和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.12

1.はじめに †
 「術伝流操体」として、いままでは運動器系応急処置から始めて操体の基本を書
いてきました。運動器系応急処置にまだいろいろありますが、前回までで、おもな
ことはだいたい書いたので、これから、いよいよ二人組での操体の中心となる寝方
別の操体について書いていきます。操体を臨床の場で使いこなしていくときの中心
になる技術で、これを身に付けると、言葉が通じない人や定番の操体ができない人
にも気持ちよい操体を味わってもらうことができます。

 術伝流では、寝方別の操体を「ラクな寝方を少し強調してみてイイ感じを探し味
わう」というやり方で伝えています。ラクな寝方で寝てもらい、その姿勢をよく観
察し、その特徴となるところを少し強調することをきっかけに操体を始めます。少
し強調する方法は、動き、皮膚、重さの3種類で、動きと皮膚がおもに使われます。
寝た姿勢では体重移動はしにくいので、重さの操体は少なくなります。しかし、あ
とにも書きますが効果的なことも多いです。

 今回は、「ラクな寝方を強調する」の1回目なので、どんなふうにラクな寝方を
強調しているか、その方法を大雑把に解説します。次回から寝方別にこまかく解説
していきます。


2.ラクな姿勢で寝てもらう †
 さて、ラクな寝方を強調するためには、まず、ラクな姿勢で寝てもらわなくては
なりません。若い人や頭が柔軟な人は比較的すぐにできるのですが、なかなかでき
ずに、かなり歪みがひどいのに仰向け大の字がラクだといって、そういう形に寝る
人もいます。そういう人の寝方をくずしていく方法もいろいろあるので、あとで詳
しく解説する予定ですが、ここではいちばん簡単な足の指揉みをして少し痛くして、
その痛みから逃げてもらうとラクな寝方が見つかりやすいということにしておきま
す。


1)指揉みから逃げてもらう †
 足の指裏関節部の横の端あたりを探ると小さな貝のようなシコりが骨にへばりつ
いたような感じで見つかると思います。もちろんまるきり歪みがない人にはないの
ですが、たいてい数本の指にあります。

 内臓系の調子の悪い人では親指や2指に、顔や胸腹の表面近くなどのように体の
前の部分に関係する症状のある人は2指や3指に、耳など体の横に関係する症状の
ある人は3指や4指に、腰など体の後ろに関係する症状のある人は4指や小指にあ
る(写真1)ことが多くなります。
画像の説明写真1
体の左右でどちらが症状が強いかによって、左右どちらの足に強い痛みのシコりが
出るかが決まります。というような原則があるので、ある程度まで予測することが
できます。

 しかし、初めのうちは1本1本調べてみるとよいでしょう。調べてみて痛いところ
を少し余分に痛くして、その痛みから逃げてもらいます。少し逃げると同じ強さで
押しているのに痛みが減る姿勢になります。それがラクな寝方であることが多いで
す。あまり痛くしすぎると、どう逃げても痛いということになるので、痛さを加減
してください。

 指裏のシコリが見つかりにくい場合には、指と指の間の水掻き状の部分を挟んで
つまんでもよいのですが、手と違って足は指と指の間が狭くてつまみにくいので、
指裏のシコリの方が使いやすいと思います。
 うまく、指のシコリが見つけられなかったら、とりあえず受け手がラクだという
寝方で寝てもらいます。


3.目立つところを見つけ強調する †
 ラクな寝方で寝ている人の寝ている姿勢をよく観察してみましょう。まずわかり
やすいのは、手足の位置と首です。手足の位置が左右で違っていないか、手首足首
がどちらかに捻れていないか、膝がどちらか曲がっていないか倒れていないか、首
がどちらかに捻れていないか見てみます。観察した結果に差があれば、その差を少
し強調する動きの操体をしてみるわけです。

 基本的には、仰向け大の字の姿勢や立っている姿勢と大きく違っているところが
目立つと思いますが、操体では、赤ちゃんや寝たきりの人以外は、足から操体して
いきます。人間は立って歩くことが基本的な運動なので、土台である下半身をまず
整えるためです。


1)足がきっかけの動きの操体 †
 左右比べて変化が大きい方の足、つまり仰向け大の字の状態と比べて大きく異なっ
た格好をしている足を選びます(写真2)。
画像の説明写真2
あるいは、受け手が言葉が通じる人だったら、違和感があったりして意識がいきや
すい方の足を選んでもよいと思います。


