和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.18

1.はじめに †
 今回は、うつ伏せ寝で皮膚や重さの操体です。うつ伏せ寝からの皮膚の操体を身
に付けると、うつ伏せに寝ている受け手を見ているだけでツボがどのあたりに出て
いるかある程度予測できるようになるので、鍼灸などにも役に立ちます。良く読ん
で理解し習熟してください。

 実技としては、仰向け寝と同じように、まず、先回の動きの操体を皮膚の操体に
置き換えていきます。


2.うつ伏せ膝立てで、足の皮膚の操体 †
 先回練習したように、うつ伏せの姿勢での観察のポイントは足首から先の向きと
布団などとの隙間です。足首がたがいの親指側に向いていて親指同士がくっついて
いて足首甲側がペタンと布団などに付いていれば、歪みは少ないです。足首から先
が曲がらずにまっすぐ下腿の延長に続いている(写真1)と
画像の説明写真1
足首甲側と布団などとの間に隙間が空いている(写真2)ことが多く、
画像の説明写真2
うつ伏せ膝立てがラクな姿勢になることが多くなります。


1)足首を尻へ近づけるのを皮膚の操体に †
 足首を持って尻に近づけていき、左右どちらが尻につきやすいか比べます(写真3)。
画像の説明写真3
足首甲側と布団の間の隙間が大きかったほうが尻につきやすいことが多いです。

 軽い力で尻に近づけた姿勢から、関係がありそうな部分の皮膚をずらすことをきっ
かけにしていきます。たとえば、尻につきやすいほうの足首の甲側の皮膚をずらし
てみると足先のほうにずれやすく、脹ら脛の皮膚は膝裏のほうにずれやすいと思い
ます。

足の甲と脹ら脛、この2つ以外にもずれやすいところはあります。3つ目は曲げてい
る足の布団側の大腿前面で、そこの皮膚に手のひらを当て、その部分をずれやすい
ほうにずらしてみることをきっかけにするのも効果が出やすいです。大腿前面の皮
膚は膝のほうにズレやすいことが多いです。また、曲げている足側の尻の皮膚をず
れやすいほうにずらすことをきっかけにするのも効果的なのです。

いま挙げた4つのうちから二つを組み合わせて、受け手がいちばん気持ちよさそうな
組み合わせを選んで、きっかけにしてみるとよいです(写真4)。
画像の説明写真4
言葉の通じる人なら聞いてみて、言葉の通じない人なら息が深くなるかどうかなど
を判断基準にして決めればよいでしょう。


I)付け足し、タワメの間、終え方 †
 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、
ずらし続けます。言葉の通じる人には声をかけて、首を左右どちらに回すと気持ち
良さが増すか聞いて、気持ち良さが深くなるように首を動かしてもらいます。両腕
や反対側の足も気持ち良さが深くなるような格好を探してもらいます。わずらわし
くない範囲で。受け手が姿勢を少しずつ変えていくのに合わせて、ちょうどよく釣
り合ったタワメの間になるように、操者もずらし方を少しずつ変えながら支え続け
ます。

 受け手が大きく姿勢を変えたくなるか、息が浅くなったり、気持ち良さが感じら
れなくなるまで続けます。言葉が通じない人の場合には、引き込まれるように感じ
られるときは続けてほしいというサインで、押し返すように感じられるときには終
わりにしてほしいサインです。


2)足首を尻から離すのを皮膚の操体に †
 両方の足が尻に近づきにくかったときによくします。また、先回も書いたように、
この場合の動きの操体はちょっと難しいし、足が重くて疲れるので、左右差があっ
た場合に尻に付かないほうの足をきっかけにしたいときにも使います。

 「2.仰向け寝で、動きの操体」で説明した、伸ばしている足を伸ばす動きの操体
の方法と同じようにして、伸ばしていく方向、つまり、背骨に対する大腿の角度、
つまり開き具合と足を上げる高さを決めます。その方向が維持できるように足と床
の間に座布団を積みます。高さが低いときには、操者の大腿などに乗せてもよいです。

 大腿や下腿の皮膚をずれやすいほうにずらすことをきっかけにします。親指が足
裏にまわる方向に捻りながら足先のほうにずらすのがずれやすいことが多いです
(写真5)。
画像の説明写真5

