和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

足の経絡は全身に関係

足は手より少し複雑 †
•さて、いよいよ、足の経絡の話です。
足は全身に関係しているので重要なのですが、
足を後にしたのには理由があって、手よりもちょっぴり複雑な処があるのです。

足親指や内踝周りも体の内側と関係 †
•一つは、体の内側を担当するのが足の裏だけでなくて、
親指や内踝周りも体の内側を反映している事です。
◦これは、普通に立った状態で、
足の親指や内踝は、体の中心線上、つまり、
         天から見て体の内側と重なる処に在る
ためだと思います。

下腿の内側は、前・横の対応が逆 †
•また、下腿の内側だけ、前・横・後ろの対応がずれています。
•後ろは同じなのですが、前と横が逆になっています。
◦このこと自体は、とても面白い現象なのですが、説明は少し後回しにして、
大雑把に言える事を先に説明します。

足2本がくっついて胴体が出来ている †
•足という2本の丸太をくっつけて人間の胴体が出来ている
と想像してみてください。
◦足の外踝側が胴体の外(表面)側、足の内踝側が胴体の内側になる
事が思い浮かぶと思います。
◦これが治療中に思い浮かべられると結構役に立ちます。
■操体でよく使う膝裏の痼りでも、
左膝裏の外寄りの痼りは、胴体の左半分で体の外で裏側、
つまり、左背中側の外寄りに関係しています。
■多くの場合には、左の腰外寄りに痼りがあります。そして、
■左外踝付近や左足小指・第4指付近にも痼りがある可能性が高いです。
■右膝裏外寄りの場合も同様です。


膝裏外寄りの痼りと腰痛の関係 †
•ですから、腰痛の場合には、膝裏の外寄り、
よく膝裏の絵を描く時に「上下が短いH」字型を描きますが、
その「H」の外側で脹ら脛側の端と、外踝の後ろ側を結んだライン上に
腰痛に良く効くツボが並ぶ事が多いです。
◦腰は体の前横後ろの3分類で言えば後ろ側ですから。

膝裏内よりの痼りとお腹の関係 †
•同じ左膝裏の痼りでも内側に在る場合には、
胴体の内側の左外寄りの状態を反映しています。
◦胴体内側のその部分に痼りが在れば、
前回書いたツボの第一原則の横輪切りの体表面にツボがでやすいので、結局、
腹の左側にツボが出やすくなります。
■女性の方では、左下腹から左腰骨にかけてツボが出ている事が多いです。
生理痛を始めとする生殖器関連疾患の方に多く見られます。
◦そういう方は、左足の内踝周りや親指周りにもツボが出ている可能性が高いです。
•右膝裏内寄りに痼りがあっても同じなのですが、
女性の生殖器関連疾患の場合には2/3位は左側に出るようです。

足の内側と体の内側も、それぞれ前・横・後ろ同士で関係 †
•体の内側と足の内側との関係も、だいたい、前・横・後ろに対応しています。
◦体の内側で比較的お腹の表面に近い部分には胃腸などの消化器がありますので、
足の内側の前の経絡(足太陰)と関係が深いです。
◦生殖器や肝臓は体の内側の中心に近い部分にありますので、
足の内側の横(真ん中)の経絡(足厥陰)と関係が深いです。
◦体の内側の後ろのほうには、腹膜後器官の腎臓・膀胱と背骨があります。
■手術の時には背中側からする器官です。ですから、
■足の内側の後ろの経絡(足少陰)は、
腎臓・膀胱や副腎、脊髄・延髄などの中枢神経系と関係が深いです。


頭のてっぺんは、足の内側の横(足厥陰)と関係 †
•面白いのは、この足の内側の真ん中あたり(つまり、前・横・後ろの横、足厥陰)の状態が、
よく、頭のてっぺんに関係する事です。
◦古典にも「頭のてっぺんの頭痛は足厥陰が担当する」と出ています。
◦これは、鉛筆を思い出していただけると納得が行くと思います。
■足という2本の丸太がくっついて胴体や首や頭が出来ているとすると、
内側の横、つまり、内側の真ん中は、鉛筆の芯に相当し、それは、
そのまま上に辿れば、頭のてっぺん中央になります。
•ですから、頭のてっぺんが痛かったり熱かったりする時には、
内踝や足親指周りにもツボが出ます。
◦頭の前が痛い時には、足の前側、第2指付近にツボが出ます。
◦頭の横が痛い偏頭痛の場合には外踝の前寄りや足の中指と第4指辺りにツボが出ますし、
◦後頭痛の時には外踝の後ろ寄りや足小指や第4指にツボが出ます。

足の内の横(真ん中)の経絡(足厥陰)は、目の病にも関係 †
•もう一つ面白いことに、この足の内の横(真ん中)の経絡(足厥陰)は、
目の病にも関係しています。
◦これは、目の裏側というか、奥は、
立ち姿勢での頭の横輪切り面の中心付近に達しているせいだと思います。
◦ものもらいや目のゴミなど、目の表面の問題は
手の親指や人差し指、つまり、手の外の前の経絡(手陽明)が担当しますが、
◦目を動かす筋肉や網膜などが関係する近視や網膜剥離などは、
足の内の真ん中付近(足厥陰)が関係しています。
■この例は、橋本敬三・翁先生の『生体の歪みを正す』p87に
「患眼同側大腿内側下3分の1、四頭股筋の内縁」と出ているのを始め、何回も出てきます。

目のツボで、天から見て重なる所に出る例 †
•眼のツボは、
頭のてっぺん付近と目の延長線(正中線と平行な)が交わる処の左右2箇所にも出るのですが、
◦真後ろは横輪切りの原則だなと解るが、
何故此処にも出るのだろうと長い事考えていました。ようするに、
◦天から見ると下に目の奥がある、つまり、
◦これも天から見て重なるところにツボが出る例なんだと解りました。
■天から見て重なると言うのは、結局、
重力の影響が反映、経絡は重力付加の分担システムということなので、
1937年に経絡と重力の関係を指摘した橋本敬三・翁先生は
あらためて凄いなと思います。

足三里のツボとお腹の関係 †
•さて、足の前側は、前頭部以外にも体の前側に対応しているわけですが、
ここで有名なのは、いわゆる三里のツボです。
◦膝のお皿の外側から少し足首よりに在ります。
◦此処は、体の前側、つまり、お腹側の表面近くと関連します。
■ツボの出方の第一原則で書いたように、そこには、
お腹の内側の状態を横輪切りの原則で反映したツボが出ますので、
三里のツボは、お腹の状態を反映する事になります。

足指と体の関係 †
•ですから、結局、お腹が痛い時には、
足の指では、親指と第2指周りにツボが出やすい事になります。
◦詳しく言えば、
■親指は直接お腹の内側と関係し、
■第2指は、お腹の内側と関係のある、お腹表面のツボと関係している
事になります。
•手と同じで、他の歪みとの関係で、隣の指に出る事もあります。
•でも、「だいたい前・横・後ろで、足の親指は体の内側」
と直ぐに頭に思い浮かべられれば、操体の治療の際にも役に立つと思います。
◦つまり、
a.足の2指・3指は体の前側、
b.足の3指・4指は体の横側、
c.足の4指・小指は体の後ろ側
という対応がありますので、頭に入れて置いてください。
■古典では、足の甲の4指・小指の間は、
足の外・横の経絡(足少陽)が通るとされていますが、
腰痛・座骨神経痛など体の後ろ側に症状が出ている時には、必ずと行って良いほど、
足の甲の4指小指に繋がる骨の間にツボが出ていますので、
臨床に生かすには、
足の甲の4指・小指の間は、体の後ろ側に対応する
と思っていたほうが役に立ちます。
(これは、現在では、背中のツボが足太陽1行線よりも2行線などより外よりに出ている方が多いことと関係)
(している可能性があります。古典での足太陽の末端ルートである小指外側は、背中の足太陽1行線や華陀経)
(などと関係が深そうに思っています。背中の足太陽1行線は脊柱起立筋の一番太いあたり。2行線は脊柱起)
(立筋の外端あたり、華陀経は背骨の横突起間あたりです。)

喉と土踏まずの関係など †
•あと、興味深い対応では、
喉が腫れている時には、内踝付近でも、
土踏まずの中央辺りに痼りがある事が多いです。
◦これは、喉の部分で腫れるのは後ろより、つまり、
立ち姿勢での横輪切り面で見るとかなり後ろになるからだと思います。
◦土踏まず付近は、足の内側でも後ろ側の経絡が通るとされています。
•また、冷えが在る時には、
足の甲の3指と4指の間や、
その裏側の足の中央付近の窪み、湧泉とか足心とか呼ばれる処
も反応がある事が多いですね。
◦これは、足の甲と裏側の相関関係が関係しているのかも知れません。

おわりに †
•長くなってしまいましたが、要するに、
•足は、
i.内踝側が胴体・頭の内側と、
ii.外踝側が胴体・頭の外側と関係していて、
a.それぞれ、前・横・後ろでの関係もある
という事です。
•次回は、背中と脚裏(脚の背中側)の負荷分担と直立2足歩行の関係
を次男のリハビリをしながら考えた事を書きます。
◦そして、次次回には、足の経絡が下腿で内側だけ交差する理由
を直立2足歩行との関係で考えていきます。

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