和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.16

3.仰向けで膝立てないで、皮膚の操体 †

1)足を曲げて倒している場合 †
 この場合には、曲げている足の大腿部の上になっている内側の皮膚を膝のほうに
ずらします(写真1)。
画像の説明写真1
 治療院でバイトしているときなど、それだけだと患者さんから文句がきそうな場
合には、あいているほうの手で関連するところを揉んだり押したりしてもよいと思
います。たとえば、その足の脹ら脛とか。大腿の内側は陰経なので直接関係あるの
は下腿から先の陰経ですが、表裏対応もあるので陽経側を組み合わせてもよいと思
います。そういうときにも、皮膚の操体がメインなので、皮膚をずらしたあとにで
きる張りを一定にたもつことを忘れないようにしてください。

 曲げている足の位置によって、そのとき体が変えたがっている経絡がわかるので、
厳密に言えば、その経絡のツボの指圧などを組み合わせるとよいのですが、違って
いる場合もあり、実際に指圧してみて患者さんの体の反応が深いところをするとよ
いと思います。

 両方の足を曲げている場合には、両手で上になっている大腿内側の皮膚を同時に
膝のほうへずらしてあげればよいと思います(写真2)。
画像の説明写真2

 どちらの場合にも、言葉に通じる方には声をかけて、首の向きをイイ感じのほう
に変えてもらったり、手を頭のほうに伸ばしたり体に沿わせたりの中からイイ感じ
のほうを選んでもらったりすると、気持ち良さが深い操体になっていくことが多い
です。


2)足を伸ばすかわりの皮膚の操体 †
 動きの操体のときに説明した伸ばしている足を伸ばす動きの操体と同じようにし
て、伸ばしていく方向を決めます。まず足首を少し持ち上げ外に開いたり閉じたり
して開き具合を決めたあと、足首を持ち上げたり下げたりして足を上げる高さを決
めます。その方向が維持できるように足と床のあいだに座布団をつみます。高さが
低い場合には、操者のモモなどに乗せてもよいと思います(写真3)。
画像の説明写真3


I)足の裏側を伸ばす †
 足の裏側を伸ばすのと同じ効果を皮膚の操体で上げるには、アキレス腱あたりの
皮膚を踵のほうにずらします。この場合には足首を反らした状態に固定しながらし
たほうが効果が出やすいと思います(写真4)。
画像の説明写真4


II)足の表側を伸ばす †
 方向を決め高さを布団などで調整した状態から受け手の方の伸ばしている足の大
腿の上から外にかけての皮膚を内側に回しながら膝のほうにずらし、下腿の内から
下の皮膚を外側に回しながら足首のほうにずらします(写真5)。
画像の説明写真5
そうすると、その足を伸ばしたのと同じ効果が出せます。


4.仰向けから首の皮膚の操体 †
 この場合にも動きの操体のときに説明した方法で首のシコリを見つけられるとう
まくいきます。鎖骨の首側の窪みに指先を入れ、首の付け根を押してシコリを見つ
け、そこから頚椎に平行に頭のほうにたどって首のシコリを見つけます。シコリの
表面はペコペコへこんだ感じのことが多いです。


1)首のシコリに皮膚の操体 †
 見つけた首のシコリに直接皮膚の操体をします。シコリを見つけたら押している
指の力を抜いて、皮膚に軽く触れている程度にしてからズレやすいほうにずらしま
す(写真6)。
画像の説明写真6
四方八方にずらしてもよいですし、頚椎と平行の2方向、つまり頭のほうと胴のほ
うにずらしてみてイイ感じのほうを見つけてから、それらと直角の2方向にずらし
てみてイイ感じのほうを見つけ、それらを組み合わせてもよいです。あるいは、ツ
ボの穴のあいている方向に沈ませる感じで皮膚を張ってもよいです。このあたり言
葉だけで説明するのは難しいですね。

 そして、あいている反対側の手でシコリと同じ側の指揉みをすると効果が出やす
いです(写真7)。
画像の説明写真7
シコリが首の前側なら親指か人差し指、横なら中指か薬指、後ろなら薬指か小指の
指裏関節部のシワあたりを中心に揉みます。

 首のシコリと、そのシコリのあるミゾをたどっていった鎖骨の首よりのシコリ、
その二つのシコリに同時に皮膚の操体をしてもおもしろいです。また、後頭骨下縁
のシコリや首の顎よりのシコリと組み合わせてもよいと思います。


2)首の動きの操体を皮膚の操体で †
 首を捻りやすく反らしやすい方向にラクに動かせる範囲で動かしてもらいます。
その状態で、首の皮膚にかるくふれてズレやすいところを探し、手のひらや四指の
先でずらしやすい方向にずらします(写真8)
画像の説明写真8

 もうおわかりと思いますが、動きの操体を皮膚の操体に変えていくのは難しくあ
りません。ただ、動きの操体で使っている動きにつながっていくような方向に皮膚
をずらしているだけです。もちろん、その動きの操体が目標としているシコリがわ
かれば、そのシコリの上の皮膚をずらしてもよいし、対角、あるいは上下、左右の
連動性を利用してもよいわけです。


5.仰向け寝から重さの操体 †
 両側のウムネ(腕と胸のさかいめのクボみ)、両側の腰骨に、順番に操者の両手
をかさねて当てて操者の体重をかけていきます。いちばんイイ感じのするところに
しばらく体重をかけたままにしておきます。一番目と二番目に差があまりなかった
ら二つのところにいっぺんに体重をかけてもよいと思います。


1)肩のほうに重さを移す †
 肩のほうに重さを移すのがイイ感じの場合には、操者の正座した膝の上、立てた
膝の上、あるいは肩の上などに、受け手の両足の踵を乗せてもらうとよいです。い
ちばんイイ感じのする高さを選びますが、高いほうがよいという人が多いので、肩
にかけてもらうことが多くなります(写真9)。
画像の説明写真9

 定番の操体では膝の高さで踵を踏み込ませますが、それは体重を肩のほうに移す
ためで、踵を置く位置を高くすれば自然に体重が肩のほうに移るので、踵を強く踏
み込む必要がなくなります。受け手の方がどちらがイイ感じかにもよりますが。

 これで仰向け寝からの操体を終わりますが、わかりにくい点や疑問に感じた点な
どありましたら、編集部宛にメールしてください。よろしくお願いします。

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