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、
ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)足首を尻へ近づけるのを
皮膚の操体に」とほぼ同じです。


3)膝立てから足を倒すのを皮膚の操体に †
 うつ伏せ膝立ての姿勢(膝がほぼ直角に曲がって下腿が立った状態)から、倒れ
やすいほうに下腿をラクに倒れる範囲で倒します。

 その姿勢から、皮膚がずれやすいところを探してずれやすい方向にずらすことを
きっかけにします。上になった足の側の尻の皮膚がずれやすいことが多いのですが、
その場合にそこの皮膚だけずらして膝の角度が90度よりも広くなってしまうと効果
がうすくなるので、もう片方の手では上になった足膝の角度を90度以内に保つよう
にします。その状態で、尻の皮膚をずれやすいほうにずらします。(写真6)
画像の説明写真6

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、
ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)足首を尻へ近づけるのを
皮膚の操体に」とほぼ同じです。

 きっかけの皮膚ずらしは、ほかにもあると思うので、探してみてください。


4)膝立てから足首を回すのを皮膚の操体に †
 先回に動きの操体で行ったときと同じようにして足首の捻りやすい方向を見つけ
ます。その方向にラクに捻れる範囲で捻った姿勢から、皮膚がずれやすいところを
探します。いろいろあると思いますが、今までの経験では、下腿の足首寄りを親指
と4指で把握するようにつかみ、足首の回転につながるように皮膚をずらすのが効果
が出やすいようです。踵を支点に足先を回すのと受け手の感覚としてはほとんど同
じになります(写真7)。
画像の説明写真7
片足ずつするときには、空いている手で別の場所の皮膚ずらしを付け足すこともで
きます。これも今までの経験では、仙骨近くの皮膚がずれやすく効果も出やすいよ
うです。片手で足首の捻りを維持し、反対側の手のひらを仙骨ちかくに当てます。
指先は頭のほうに向け、掌底(手のひらの手首より)が尾骨にかかるぐらいが良い
ことが多いです。その状態から皮膚をかるくずれやすい方向にずらします。掌底を
支点に指先側をどちらかに回転させるように皮膚をずらすのがイイ感じのことが多
いです。

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、
ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)足首を尻へ近づけるのを
皮膚の操体に」とほぼ同じです。


3.膝立てないで、皮膚の操体 †
 うつ伏せで足を床に付けた姿勢からの皮膚の操体は、動きの操体と同じように定
番は、カエル足です。


1)カエル足を皮膚の操体で †
 動きの操体と同じように、ラクに動かせるところまで膝を脇の下に近づけてもら
います。ラクな位置がわからない人には、足指裏を痛くして逃げてもらってもよい
と思います。膝が曲がってカエルのような形で足が横に出た姿勢になってもらいま
す。

 その姿勢から、皮膚のずれやすいところをずれやすい方向にずらすことをきっか
けにします。カエル足になっている側の尻の皮膚を膝のほうにずらすのがいちばん
わかりやすいと思います(写真8)。
画像の説明写真8
空いているほうの手は、脹ら脛や足首まわりの皮膚でずれやすいところを見つけて
ずらしたり、反対側の足でずれやすいところを見つけてずらしたりしてみるとよい
と思います。また、手が届けば、肩甲骨まわりなどでずれやすそうなところを探し
てみてもよいと思います。いろいろ試してください。

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、
ずらしつづけます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)足首を尻へ近づける
のを皮膚の操体に」とほぼ同じです。


4.うつ伏せから、手の皮膚の操体 †
 この分野は動きのほうが気持ちよいという人が比較的多いですが、あまり動きた
くない人には皮膚の操体をします。また、動きの操体をしていて、動きが止まった
あとに皮膚のずれやすいところをみつけて皮膚の操体にしてしまうこともできます。


1)肘あげを皮膚の操体で †
 ラクな寝方で寝ているときに首が向いているほうの腕の上腕を観察します。その
上腕の中央を胴体の方向に延長した線が背骨と交わるところの観察している上腕側
の背骨のすぐ脇にツボが出ているのは、動きの操体のときと同じです。

