甲の1,2間等で陰経側の場合には、
頭のツボも手のツボも陰経側になりますから、
表裏反対側の陽経の手の甲にツボに引き鍼してから、
手首付近の列缺・内関・陰げき等に引き鍼します(「陽→陰→陽」の原則)。
■手の平側は痛いので、
手の陰経に引き鍼する時には、手首付近のツボを使います。
3.頭のツボに刺鍼
◦手に引いた後に、探して置いた頭のツボに刺鍼します。
■この時に
足がぶらぶらする高さの座位で患部の足を動かす
と運動鍼になります。
4.足甲に痛みが残ったら頭刺を繰り返す
i.刺鍼後に患部を動かしてみて痛みが減っていたら、
痛みが足の甲の他の場所に移っていないか
触ったり動かしてもらったりして調べます。
ii.痛みが移った箇所があったら、
そこから頭のツボを予測して頭を手で触ってツボ探しをして、
見つかったツボに頭刺します。
iii.足の甲を触ったり動かしたりしても
痛みがあまり出てこなくなるまで繰り返します。
■何カ所か刺鍼した場合には、
その中で暫く刺鍼しても反応が消えない所、
邪気が解るようなら邪気が出続けている所から
2,3箇所選んで置鍼します。
5.痛みが減らない時は他の刺法も試みる
◦痛みが少なくならない場合には、
患部の刺鍼やその経絡的な関連箇所への刺鍼や、
動作鍼、巨刺、上下刺、対角刺なども行っても良いです。
6.後始末
i.まず、頭に置鍼した鍼を抜きます。
ii.その後、手の甲を調べて出ているツボに刺鍼します。

過敏症候群に対する頭刺 †
1.治療を始める前に症状の確認をしますが、
その時の話しぶりなどから
興奮してらっしゃるような感じや
物事に過敏そうな感じを受けた場合には、
患部の他にも頭の様子を調べさせてもらいます。
◦「痛みに対する感受性が余分に強くなっている場合には、
 痛みを強く感じる事があります。
 そういう場合には患部だけでなく、頭のツボを調べて刺鍼すると、
 ホッとした感じになり、痛みに対する感受性が適度になり、
 辛さが減ることが多いです。」
ときちんと説明した上で、
頭を調べさせてもらい、
ツボが出ていたら頭刺も取り入れた応急処置をします。
2.前準備として
i.手足甲に引き鍼した後に、
ii.頭のツボに刺鍼し、
iii.暫く刺鍼しても反応が治まらない所には置鍼します。
■置鍼するのは2,3箇所程度にします。
3.その後に応急処置
◦今まで書いてきたように、
患部やその経絡的な関連箇所の刺鍼、動作鍼、巨刺などをして、
充分に辛さを減らします。
4.後始末
i.まず、頭に置鍼した鍼を抜いてから
ii.手足の甲に引き鍼して終わります。

過敏な方とは注意深く話し合う †
•過敏症候群の方は敏感なので、話し方に注意しましょう。
◦「貴方の痛みは気の持ち方のせいだ。」
と伝えたように誤解された場合には、
相手が怒ってしまうのも当然だと想います。
◦そうではなく、
心も辛い状況に置かれているので、
痛みに対する感受性が高くして、
それ以上辛い事を味あわなくても済むようにしているわけです。
■その事を理解して、
ホッとする状況を作る事が、心が落ち着くだけでなく、
患部の痛みを軽減するのにも役立つし、
実際に、患部への鍼の効果も上がりやすい事を理解してもらいましょう。

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