和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.22

1.はじめに †
 ラクな寝方で連続して操体していくときに、よく見られる例の1回目で、横向きに寝た
場合に、上半身を下半身と反対側にしたがる、いわゆる「横向き捻れ」型(写真1)の方
画像の説明写真1
を実際に施術した例です。臨床の場で出会う受け手の方には、いろいろな連続操体をして
いく方がいます。それを理解していただくために、これから連続操体の例をあげるときは、
できるだけ実際に連続操体した例をあげていきます。今まで寝方別繰体で解説してきたよ
うな比較的多い典型的タイプというのとは少し違っている場合もありますが、操体ライブ
という感じで見ていただけるとありがたいです。

 さて、横向き寝がラクだった場合や、どの寝方がラクか分からないので横向き寝になっ
てもらった場合にも、ラクな寝方になったら、まず重さの操体から試してみるというのが
原則の一つです。しかし、横向き寝の場合には、重さの操体からはじめるといっても、重
さと皮膚が合わさったような感じでやっていくのが良いことが多いです。捻れタイプか丸
まりタイプか見きわめて、捻れの場合には、下半身の前側(腹側)にかるく重さをかけな
がら、上半身には後ろ(背中側)にかるく重さをかけ、両方をやじろべえのようにバラン
スさせつつ、下半身においた手と上半身においた手で反対方向に皮膚ズラしをしていく感
じになります。丸まりタイプの場合には、下半身上半身ともに前、つまり、腹側にかるく
重さをかけながら、皮膚ズラしをしていくという感じになります。


2.連続施術してみたら †
 「ラクな寝方になってください」といったら、写真2のようになりました。一見横向き
画像の説明写真2
丸まり型かなとも思ったのですが、足指を痛くして逃げてもらって(写真3)、実際に捻
画像の説明写真3
れ型か丸まり型か試しにやってみてから聞いてみたら、捻れたほうがイイ感じとのことで
した(写真4)。そのまま、しばらく、皮膚の操体として続けていたら、だんだん仰向けに
画像の説明写真4
近づいていき(写真5)、仰向け寝になりました。
画像の説明写真5

 仰向け寝になった状態で足の倒れ具合を見てみると、右足が大きく外に倒れていました
(写真6)。
画像の説明写真6
そこで、足を曲げたほうがラクなのではないかと聞いて、足の曲げ具合を反対側の足の足
首あたり、膝あたり、大腿あたりのどのあたりがラクか選んでもらったところ、膝あたり
がラクということでした(写真7)。
画像の説明写真7
そこで、その姿勢を少し強調する皮膚の操体(写真8)をしてみたらイイ感じとのことで
、しばらく続けました。
画像の説明写真8
 終えてから、足の倒れ具合をふたたび見てみると、前よりも少し改善した感じでしたが、
また充分とは言えない状態でした(写真9)。
画像の説明写真9
こういう場合には、膝裏の小指側が縮んでいるため、足が倒れていることもよくあるので、
試しに膝を立ててもらい、膝裏を調べさせてもらいました(写真10)。
画像の説明写真10
やはり膝裏小指側にシコりが見つかったので、そこを少し痛くしてイイ感じのほうに逃げ
てもらい、膝裏のシコリが消える姿勢を維持する操体をしました(写真11)。
画像の説明写真11
終わってから足の倒れ具合を比較してみると、左右ほぼ同じになっていました(写真12)。
画像の説明写真12
ほんの少し左足が倒れている感じもしたので、念のため左足の膝裏を調べたらシコリが見
つかったので、そのシコリからも逃げてもらう操体もしてみました(写真13)。そしたら、
画像の説明写真13
足はもういいかなという感じになりました。