 上腕の上側の皮膚をその背骨わきのツボの方向にずらしてみます。反対側の手は
背骨わきのツボに当てているとよいと思います。(写真9)
画像の説明写真9

 上腕の下側(布団側)の皮膚を肘のほう(背骨ちかくの目標のツボから遠ざかる
方向)にずらすほうがよい場合もあります。いろいろ試してください。

 また、肘を持ち上げる動きの操体をして持ち上げる高さや方向が決まった状態か
ら、上腕の皮膚をずれやすい方向にずらすことをきっかけにしたり、背骨ちかくの
ツボの上の皮膚をずれやすい方向にずらすことをきっかけに皮膚の操体をするのも
効果が出やすいです。

 ずらしたままにして、気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、
ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)足首を尻へ近づけるのを
皮膚の操体に」とほぼ同じです。

 このように動きの操体を皮膚の操体に置き換えるには、動診してラクに動かせる
ところまで動かすまでは動きの操体と同じで、ほんの少し強調するのを動きでなく
皮膚ずらしですればよいだけです。現在臨床の場で操体をして、どちらがイイ感じ
か受け手に聞いてみると、動きの操体よりも皮膚の操体のほうがイイという人が多
く、私は臨床の場では動きの操体を皮膚の操体に置き換えて施術することが多くなっ
ています。


5.うつ伏せ寝で目立つところに皮膚操体 †
 ここまでは、動きの操体を皮膚の操体におきかえてみました。そのためには、動
いて動きやすいほうを見つける動診をしなくてはならないので、ためしに動診して
みるのさえイヤがる人やひどく疲れていたりしてあまり動きたくなさそうなそうな
人にはできません。そういう人に対しては、ラクな寝方で寝ている姿を観察し、そ
こから皮膚の操体をします。寝ている姿に特徴がなくてわかりにくかったら、足指
を少し揉んで逃げてもらって姿勢をくずしてから観察してみるのもよいと思います。


1)目立つところを探す †
 観察は左右差を利用することが多いです。このときに、背骨に対する位置関係の
差だけでなく、布団や床からの高さの差にも目を向けてみるのもよい方法です。左
右差だけではなく、全身をながめて、おおざっぱな歪みがなんとなくつかめるよう
な勘を養っていくのが大切です。

 ただ、なんとなく勘でわかるだけでは、受け手に説明できませんし、調子が悪く
て勘が鈍ったときにはお手上げになってしまいます。それで、勘でわかったことを
言葉で自然則の形にしたり手順化するのも必要です。逆に、自然則や手順にしばら
れてしまって、勘が鈍って働かないようでも困ります。まずは、なんとなく勘でわ
かることを大切にし、それを補助するために自然則を活用できるようになってくだ
さい。

 私がよく利用する観察のポイントを説明していきます。自然則のひとつとして利
用してみてください。この観察のポイントをわたしは、鍼灸のツボ探しの時にも利
用して、うつ伏せで寝ている人のどのあたりにツボが出ているか、大雑把な見当を
つけています。


I)大腿上腕の向き †
 観察のポイントのひとつは、大腿と上腕の向きです。大腿と上腕の延長線上に胴
体部分があるかどうか観察してください。あれば、大腿・上腕の皮膚を胴体から遠
ざかる方向にずらすか、近づける方向にずらすか、どちらかにずれやすいことが多
いです。そうでなければ、大腿・上腕の皮膚をどちらかに捻ると皮膚がずれやすい
ことが多いです。捻るのと遠ざかったり近づけたりを組み合わせるのがイイ感じの
ことも多いです。

 延長線に胴体がある場合には、延長線と背骨が交わるあたりにツボが出ている
(写真10)ので探します。
画像の説明写真10
ツボがみつかったら、その辺りの皮膚をずらしやすいほうにずらすきっかけになり
ます(写真11)。
画像の説明写真11

 延長線上に胴体がない場合には、腕や脚と胴体の境目(付け根)を起点に上腕・
大腿と直交する線と背骨が交わるあたりにツボが出ている(写真12)ので探します。
画像の説明写真12