I)足首を捻ったり反らしたりをきっかけに †
 その足の足首をどちらかに捻ってみます(写真3)。
画像の説明写真3
捻りやすさに差があれば捻りやすい方に捻ったままにして息が深くなるのを待ちま
す。息が深くなるのは、腹を見ているとわかりやすいです。お腹が、静かにですが、
大きく上下し始めます。
 まず捻ってみるのは、捻るのが体の連動に深く関係していていちばん遠くまで伝
わりやすいからです。捻ってダメなら反らす(背屈)のとその反対(底屈)をして
みてもよいでしょう。ただ、手は捻転がおもになりますが、足の場合には、捻転以
外に背屈、つまり足の甲を反らすのも結構よいきっかけになります。組み合わせて、
足首をかるく背屈してから捻る(写真4)方が息が深くなりやすい場合も多いです。
画像の説明写真4


II)ヤジロベエのようにバランス †
 捻る程度は、軽く捻って動く程度で、足首が抵抗して戻そうとしていたら捻りす
ぎで、引き込まれるように捻れていくときには捻り方が足りません。二つの力がちょ
うどよくヤジロベエのように釣り合った状態(タワメの間の状態)になるようにし
ます。

 釣り合う状態がわからない場合には、言葉が通じる相手だったら気持ちよさが感
じられるか、イイ感じがするか聞けばよいですし、言葉が通じない人が相手だった
ら、表情や腹の息を観察しながら手加減します。痛かったり辛かったり、いつまで
たっても息が深くならなければ止めます。


III)膝をきっかけに †
 また、膝が曲がっていたり、どちらかに倒れていたりしたら、それを少し強調し
てみてもよい(写真5)と思います。
画像の説明写真5
足首よりも胴体に近いので、なれないうちは、足首よりも胴体まで一緒に動く、つ
まり胴体も連動する動きを作りやすいと思います。もちろん、足首の動きと膝の動
きを組み合わせてもよいです。


IV)イイ感じをつけたす、ほかの足や手、首もイイ感じに †
 片方の足がうまくタワメの間の状態になったら、体のほかの部分もイイ感じにな
らないか試して、イイ感じをつけたしていきます。言葉が通じる人が相手のとき
には、声をかけて、受け手に自分で、もう片方の足や二つの手を捻ってもらったり、
首を捻ってもらったりしてもよいし、手を頭の方に伸ばして(立った姿勢で手をあ
げる形)もらったり(写真6)して、体全体で気持ちよさが深くなる、イイ感じが
増える姿勢を探して、ゆっくり動いて試してもらうとよいと思います。
画像の説明写真6

 このときには、ただ「全身に連動させてください」とか言うよりも、具体的に動
かす場所と動かす方向などを言って試してもらい、気持ちよさが深くなるものがあっ
たら、そちらに動かす格好を維持してもらうようにするとよいでしょう。また、言
葉かけをする順序は、仰向け大の字の姿勢と比べて変化が目立つ順にします。つま
り、きっかけの次、2番目に変化が大きいところをまず動かしてもらいます。

•i)言葉かけの例
◦たとえば、初めての人や言葉をあまりかけてほしくなさそうな人だったら
「右手を頭の方に伸ばすのと左手を伸ばすのは、どっちがイイ感じですか? イイ
感じのする方の格好をしてください。その方が効果も出やすいですから。ほかにも
動かした方がイイ感じのところがあったら動かしてかまいません。ただ、ゆっくり
動くようにしてください」

 くらいかな。

◦操体に慣れている人や言葉をたくさんかけてほしそうな人だったら、
「右手を頭の方に伸ばすのと左手を伸ばすのをやってみてください。左右とも同じ
感じですか? 違いがありますか? 違いがあったら、イイ感じのする方の格好を
しばらく続けてください。戻したくなるまで。その方が気持ちよさが味わえると思
いますし、効果も出やすいですから。それで、上げた手の手首をどっちか捻ってみ
たらどうですか? 差があったら、やっぱりイイ感じのする方に少し捻ったままに
しておいてください。下げている方の手の手首はどうですか? どちらかに捻ると
気持ちよさが深くなりませんか? 右足(左足をきっかけにした場合、逆なら左足)
は、どうですか? 首はどうですか? 今のままがいちばんイイ感じがしますか?
 それともどちらかに動かした方がイイ感じですか? 確かめてみてください。そ
んなふうに、体のあちこちを少しずつ動かしてみて、イイ感じがするものが見つかっ
たら、その格好をしばらく続けてみてください。途中で姿勢を変えたくなったら変
えてもかまいませんよ。ただ、はやく動かれると付いていけませんので、できるだ
けゆっくり動くようにしてください。より深い気持ちよさを探していくつもりで、
ゆっくり。もう止めてもイイという感じになるまで」