 こういう場合に、もちろん、やっていない定番の操体をしていくということもできます。
たとえば、この場合には、膝たおしや足のばしとかです。この辺りの判断は迷う部分もあ
るのですが、このときは、はじめが横向き寝がラクで捻れる形の操体でしたので、膝たお
しはしませんでした。前にも書きましたが、横向き捻れと仰向け膝たおしは、タワメの間
の姿勢という点から見ると同じ操体という見方ができるからです。

 また、足の長さの左右差があまりなかったし、足の親指側が巻き込むように床に近づい
ていたりする感じもなく、足首から先が立っている感じもあまりなかったので、足のばし
はしませんでした。足の長さの左右差は内くるぶしの位置で判断しますが、それが左右で
ずれているときには、長いほうの足を伸ばす操体をするとイイ感じなことが多いです。そ
して、親指側が巻き込むように床に近づく傾向の見られるときは、足の前側(腹側)を伸
ばすことがイイ感じのことが多く、足首から先が立っているように見えるときは、足の裏
側(背中側)を伸ばすのがイイ感じのことが多いです。どちらもそのラクな足の格好を少
し強調すると、そういう操体になるからです。

 このあたりは、受け手によっても違ってきます。できるだけたくさんいろいろな操体を
受けたほうが満足度が高い人と、数は少なくてもいいからイイ感じのタワメの間をできる
だけ長く味わったほうが満足度が高い人がいるように思います。現在では比較すると後者
のほうが多いように思います。臨床の場では、限られた時間で操体をすることがほとんど
です。連続して操体するときには、時間内で満足度の高い操体になるように次にする操体
の選び方も工夫してみてください。もちろん受け手と相談できる場合には、相談して決め
るのもよいと思います。

 そんなわけで、足のほうはもういいかなという感じになったので、足のほうは終わりに
して、上半身に目を向けてみました。右腕を横に大きく伸ばしていたので、それを少し強
調する皮膚の操体をしてみました(写真14)。
画像の説明写真14
イイ感じがしなくなったときに止めてラクな格好になってもらったら、両手がだいたい同
じような位置になりました(写真15)。
画像の説明写真15

 ただ、足のほうから眺めてみて、仰向け大の字と比較すると、少し左に側屈していまし
た(写真16)。
画像の説明写真16
それで、それを少し強調するために、体の右側面を伸ばすのにつながる皮膚の操体をして
みたら、気持ちいい感じがあったので、しばらく続けました(写真17)。
画像の説明写真17
終わってラクな格好になってもらったら、まだ肩に少し左右差が残っていたので、それを
少し強調するように肩を動かしてみたら、イイ感じとのことでしばらく続けました(写真18)。
画像の説明写真18
それでも、まだ少し、右肩が上がり気味でした。右肩が上がっている場合には、右の肩や
首の右側にシコリがあって、その奥が縮んでいるため、右肩を上げているのがラクな場合
が多いので、右肩や首の右側を調べてみました。そしたら、シコリが見つかったので、そ
のシコリに指先で皮膚操体をしながら、経絡的に関連する指を反らしてみたら、感じが良
いということで続けました(写真19)。
画像の説明写真19
そしたら、ほぼ仰向け大の字になり、左右差もあまり目立たなくなりました(写真20)。
画像の説明写真20

3.仕上げ
 ラクな寝方からの連続操体としては、これで終わりです。しばらく寝たまま休んでもら
う時間があれば、そのまま寝てもらってもよいと思います。このときはすぐ起きて動く必
要があったので、仕上げをしました。仕上げとしては、座位での重さの操体(写真21)を
画像の説明写真21
してから、座位で指揉み(写真22)をすることが多いです。
画像の説明写真22
このラクな寝方からの操体を終えたあとの仕上げについては、次の「操体で一通り治療す
る篇」でくわしく説明します。また、指先での皮膚操体も、今まであまり詳しく解説して
きませんでしたが、歪みに関係するシコリが見つかった場合にピンポイントでそのシコリ
を改善するのに役に立つで、ラクな寝方からの操体が終わったら詳しく説明する予定です。

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