II)背骨の捻れ曲がり †
 背骨が捻れていないか曲がっていないかも観察ポイントになります。

 捻れの場合には、大腿の向きや骨盤の状態などの下半身の背骨を軸にした回転と、
首や上腕などの上半身の背骨を軸にした回転を比較するとわかりやすいでしょう。
ポイントは、どこを境に捻れているかです。境目の上下(頭を上、骨盤を下とした
場合)にツボが出ていることが多く、しかも対角に、つまり、境目の上側が右に出
ているのなら下側は左に出ています。

 背骨が曲がっている場合には、いちばん曲げよう、つまり、片側をいちばん伸ば
そう、片側をいちばん縮めようとしているところを見つけます。曲がり角、いちば
ん曲がりがきつい所です。

 左右前後の曲げと捻りが組み合わさっている場合もあるので、よく観察し境目を
見つけるようにしてください(写真13)。
画像の説明写真13
境目のあたりを探るとツボが見つかることが多いです。

 腰椎が捻れや曲がりの境目の場合には、背骨のすぐそばにツボが出るだけでなく、
脇のほうの脊柱起立筋の外端にも大きなツボが出ていることがあるので、探してみ
てください。ツボとしては、「痞根」「腰徹腹」とよばれ、体の古い歪みが出やす
いところとして知られています(写真14)。
画像の説明写真14
「痞根」は、腰椎のあたりの脊柱起立筋の外端で、いちばん肋骨寄りです。「腰徹
腹」は、腰椎のあたりの脊柱起立筋の外端で、いちばん蝶骨寄りです。そこにもツ
ボが出るのは、腰椎のあるところは、腰椎にほかの骨がついていないため、腰椎の
部分は体を捻ったり前後屈したりという胴体全体の運動の中心になるせいではない
かなと思います。また、胸椎上部が境目の場合には肩甲骨の外端にツボが出ること
もあるし、仙骨の場合には骨盤まわりにも出ます。このあたりの筋肉は分厚いです。
逆にいえば、肋骨のある部分は、脇の筋肉が薄いのでツボが出にくいか、出ても小
さいので見つけにくいのかも知れません。


III)関連する手足を探す †
 背骨ちかくを中心に胴体のツボが見つかったら、それと関係する手足のツボを探
すこともできます。

 まずは、胴体のツボの経絡的相関を考えて手足のツボを探してみます。胴体のツ
ボが肩甲骨より上なら手を探してもよいが、それ以外なら足のツボのほうが関係が
深いです。うつ伏せの場合には背中側のツボが多いので、脚裏、つまり足の背中側
を見ることになります。良くツボが出ているのは膝裏から先です。左側なら左足、
右側なら右足に、背骨に近ければ真裏、脇に近ければ足のほうも横にずれて外寄り
の小指側(外踝側)に出ていることが多いです。背中のツボが内臓など体の内側に
関係していると、同じ横寄りでも内寄りの親指側(内踝側)に出ていることが多く
なります。場所としては、膝裏から脹ら脛にかけてや、両踝(くるぶし)まわり、
足の甲や足裏、足指などによく出ています。


IV)首・頭・尾骨を探す †
 背骨の延長でも、首や頭、尾骨は、手足がつながっていないので、胸椎から仙骨
までとは探し方が少し違います。

 首は、やはり、捻れや曲がりを見ますが、胸椎から下の捻れや曲がりと異なって
いる可能性が多いことを頭に入れておいてください。それは、ヒトは直立2足歩行
する動物で重い頭がいちばん上にあるし、その頭を真っ直ぐにしている必要がある
ので、胸椎から下の歪みを首で調整していることが多いからです。つまり、胴体や
足のおおざっぱな歪みと反対方向に首が歪んでバランスを取っている場合が多いと
いうことです。

 首の歪みを見るときにもうひとつ注意するのは、歪みは後ろ側から始まるが、経
過が長くなるとだんだん横にも出て、そして前にも出るようになるということです。
現在では、首の横から前にツボが出ている人が多いです(写真15)。
画像の説明写真15

 頭のツボは、ブヨブヨしたところを探します。多いのは、正中線上と、目を通り
正中線に平行な二つの線上、耳を通り正中線と直角に交わる線上です。それら四つ
の線にそって指を滑らしてヘコんでブヨブヨしたところを探します。