くらいかな。

•ii)言葉が通じない人なら
◦言葉が通じない人が相手だったら、空いている方の手で届く範囲にある手足や首
を試しに捻ったり反らせたりしてみて、動きに差があったら、動きやすい方に少し
動かして、その状態を維持してあげてください。少し動かす程度は、やはり、ヤジ
ロベエのようにバランスする程度です。
•iii)窮屈そうに見えるところから
◦きっかけにつけたしてイイ感じを増やしていくときに、2番目に目を付けるのは
2番目に変化しているところがよいという説明をしましたが、2番目に目を付ける
のは、なんとなく受け手の体が窮屈そうに見えるところがよい場合が結構あります。
ただ、初めのうちはわかりにくいので、2番目に変化しているところで練習してい
き、たがいに声をかけ合っていくうちに、だんだん受け手の体の状態を読めるよう
になっていくと、窮屈そうなところはわかるようになります。
◦窮屈そうなところを指定して、そこがそのままの状態がいちばんイイ感じかそう
でないかを聞いてみると、初めての人でもわかってもらえる可能性がとても高くな
ります。また、あまり声をかけてほしくなさそうな人でも自分で動いていく可能性
も高くなります。そして、言葉の通じない人に操体しながら、窮屈そうな部分をラ
クな感じに動かしてあげられれば、その操体で効果が上げられる可能性が高くなり
ます。

2)終わったら繰り返す †
 片方の足をきっかけにする操体が終わったら、ラクな姿勢でしばらく休んでいた
だきます。そして、そのとき休んでいるラクな姿勢を、また、仰向け大の字や立っ
ているときの姿勢と比べてみて、反対側の足とか、手とか首とかに、まだ、目立つ
変化があるようだったら、その目立つ変化を少し強調することをきっかけに操体を
していきます。そして、やはり気持ちよさやイイ感じが深くなるようにゆっくり動
いていただくか、空いている方の手で別の動きを作って気持ちよさが深くなるよう
にします。こんなふうに、ラクな寝方が変わるたびに目立つところをきっかけにし
た操体を選んでいきます。


3)背骨の変化をきっかけに †
 きっかけにするのは、手足や首などの末端だけではありません。動きの操体で、
もう一つ目をつけるのは、背骨です。背骨、とくに首より下の胸椎・腰椎・仙骨が
立ち姿勢でまっすぐ伸びた状態と比べて、どういう形をしているかです。左右捻転、
左右側屈、前屈後屈、伸縮という、4種8方向の見方で見て、変化していないかど
うかです。いちばん目立つ変化を少し強調してあげる動きの操体を考えるわけです。

 たとえば、前屈して背を丸めていたら、少しそれを強調するように、背の上部を
押し膝を胸に近づける動きを試してみて、息が深くなるのを待ちます。少し強調す
る程度は、手・足・首のときと同じでヤジロベエのように釣り合う状態を目指しま
す。痛かったり辛かったり、いつまでたっても息が深くならなければ止めます。手
が届かなかったり、言葉で誘導して受け手に自分でやっていただく場合には、たと
えば「おへそを見るのと、あごを上げる動作を比べると差がありませんか? おへ
そを見る方がよい感じがしたら、しばらくおへその方を見ていてください」とか言っ
てみるとよいでしょう。

 この場合にも、いちばん目立つ変化が決まったら、2番目に目立つ変化を少し強
調するのを付け加えると、気持ちよさが深くなりやすいです。なれてきたら最初か
ら1番目と2番目の変化を同時に強調する動きを作れるようになります。二つをう
まく釣り合った状態にできれば、深い気持ちよさを初めから味わってもらえるでしょ
う。初めから1番目と2番目、できれば3番目の変化を読める目や勘と、それを少
し強調できる手を作り、また、そういう誘導できる言葉かけを工夫していきましょ
う。

 また、背骨をきっかけにする操体操法がうまくタワメの間にはいったら、さきほ
ど書いた手首足首の動きを一つずつ確かめてもらい、イイ感じになる方に動かして
いってもらうと気持ちよさが深まりやすいです。逆に手首足首から始めた動きの操
体に、背骨の動きを付け加えるように言葉かけをしても気持ちよさは深くなります。
しかし、言葉かけで背骨をちょうどよく動かしていく方が難しいと思います。


