和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.23

1.はじめに †
 ラクな寝方で連続して操体していくときに、よく見られる例の2回目で、横向きに寝た
場合に、上半身と下半身を同じ側にしたがる、いわゆる「横向き丸まり」型の人を実際
に施術した例です。しかし、先回も書きましたように、実際に連続操体した例なので、
今まで寝方別繰体で解説してきたような比較的多い典型的タイプというのとは少し違っ
ていることもあります。操体ライブという感じで見ていただきたいと思います。

 また、ラクな寝方になったら、まず重さの操体から試してみるというのが原則の一つ
ですが、横向き寝の場合には、重さの操体から始めると言っても、重さと皮膚が合わさっ
たような感じでやっていくのが良いことが多く、丸まりタイプの場合には、下半身上半
身ともに前、つまり、腹側にかるく重さをかけながら、皮膚をずらしていくという感じ
になることも心にとめておいてください。


2.連続施術してみたら †

1)横向き丸まりから †
 「ラクな寝方になってください」といったら、写真1のようになりました。そこで、
画像の説明写真1
念のため、足指をすこし痛くして逃げてもらいました(写真2)。
画像の説明写真2
捻れ型か丸まり型か試しにやってみたら、丸まり型のほうがイイ感じとのことでしたの
で、そのまま皮膚と重さのミックスの操体を続けました(写真3)。
画像の説明写真3
しばらくしたら、ゆっくり畳に体の前側が近づいていき、結局うつ伏せ寝になりました
(写真4)。この点は、典型的な横向き丸まり型でした。
画像の説明写真4


2)うつ伏せで下半身から †
 うつ伏せでは、見た目にあまり変化がなかったので、定番を順にすることにしました。
爪先が外向きだったら、その状態を強調するカエル足などをしたと思いますが、この場
合、この時点で爪先が両方とも内向きでしたので、省略しました。

 そこで、まずは、いわゆる尻たたきで、お尻に踵が着きやすいほうをすこし余分にお
尻に押しつけるように置いてから、それをすこし強調するように足首付近の皮膚を爪先
のほうにほんのすこしずらして、イイ感じを味わってもらいました(写真5)。
画像の説明写真5

 つぎに、いわゆるうつ伏せからの膝たおしをしました。試しに左右に倒してみて倒れ
やすいほうにかるく倒れるだけ倒してもらってから、上になっている足の足首付近の皮
膚をほんのすこし踵のほうにずらし、イイ感じが消えるまで続けました(写真6)。
画像の説明写真6

 そのつぎは、足首捻転を試してみました。これも、足首のちかくの下腿の皮膚をずら
してみて、イイ感じのずらし具合をみつけ、それを保ちながら、気持ちいい感じが消え
るまでじっくり味わってもらいました(写真7)。
画像の説明写真7

 以上で、下半身は、ほぼ整ったように見えたので、上半身に移ることにしました。


3)うつ伏せで上半身 †
 うつ伏せの姿勢を見てみると、顔が右を向き、肘の位置が高めで右肩から右肩甲間部
がこっていそうな感じでした(写真8)。
画像の説明写真8

 そこで、まずは、肘の持ち上げをやってみることにしました。肘を上げやすい角度に
上げてもらって、上腕と直交する線上の背骨脇を調べたら、肩甲間部にシコリが見つかっ
たので、そのシコリに指圧しながら、経絡的に関連する指揉みもくわえ、肘を適度にな
るようバランスさせながら上げ続け、充分にイイ感じを味わってもらいました(写真9)。
画像の説明写真9

 終えてから、ラクな姿勢を探してもらったら、仰向けになりました。


4)仰向けで上半身 †
 うつ伏せのときの右肩まわりのシコリが気になっていたので、右肩の前側を調べたら、
シコリが見つかったので、そこに皮膚操体をしながら、関連する指の指そらしを付け加
え、それぞれの良い加減をみつけ、それらが消えないように調整し続け、イイ感じを充
分に味わってもらいしました(写真10)。
画像の説明写真10


5)仰向けで下半身 †
 肩まわりがゆるんだ感じになったので、足を見てみたら、すこし右足が外に倒れ気味
かなと思いました(写真11)。
画像の説明写真11

 右足膝裏を調べたら、予想通り外側にシコリが見つかったので、そのシコリをすこし
痛くして逃げてもらう操体をして、シコリが痛まない姿勢を見つけ、イイ感じが消えな
いように少しずつバランスを取りながら保ち続け、気持ち良さを充分に味わってもらい
ました(写真12)。
画像の説明写真12
そして、足を見たら、まぁいいかなという感じになりました(写真13)。
画像の説明写真13
体全体をながめても、まぁいいかなという感じでした(写真14)ので、仕上げに入るこ
とにしました。
画像の説明写真14

 もちろん、このあたり受け手の人に相談して、辛いところが残っていれば、それを解
消するための操体をする必要もあると思います。


6)仕上げ †
 頭の後ろで手を組んでもらい、捻転前後屈などでイイ感じの組み合わせを選んでもらっ
てから、体重を移しやすいほうに移してもらい、イイ感じが消えないようにバランスを
調整しながら支え続けました(写真15)。
画像の説明写真15
そのあと、左右の手の指を一本ずつじっくり揉みました(写真16)。
画像の説明写真16


3.おわりに †
 この人の場合には、疲れていましたが、体の歪み自体は少なかった感じです。そのため、
比較的少ない数の操体ですみました。もちろん、こういう場合でも定番をすべて順番にし
ていくこともできますが、先回も書きましたように、いまは比較すると、一つの操体をじっ
くり味わうことを好む人が多いので、必要もなさそうな操体は省略したほうがよい場合が
多くなります。このあたりは、施術しながら受け手の人と相談して決めていくのが良いと
思います。しかし、操体に慣れていない人が受け手の場合には、施術者側の判断で決めて
よいと思います。

 次回からは、これまで、あまりくわしくふれてこなかった指先での皮膚操体について、
2、3回くわしく解説していく予定です。それで「ラクな寝方からの操体」を終え、そのあ
と、新章「操体で一通り治療する」に入ります。「操体で一通り治療する」では、まず、
仕上げの座位からの重さと指揉みを解説したあと、操体で一通り治療した例を二つ(どち
らも操体が初めてに近い人)あげたあと、ラクな姿勢がわかりにくい人、操体中にどんど
ん姿勢が変わっていってしまう人などへの対処法を解説していく予定です。

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