和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.4

肩や首がこって縮んでいるところを強調する †
 肩や首など上半身の辛さを軽くする動きの操体は、後頚部や上背部がこって
縮んでいることを少し強調してみるのが基本です。動きの操体の原則の一つは、
縮んだところはより縮ませるからです。目立つのは、肩や首、上背部がこって
縮んでいることなので、それを少し強調するわけです。


まず指揉みしながら首や肩を動かしてもらう †

指揉みしながら、どの指がコっているか確かめる †
 座位で、まず指揉みしながら、どの指の指裏や水掻きがこっているか確かめ
てみましょう。肩や首が辛い人は、小指または薬指の指裏や、小指と薬指の間
の水掻きがこっていることが多いです。経過が長い人だと薬指と中指の間の水
掻きや中指の指裏の薬指寄りがこっていることも多いです。左右差を含め、そ
の辺りを確かめておきましょう。


指揉みしながら首の左右捻転などをしてもらう †
 指揉みや指反らしをしながら、首を動きやすい範囲でいろいろ動かしてもら
うと、鍼の世界の運動鍼のような効果が出て、辛さや可動域などが少しは改善
するので、試してみましょう。まずは、左右に捻転し、それから左右側屈や前
後屈を試してみましょう。


腕返し †
 座位で、指先を自分の方に向けて手の平を床や畳、椅子の座面などにつきま
す(写真1)。両手をこうすると、自然に首がそり肩甲間部が狭まり、肩や首
のこって縮んでいるところをより強調する姿勢になります。
画像の説明写真1
 手を大腿の上に置いたり(写真2)、床や畳の上に置いた手を自分から遠ざ
けたり、指先を支点に手首を体の外側の方に回したりすると、より強調するこ
とになりますが、無理はしないでください。痛気持ちいい程度に留めてください。
画像の説明写真2
手を置く位置や体に対する角度をいろいろ変えて気持ちよさが深くなるように
してください。体重は前に移すとよい場合が多いです。目は少し上に向けると
イイ感じが増えることが多いです。
 この方法は、パソコン作業の合間などに30分から1時間に1回すると肩や首の
辛さが抜けやすいので、患者さんはじめ一般の人にもまず最初に勧められると
思います。一人でできますし。


座位で肩を上げて首を反らせる †
 両肩を首のほうに近づけて首を反らせます(写真3)。これもこって縮んで
いる肩周りの筋肉をより強調する姿勢です。
画像の説明写真3
 小指が手の平側に回る手首捻転をしたり、手を反らして小指側を背中側に回
転したりすると背中側の筋肉がより縮むので効果が出やすいです。後者は「3.
腕返し」と同じようなことをしていることになります。この場合も、体重は前
に移し、目を上に向けるとよい場合が多いです。やはり、無理せずに気持ちよ
さが深くなるタワメの間を探してください。
 受け手の人を補助するときには、両手を反らし指先を背中側に回転するのを
強調し、小指丘を持ち上げてあげる(写真4)とよいでしょう。
画像の説明写真4
でも、補助がしにくいので基本的には一人で行う操体だと思います。


組んだ手の平を天井へ †
 受け手の人に頭の後ろで手を組んでから、親指を支点に手の平を天井に向け
てもらいます。操者は、その手首捻転を強調するようにしてから(写真5)、
画像の説明写真5
ユックリ持ち上げていきます。これも抵抗の少ない方向に持ち上げるのがコツ
です。肩や首のこりにより少しずつ方向が違います。最初のうちは、受け手の
人と相談しながら一番イイ感じがするタワメの間の姿勢を探していきます(写真6)
画像の説明写真6
膝などで肩甲間部を押してあげるとイイ感じが増すことが多いです(写真7)。
画像の説明写真7
受け手の人には、目を天井に向けてもらったり、体重を移しやすい方に移して
もらうとイイ感じが増えることが多いです。
 受け手の人が姿勢を変えたくなったら終わりにします。なお、これは片手ず
つ行うこともできます(写真8)
画像の説明写真8


うつ伏せ寝から肘上げ †
 座位からだけでなく、うつ伏せからもできます。うつ伏せに寝てもらって、
顔をラクなほうに向けてもらい、顔が向いているほうの肘を持ち上げます。
上腕と体の角度や持ち上げ具合をちょうどいいように調節してから、操者の大
腿の上に肘を乗せてしまう(写真9)と安定します。顔の向いているほうの首
や肩甲間部のこりがより辛いから、そちらに顔を向けるのがラクなので、それ
をより強調するようなタワメの間を探しているわけです。
画像の説明写真9
 肘を抵抗の少ない方向に動かしてちょうどいい位置を決めるのがコツなので
すが、最初のうちは受け手の人と声を掛け合ってちょうどいい位置を探してく
ださい。肘が肩よりも頭よりのほうがちょうどいい場合には、上腕の延長と背
骨が交わる辺りにツボが出ていることが多いです。肘が肩よりも脇よりのほう
がちょうどいいときには、肩を通り上腕と直角な線が背骨と交わる辺りにツボ
が出ている(写真10)ことが多いです。比較すると後者が多いです。
画像の説明写真10
そのツボの出ている辺りに力が集中するというか、そのツボの辺りが一番縮む
ような格好に肘を持ち上げていくのがコツです。これを文章だけで理解し納得
し身に付けてもらうのは難しいですね。
 お腹に息が深く入っていくようでしたら効いている証拠です。指揉み、特に
小指と薬指の指揉みをしたり、見付けた背骨の傍のツボを押したりすると変化
が速くなることが多いです。
 受け手の人が姿勢を変えたくなったら終わりにします。


操体の基本手順から見てみる †
 今回の操体を操体の基本手順から見てみましょう。
1)ラクな姿勢になってもらう
  =ラクな姿勢で立つ、座る、寝る
2)目立つところを少し強調してイイ感じを探す
  =後頚部や背中上部がこって縮んでいるのが目立つので、
   そこをより縮める姿勢を取ることで強調する
3)ほかにイイ感じがないか探し、あったら加える
  ?目の動き、手首の動きを加える
  ?体重を移しやすい方に移す
4)息が深くなるかイイ感じなら続ける
5)姿勢を変えたくなったら終える
   (体重を戻す=姿勢を変える)
ということで、操体の基本手順に当てはまりますね。

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