4.皮膚の操体 †
 皮膚の操体の場合は、動きの操体よりも初めは少しわかりにくいかもしれません。
ラクな寝方で寝ている姿をながめて、体のどのラインの筋肉をいちばん伸ばそうと
しているか、体のどのラインの筋肉をいちばん縮めようとしているかを観察します。
たとえば、背を丸めている場合には、背中側の筋肉をいちばん伸ばそう、腹側の筋
肉をいちばん縮めようとしていると見るわけです。そして、この場合には手で腹側
に触れにくいので、縮もうとしているラインを縮ませようという皮膚ズラしは難し
くなりますから、背中上部の肩甲間部の皮膚を首の方へ、仙骨あたりの皮膚を尾骨
の方へズラしてみて、ズラしやすかったらズラしたままの状態を保ちながら、息の
深くなるのを待ちます(写真7)。
画像の説明写真7

 ズラす程度も動きの操体と同じで、ヤジロベエのようにちょうどよく釣り合った
状態が良いので、手のひらでその感覚がわかるようにしていきましょう。もちろん、
言葉の通じる人なら、気持ちよさが深くなる程度を聞いていちばん深くなる程度に
ズラします。

 ズラす方向は単純に一つの方向でなく、二つの方向の組み合わせであることの方
が多いです。姿勢を読む目と勘を養い、ズレやすい方向を感じる手と勘を養い、表
情や息の深さから判断できる目と勘を養い、また、受け手との会話の中から判断す
る対話能力をあげて、できるだけ少ない回数ためしてちょうど良いタワメの間が作
れるようにしていきましょう。そのため、二人組での練習のときには、互いに声を
かけ合って、ちょうどよくなるようにしていきましょう。いろいろなタイプの人と
組んで練習すると、いろいろなタイプの人に合わせられる手のうちの幅も広がりま
す。これは動きの操体も同じです。


1)動きの操体を皮膚の操体に †
 動きの操体で行った観察を利用することもできます。手首・足首・膝・首をきっ
かけにしたり、背骨をきっかけにしたことを皮膚の操体でやってみるわけです。た
とえば、あたりまえかも知れませんが、背を曲げているときに、もう少し背を丸め
るように動かしたときの動きの操体と、背を丸めようとするラインを強調する、い
いかえれば、背中側の筋肉を伸ばすことにつながる皮膚の操体は、体にはだいたい
同じ効果があります。また、足首を捻る動きの操体(写真8)と下腿の足首よりの
皮膚を足首が捻れるのと同じ方向にズラす皮膚の操体(写真9)も、そして、膝を
倒す操体と膝が倒れる方向に大腿の皮膚をズラす操体(写真10)も、それぞれ、
だいたい同じ効果があります。
画像の説明写真8:足首を捻る動きの操体
画像の説明写真9:足首が捻れるのと同じ方向にズラす皮膚の操体

画像の説明写真10:膝が倒れる方向に大腿の皮膚をズラす操体

 ただ、体のほかの部分の歪みやそのときの体調やその人の好みによって、どちら
が気持ちよさが深くなりやすいかは違ってきます。ちかごろは、皮膚の操体を好ま
れる人の方が多いような気がしています。そして、動きの操体は、言葉で誘導して
受け手にやってもらえることが多いですが、皮膚の操体は受け手に自分でしてもら
えないことが多くなります。


5.重さの操体 †
 さて、次は重さの操体です。重さの操体は、立った姿勢や座った姿勢、あるいは、
四つん這いではしやすいのですが、寝た姿勢からだと少しやりにくいです。しかし、
うまく決まると、それ一つで、その日の操体が充分になってしまうくらい、つまり、
受け手がそれ一つで満足してくださり「今日はもういいです」と言ってくださるく
らいの効果が上がることもあります。受け手がわかりにくそうだったら、操者が手
のひらを受け手の体に当て自分の体重をかけて、気持ちよさが深くなるか聞く、あ
るいは、腹の息が深くなるか観察するとよいでしょう。

 上半身か下半身、それと左右の組み合わせで、4つの方向のどこにいちばん体重
を移したがっているかを、仰向けなら両肩と両腰骨、うつ伏せなら両肩胛骨と両骨
盤に操者の重さをかけて試してみます(写真11)。
画像の説明写真11
横向き寝の場合には、上半身と下半身を捻ってみることで背中側に体重を移したがっ
ているか、腹側に体重を移したがっているか試してみます。そして、いちばん気持
ちよさが深くなる方に、しばらく操者の体重をかけたままにして、息が深くなるの
を待ちます。痛かったり辛かったり、いつまでたっても息が深くならなければ止め
ます。

