和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.9

1. 足首などの動きをきっかけに †
 末端の動きを体全体に伝えていく、とくに背骨など体の中心に伝えていくことを
考えるときに、手首以外にも、いろいろな部分がきっかけになります。足首や膝、
あるいは首(というか顔や頭かな)などです。あと、もうひとつ、目で見るところ
を移動させる、視線もあります。その中でも足首の動きはとくに大きな影響を与え
るので、足首を中心にみていきます。

 これも一人操体としてすることもできるので、きっかけからの動きを体のあちこ
ちに伝えながら、より深い気持ち良さの味わえるタワメの間の姿勢を探していきま
す。そして、体重をどちらに移動させると、よりイイ感じか確かめ、イイ感じの方
に体重を移動させます。


2. 足首をきっかけに †
 足首の動きをきっかけにします。いちばん多く使われるのは背屈、つまり足の甲
を反らす動きです。操体ではよく「爪先上げ」といいます。次は、足首捻転や底屈、
つまり背屈の逆の動きかな。


2.1.立った姿勢から足首をきっかけに †
 立った姿勢から足首を背屈、つまり爪先を上げていくと、体を前屈、前に曲げる
動きにつながりませんか? 前屈させないとバランスがとりにくいでしょう。そし
て、お尻を後ろに突き出して体重を少し後ろに移動させると安定します(写真1)。
画像の説明写真1

 逆に、立った姿勢から足首を底屈すると、この場合は踵を上げることになるので、
体を後屈、後ろに反らせる動きになるというか、反らせないとバランスがとれませ
ん。そして、腰を前に突き出して体重を少し前に移動させると安定します(写真2)。
画像の説明写真2

 片足の親指のつま先を同じ足の踵を支点にして小指側に回すと、体全体はそちら
側に捻転、というか、そちら向きになります。そして、体重も少しそちらに移動さ
せたほうが安定します。また、片足の親指のつま先を踵を支点に反対側の親指側に
回すと、体全体はそちら側に捻転、つまり、そちら向きになり、体重も少しそちら、
つまり反対側の足に移動させた方が安定します。

 片足の踵を上げ、親指のつま先を足甲側に回す足首捻転をすると、膝が曲がり股
関節も曲がり足が上がっていきます。この場合には、体重は反対側の足にかかりま
す(写真3)。
画像の説明写真3

 足を上げ、つまり膝と股関節を曲げて、つま先を垂らしてから、親指のつま先を
足裏側に回す足首捻転をすると、膝と股関節が伸びて、足が下がり、つま先が床に
つきます。このときに、体重は、はじめ反対側の足にすべてかかっていた状態から
徐々につま先が床についた足に移ります。(写真4)
画像の説明写真4

 片足のつま先を反らせると、膝が曲がり股関節も曲がって、その足を上げる動作
につながります。この場合に体重は少しずつ反対側の脚に移っていきます。


2.2.寝た姿勢から足首をきっかけに †
 寝た姿勢から足首の動きをきっかけにした動きもいろいろできます。つま先上げ、
つまり足首の背屈をきっかけにしたものが多いです。

 仰向けで足を伸ばした姿勢からだと立ち姿勢のときとよく似ています。親指側が
足裏に回る足首捻転をしていくと、より足を伸ばす動きになります。逆に、親指側
が足甲に回る足首捻転をすると、膝と股関節が曲がり膝が胴体に近づきます。

 仰向けで足を伸ばした状態から、つま先を上げていくと、踵を突き出す動きにな
ります。そして、膝裏をはじめ、下腿、大腿の裏が伸びます。

 仰向け膝立ての姿勢から、両方のつま先をあげていくと、踵を踏ん張ることにつ
ながり、お尻が浮いてくる動きになるとき(写真5)と、
画像の説明写真5
膝や股関節が曲がって足が浮き、両足を胸に抱え込むような格好になるとき(写真6)
画像の説明写真6
があります。どちらかというとお尻が浮いてくる方が多いです。足は重いので両足
をいっぺんに持ち上げるのはやりにくいからだと思います。

 仰向け膝立てから片方の足のつま先を上げる動きも、お尻が浮いてくるときと、
膝や股関節が曲がって、膝を胸に抱え込むような動きになるときがありますが、こ
の場合には膝を抱え込む格好になることが多いです(写真7)。
画像の説明写真7
もう片方の足の踵を踏ん張りやすく、つま先上げした足を上げやすいからだと思い
ます。

 うつ伏せからの足首の動きとしては、まず、足首まわりをよく見てみます。足首
の下に隙間が空いているときは、足首を底屈させると膝が曲がって踵がお尻に近づ
動きになります(写真8)。
画像の説明写真8
つま先が外側を向いて寝ている場合に、つま先上げ、つまり足首の背屈をしていく
と、膝や股関節が曲がり、膝が脇の下の近づいて、操体の世界ではカエル足とよば
れる格好になります(写真9)。
画像の説明写真9

 横向き寝からは、つま先をあげていく、つまり足首の背屈をしていくと、膝や股
関節も曲がって、膝を胸に抱え込む姿勢の横向き版になります(写真10)。
画像の説明写真10
横向き寝から、逆に、足首を底屈していくと、胴体全体が反る姿勢になります
(写真11)。
画像の説明写真11

 ほかにもいろいろあると思います。二人で組んでいろいろ試してみてください。


3. 手首・足首以外だと †
 末端の動きとしては、手首・足首以外だと、首の動きもきっかけになります。首
の場合には、まずは左右捻転、次は反らすかうつむくかで、左右側屈は少ないです。
それぞれ胴体の左右捻転、前屈後屈、左右側屈の動きにつながります。声をかけて、
首の動きを指示するときには、顔をどちらに向けるかや、目でどっちをみるかとい
うことで指示することも可能です。その方が伝わりやすいことも多いです。右を見
るようにすれば首を右に捻転したのと同じ姿勢になるし、上を見れば首は反るし、
床を見れば首は前に曲がるし、斜め上を見ると首は捻転しながら反ることになりま
す。


4. いろいろな操体に応用 †
 前回と今回の末端の動きをいろいろな操体をするときに思い出して使ってみるよ
うにしてください。次回からは体重移動と体全体の動きとの関係をみていきます。

 末端の動きと体重移動を組み合わせると、操体のタワメの間が決まりやすくなり
ます。寝方別の操体などの解説では、そのたびに、手足末端の動きと体重移動を付
け加えていくので、よく理解して使いこなせるようになってください。

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