和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

術伝流操体no.1

操体を知っていますか? †
操体とは、仙台の開業医、故橋本敬三先生がまとめられた手技運動療法ですが、
『万病を治せる妙療法 操体法』(農山漁村文化協会刊)、『生体の歪みを正す』
(創元社刊)という2冊の本に操体をまとめ上げていく過程が詳しく書かれています。
一言で言うと、操体というのは「気持ちよく動いて治す」方法だと言われていますが、
そう言われて何のことかわかりますか?


操体ができても操体を知らない人に臨床で使いこなせないと意味がない †
治療院でいきなり「体が感じる気持ち良さを聞き分けて動いてください」と言われて
も、面食らって動けない人がほとんどではないでしょうか。その辺りが使いこなせれ
ば、たいへん役に立つ技術にもかかわらず普及していない原因のように思います。

講習会もたくさん開かれていますが、講習会で操体を習い、講習生同士ではできる
ようになっても、実際の臨床の場では操体を使いこなせない理由の大部分も、「気持
ちよく動くってどういうことか初めての人に伝えられない」ことにあるような気がし
ますが、いかがでしょう。

 私自身、講習会に出て講習生同士では操体をして結果を出せるようになっていまし
たが、実際に操体を知らない一般の人を相手に操体をするときに「体が感じる気持ち
良さを聞き分けて動いてください」と言っても動いてもらえないことが多く、操体を
使いこなせないでいました。


言葉の通じない赤ちゃんや仰向けになれない人には操体ができないの?! †
私の次男は23週626gで生まれた超未熟児で脳性麻痺でした。生まれてすぐ保育器に
入れられ、6カ月入院して帰ってきたときには酸素ボンベからのチューブを鼻に付け
ていました。なんとか元気に育ってほしかったですが、そういう赤ちゃんに「体が
感じる気持ち良さを聞き分けて動いてください」と言っても当然動いてはもらえな
いわけです。

言葉の通じる大人ですら動いてもらえないことが多いのですから、言葉の通じない
赤ちゃんには余計難しいのは当たり前だなと思いました。なんとか言葉の通じない
人にも効果の出せる操体ができないものか、試行錯誤が始まりました。

 もう一つ臨床の現場で操体していくうえで困ったことがありました。病気や障害
があったりすると、定番の操体でまず最初に取る姿勢を取れない人、つまり仰向け
やうつ伏せになれない人が多いわけです。そうすると、いわゆる定番の操体はその
まま使えません。私は、次男以外にも障害の重い人に操体を使う機会が多く、そう
いう人にもたくさん出会いました。


言葉が通じなくても定番の姿勢になれなくても操体はできる †
この2つ、「言葉の通じない人にも気持ちよい動きをしてもらう」、「定番の姿勢
になれない人にも操体を使えるようにする」を課題としていろいろ試行錯誤してき
ました。脳性麻痺の次男に操体を行い続けて、酸素ボンベは退院後半年ほどで外れ、
なかなか歩けなかったのが歩けるようになり、塗り絵をすると3cmはみ出してしま
う状態だったのが、字が書けるようになりました。操体のおかげだなと思っていま
す。

今では、言葉の通じない赤ちゃん、認知障害のお年寄り、病気が重くて仰向けやう
つ伏せになれない人には、他の方法よりも操体が一番向いているように思い、そう
いう人相手には、まず操体を試してみるように勧めています。たとえば、ぎっくり
腰の人は横向きで丸まった姿勢でしか寝られない人がほとんどです。そういうとき
に操体をすると、1回の治療で、寝返りを打つのも辛かった人に自分でトイレに行
くくらいにはなってもらえることが多いです。

実際にどうするかというと、その横向きで丸まった姿勢を少し強調する操体をして
います。ぎっくり腰の方に限らず、目の前の人がその時とっているラクな姿勢を少
し強調して上げると気持ちよいことが多く、そうすると操体で効果が出しやすいこ
とがわかりました。これがわかったときには、なんとなくコロンブスの卵みたいな
感じがしました。


術伝流操体は定番の操体よりも臨床で使える! †
 もう少し詳しく書くと、私はいま臨床の場では、「ラクな姿勢で寝てもらい、イ
イ感じを探して味わってもらう」という形で操体を行っています。そして、「ラク
な姿勢を少し強調するとイイ感じになりやすい」ので、ラクな姿勢を少し強調する
手順もいろいろ見つけてきました。その方法を知ってもらえれば、もっと多くの人
が臨床の場で操体を使いこなせるようになるだろうと思って講座を開いてきました。

この技術がわかれば、軽い腰痛や肩こりなどの人に対しても定番の操体よりも効果
が上がりやすいようで、講座で練習したことをクイック・マッサージなどの現場に
取り入れたり、鍼治療に組み合わせたりして、たくさんの患者さんに喜ばれている
人が増えています。運動器系だけでなく逆子の治療なども多くの人が成功していま
す。

そこで今回、「あはきワールド」から「操体での応急処置」をテーマに連載を依頼
されたのを機会に、これから実際に臨床の場でよく出くわす症状の人たちを想定し
て、その人たちに対する応急処置を操体でしていくためにどういう操体がよいか、
練習しながら操体の基本を解説していきます。1回目は腰痛です。

なお、定番の操体と区別するため、これから紹介する操体を「術伝流操体」と命名
することにします。今まで講座で行ってきたことを文章でどこまで表現できるか、
一抹の不安もありますが、できるだけわかりやすく、ガッテンして納得していただ
けるようにしたいと思っています。

>>>つぎへ>>>術伝流操体no.2

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