 尾骨まわりは狭いので細かくツボを探すよりも尾骨まわりの皮膚全体のずれ具合
を確かめるとよいと思います。尾骨は足と直接つながっていないので、足の操体を
いろいろしても尾骨の歪みには効果が出にくいことがあります。そういう場合に試
してみると効果が出る可能性が高いです。

 これまで書いてきた以外でも、胸のアバラ(肋骨)で囲われた部分を箱と見て、
箱の歪み具合から変化を読んだり、骨盤の変化を読んでツボを予測する先生方もい
らっしゃいます。体の自然編や操体の自然則編なども参考に、いろいろ工夫して、
受け手を待たせないで効果の出るツボを探せるようになってください。


2)目立つところに皮膚の操体 †
 いままで書いてきたような感じでツボを探して、ずれやすいところ、ずらしてイ
イ感じのするところ、ずらすと息が深くなる場所を選びます。受け手が言葉の通じ
る人なら相談して決めます。胴体から2カ所選んでもよいし、胴体から1カ所、手足
から1カ所選んでもよいです。両手が届く範囲で選びます(写真16)。
画像の説明写真16

 1番目に選んだところをずれやすい方向にしばらくずらしたままにしておきます。
空いているほうの手は、2番目に選んだところをずれやすい方向にずらしておきま
す。また、手首足首を捻ったり、手足の指を反らしたりするのと組み合わせてもよ
いです(写真17)。
画像の説明写真17

 ずらしたままにして、気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、
ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)足首を尻へ近づけるのを
皮膚に」とほぼ同じです。

 そのほかにも、うつ伏せ寝からの皮膚の操体は、いろいろ工夫できます。受け手
が違和感を感じるところと体の上下左右対角の対称点を選んで、その2カ所に皮膚の
操体をするというのもよくします。いろいろ試して面白い方法を見つけてください。


6.うつ伏せ寝から重さの操体 †
 うつ伏せ寝からの重さの操体は、仰向けと同じように、操者の側が、受け手の両
肩と両方の尻の4カ所に体重をかけて、いちばん引き込まれる感じのするところか、
言葉の通じる人ならいちばんイイ感じのするところを選んで、そこにしばらく体重
をかけたままにすることをきっかけにしてもよいです(写真18)。
画像の説明写真18

 もうひとつは、受け手が両肘・両膝に体重を移せるようなら移してもらい、いち
ばんイイ感じのするほうに体重をしばらく移したままにしてもらうのをきっかけに
することもできます。

 気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、体重を移した状態を
続けます。言葉の通じる人には声をかけて、首を左右どちらに回すと気持ち良さが
増すか聞いて、気持ち良さが深くなるように首を動かしてもらいます。両腕や両足
も気持ち良さが深くなるような格好を探してもらいます。わずらわしくない範囲で。

 操者が体重をかけている場合には、受け手が姿勢を少しずつ変えていくのに合わ
せて、ちょうどよく釣り合ったタワメの間になるように、操者も体重の掛け方を少
しずつ変えながら支え続けます。受け手に体重を移してもらっている場合には、首
や手足の動きに合わせて、より深く気持良くなれるように体重の移し方も少しずつ
変えてもらいます。また、受け手が体重を移している場合には、倒れないように支
えてあげたほうがよい場合もあります。よく観察して必要そうなら支えてあげてく
ださい。

 受け手が大きく姿勢を変えたくなるか、息が浅くなったり、気持ち良さが感じら
れなくなるまで続けます。言葉が通じない人の場合には、引き込まれるように感じ
られるときは続けてほしいというサインで、押し返すように感じられるときには終
わりにして欲しいサインです


7.おわりに †
 以上、簡単ですが、うつ伏せ寝からの皮膚の操体と重さの操体を解説しました。
繰り返しになりますが、うつ伏せ寝からの皮膚の操体を身に付けると、うつ伏せ寝
で寝ている受け手のどのあたりにツボが出ているか、おおよそ見当をつけることが
できるようになるので、鍼灸などでのツボ探しもラクになります。

 次回からは、横向き寝の姿勢からの操体です。

>>>つぎへ>>>術伝流操体no.19

powered by Quick Homepage Maker 5.0
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional