和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

言葉に頼らず技を盗む

はじめに †
•先回は、操体の練習では、
先ず、操体の練習を愉しめるようになる事、
特に、自分の体との伝え合いや、受け手の方の体との伝え合いを愉しめるようになる事
が大切だと書きました。
•今回は、達人の先生方から技や術を盗む方法について書きます。

やっている事を観察しマネする †
•先生やお師匠さんの技や術を盗むにはコツがあります。
◦先生と同じ構えで同じリズムで体を動かしながら実演を見る事です。
■同時に、受け手の方の体も良く見て、
お腹の息の入り具合などの気持ちよさを感じているサインを観察しながら、
それに先生がどう操法を変化させていっているかを観察します。

言っている事とやっている事は違ってる †
•操体の達人の先生方のおっしゃっている言葉とやってられる事は一致しない
事が良くあります。
◦橋本敬三・翁先生は言葉と行動が一致している事が多いほうだと思いますが。
•一致していない先生方は意地悪でそうしている訳では無く、
一人一人の経験が異なれば、行動と言葉による表現との繋がりが異なってくる
からです。
◦また、日本の国語教育では、叙情、つまり、
心情の表現や理解には膨大な時間を費やしますが、
例えば、国語のテストには作者の心情を読みとりなさいという設問はたくさんありますが、
叙事、つまり実際の出来事を表現して伝える訓練はほとんどしていないからです。
■まして、動作を具体的な言葉で伝える練習は行われていません。
◦日本人に「心でっかち」が多いのは学校の国語教育のせいでもあると思います。

心意気を語ってらっしゃる事が多い †
•達人の先生方が操体について語る時には、
ご自分が操体している時の心情や心意気や意気込みを語ってらっしゃるだけで、
自分の動作や患者さんの反応について語ってらっしゃるわけではない事が多いです。
◦ですから、極端な言い方をすれば、
先生方の言葉に惑わされているうちは、
技や術は盗めないと思ったほうが良いです。
■水泳選手の話を聞いたり記事で読んだりして、
その水泳選手の心情や心意気を言葉で幾ら理解しても、
大人になっても金槌の人は泳げるようにはなれません。
それと同じです。
◦達人の心情や心意気を聞いて役に立つようになるのは、
技や術が近いレベルになってからです。
■水泳で言えば、
代表選手として同じような大会に出られるレベルになってからです。
•先生の心意気を語る言葉は書き留めておくなりしておけば、
その頃には役に立つと思います。
◦ただ、聞いた時に役に立つ事は少ないです。

構えを真似る †
•ですから、先生の言葉でなく、
操体している最中の先生の体の動きをマネしましょう。
それには、先ずは構えです。
•どういう姿勢で、患者さんに対してどういう向きで構えているか
を良く観察してマネします。
◦構えの基本は、
「仙骨を反らせるように腰を立て、
 背筋を伸ばしながら腰から前にほんの少し曲げ、
 顎を引き、肩の力を抜き、
 上腕は脇の下からテニスボール1つ分くらい離し、
 肘は円をかくように少し張り、手首は折らないで、
 体の正中腺(お臍)を対象に向ける」という形です。
■簡単に言えば、愉しい事をやっている時の姿勢です。
◦ただ、先生によって少しづつ違いがありますし、
操体・操法によっても少しづつ違います。
■慣れてきたら、
色々な姿勢で色々な操体をする時に、
先生が構えの基本を守るために、
どういう工夫をしているか観察できると面白いです。

リズムを真似る †
•次は、リズム。
◦腰で体全体のリズムを見ながら、
手先のリズムを手で自分の体を敲いてマネします。
■特に、患者さんの体の状態の変化、息の変化などに従って、
先生がどうリズムを変えていくかを観察し、マネします。
◦あんまり派手にやると、
先生によっては気にされるかも知れませんので、
そういう先生から盗む場合には、そっとやります。

自分に向いている先生を探そう †
•そんな事もあって、初心者のうちは、
操体をする動作の一つ一つを丁寧に解説してくれ、
間違った構えやリズムの時には指摘してくださる
先生についたほうが上達は早いと思います。
◦ただ、その解説の仕方や間違いの指摘などと、
受け手側との相性も大切ですので、
その辺りも考慮にいれてください。
■つまり、解説や指摘が気持ちよく感じられるかどうかも大切です。

マネしやすい、楽しい先生を捜す †
•体の自然についての原則や操体の自然則などを良く理解していれば、
先生のやっている事の意味が解かりやすいでしょう。
◦体は、先生方が思っている事に反応するのでは無く、
先生方がやっている事に反応するのですから。
•意味がわかって、しかも、構えとリズムが盗めれば、
技や術は盗みやすくなります。
•構えはリズムに比べると先生による差は少ないです。
◦ですから、リズムが違う先生の技や術は盗みにくいと言えます。
■そういう点でも相性は大切です。
相性の良い先生と巡り会えるようにいろいろ探してみましょう。
•また、操体では気持ちよさを大切にするので、
一緒にいて愉しい先生が見つけられるよう工夫していきましょう。

解った事は文章にまとめ、周りに伝える †
•操体についてわかった事を時々まとめて文章にしてみる事も、
操体の上達には役に立ちます。
◦自分の言葉で自分の考え方を表現できないと、
自然則の世界を掴んでいくのは難しいようです。
◦他人の言葉を借りて操体について語っているうちは、
操法も借り物でしかなく、身に付いたものとはなりません。
■例え、先生の言葉と違ってしまったとしても、
自分の操体を自分の言葉で語れるようになると、
操体が板についてきたという感じになると思います。
•それと、周りにどんどん伝えていくのも大切な事です。
◦資格試験などの勉強は人から習ったほうが効率よく学べるようですが、
操体のような自然則に従う事に上達していくためには、
周りに伝えたほうがどんどん上達するようです。
■先生の言葉で操体を語っているうちは、
受け手の方になかなか通じませんから、
通じるように工夫していくうちに
自分の言葉で操体を語れるようになるせいかもしれません。

知識を覚える前に、気持ち良さを味わう †
•いろいろな事を学んでいくのは大切なことだと思いますが、それが
言葉による知識だけだと操体を身に付けていくのにじゃまになる
事も多いです。
◦言葉による知識を覚えた後では、
体で感じた事を心に自分なりの言葉で思い浮かべるのが難しくなる
からです。
■言葉で知識を読み聞きする前に
体で操体の気持ち良さを実感できたほうが、
操体は身に付けやすいと思います。

次回は、具体的練習方法 †
•さて、今回は、
達人の先生方が実際にしている事と患者さんの反応から技や術を盗み、
自分の言葉で操体を語る
大切さについて書きました。
•次回は、もう少し具体的な練習方法を書きます。

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