 言葉が通じない人が受け手の場合には、操者の体重をかけたときに、受け手に付
けている手のひらが引き込まれるような感じがしたところを選んで、息が深くなる
のを待ちます。表情や腹の息を観察しながら手加減します。手のひらが引き込まれ
るように感じたところは、そこを押して欲しい、そこに重さをかけてほしいところ
である可能性が高いので。

 体重をかける程度もヤジロベエのように釣り合う程度です。このヤジロベエのよ
うに釣り合う程度というのは、重さの操体による感覚がいちばんわかりやすいかも
しれません。ヤジロベエが重さによって釣り合うものだからです。

 また、体重をかける方向は、必ず4つの方向ではなく、それらの組み合わせなど
の斜めの方向もあります。受け手の気持ちよさが深くなりやすい方向が選べるよう
に手のひらの感覚や会話の中から判断する能力を養っていきましょう。


1)動き、皮膚を重さの操体に †
 寝た姿勢からだとちょっと難しくなりますが、動きの操体や皮膚の操体を重さの
操体で置き換えていくこともできます。盤若身経(立ち姿勢での体の基本運動)と
体重移動の関係をうまく使うと動きの操体を重さの操体に置き換えていくことがで
きます。また、基本的には、皮膚がズレていく方向に重さを移していくと気持ちよ
さが深まりやすいです。ただ、動きや皮膚の操体を重さの操体で置き換えていくの
は、座位や立位の方が簡単でわかりやすいので、そのときに詳しく解説し、練習す
ることにします。


6.動き、重さ、皮膚を組み合わせ †
 動き、皮膚、重さと分けて書きましたが、実際には、組み合わせて使うことの方
が多いです。片方の手で皮膚の操体をしながらもう一方で動きの操体をしたり、ま
た、重さの操体をしながらそれを強調するような動きの操体をしたり皮膚の操体を
したりというふうに。指圧や按摩の手技と組み合わせることもできます。その組み
合わせ方は、一般論でするよりも寝方別に具体的にした方がわかりやすいと思いま
すので、そのときにします。


1)練習の順序と臨床の順序 †
 そして、動き、皮膚、重さの順で書いてきましたが、実際に臨床の場でたとえば
1時間で操体の施術をする場合などには、逆に、重さ、皮膚、動きの順で施術した
方が効率がよいように思います。また、寝方別の説明は、仰向け、うつ伏せ、横向
きの順でしますが、実際の臨床の場での施術は、横向き、うつ伏せ、仰向けの順で
施術した方が効率がよいように思います。そのため、解説練習は、わかりやすい順、
仰向け、うつ伏せ、横向きの順で、しかも、寝方別には、動き、皮膚、重さの順で
して、一通り終わったあとで、実際の施術の順、横向き、うつ伏せ、仰向けの順で、
寝方別には、重さ、皮膚、動きの順で施術する練習をし、最後に3人から10人に連
続して操体してみる通し稽古をしています。


7.臨床の基礎 †
 このラクな寝方を少し強調する操体を連続して施術していく方法は、操体を臨床
の場で使いこなすための基礎となるもので、しっかり身に付けると臨床の場で操体
で一通り施術して6割以上の効果を出すことができるようになりますし、按摩や指
圧などと自在に組み合わせできるようになります。要するに、受け手のそのときの
ラクな姿勢から、その人の体がそのときに必要としている操体を選ぶことができる
ようになるので、限られた時間で効果を上げやすくなるということです。また、寝
ている姿勢を見て、ツボが出ているところをだいたい予測できるようになるので、
鍼灸のツボを見つけるのにも役に立ちます。

 今回は、「ラクな寝方を少し強調」の1回目なので、その大雑把な内容を説明し
ました。次回は、仰向けの動きの操体です。基本的なものを練習していきます。定
番の仰向けの動きの操体もラクな姿勢を強調するという視点から取り上げていきま
す。そして、その次には、定番の動きの操体とほぼ同じ効果の皮膚の操体も紹介し、
自由に動きの操体と皮膚の操体を変えたり組み合わせたりすることができるように
なってもらえるようにしていきます。

>>>つぎへ>>>術伝流操体no.13

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