和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

股関節の痛み

はじめに †
股関節の痛みは、基本的に膝と同じで、足の裏側や陰経側も関係しています。
•また、腰や臀部、下腹に関係のあるツボが出ている場合もあります。
•そのため、急性症状に見えても慢性期の要素も含んでいる場合も多くなります。
◦そう言う点では膝に似ています。
•応急処置だけでは辛さが減りきらない事や、再発も多くなります。
◦2,3回応急処置をしても再発するようなら、
慢性期の型を併用して、腹を中心に体全体を整える必要があります。
◦患者さんには、治療が長引く可能性がある事を伝えておいたほうが良いでしょう。
•しかし、1回目の治療で或る程度結果を出したほうが患者さんに信用してもらえるので、
応急処置もしっかり身に付けていきましょう。

(1)股関節の痛みの応急処置の手順 †
•股関節の応急処置も、前半、動作鍼、後始末に分けられます。
◦陽経側のみで済む場合もありますが、多くの場合陰経側も使います。
•応急処置の前半
◦症状を良く確認した後、足の甲に引き鍼した後、
先ず、足の裏側を骨盤付近から足首に向かって出ているツボを刺鍼し、
次に、足の表側を大転子周りから下腿にかけて出ているツボに刺鍼します。
■痛みが陽経側だけの時は応急処置も陽経側だけします。
■しかし、経過が長いせいか、ツボが痛みが陰経側にも出ている事のほうが多く、
その時には、前半で足の甲の陰経側の引き鍼や陰経側のツボも使います。
足の表側、裏側ともに、陽経側を刺鍼した後に陰経側を刺鍼します。
•動作鍼
◦応急処置前半が陽経側だけの場合は、動作鍼も陽経側だけ行います。
◦応急処置前半で陰経も刺鍼した場合には、動作鍼も陽経側陰経側両方行います。
•後始末
◦応急処置前半で陰経側も刺鍼した場合には、頭に散鍼した後、手の甲に引き鍼して終えます。
◦応急処置前半が陽経側だけ刺鍼した場合は、足の甲の陽経側に引き鍼して終えてもかまいません。

1.症状確認 †
•症状確認では、どの様な動きが辛いか、日常生活で困っている事を良く聞きます。
◦その1番目と2番目くらいを日常生活に支障がない程度に改善する事を応急処置の目標にします。
◦大転子周辺の痛みを訴える方が多いですが、
大腿裏側や膝裏、大腿の陰経側にもツボが出ている事が多く、その辺りも丁寧に調べます。

2.前準備:引き鍼と基本的刺鍼 †
•先ずうつ伏せで足裏側から刺鍼し、次に仰向けか座位で足表側を刺鍼します。
◦足裏側にツボが出ていなければ、足裏側を省略する事もあります。
◦ツボの出ている場所の組み合わせによって横向き寝などのほうが刺鍼しやすい時には、
そういう姿勢で刺鍼する場合もあります。
•足裏側の刺鍼は、先ず陽経側に刺鍼し、その後陰経側に刺鍼します。
◦足裏陽経側は、足の甲の4.5間か3.4間に引き鍼した後、
臀部の大転子裏側付近から大腿、膝裏、脹ら脛、足首の順で出ているツボに刺鍼します。
■(裏)環跳、脚徹腹、下委陽、外丘~飛揚、陽大鐘など。
◦足裏陰経側は、大腿、膝裏、下腿の順で刺鍼します。
■下陰谷、築賓など。
■丁寧に足裏陰経側の引き鍼もしておきたい時には、足裏陰経側刺鍼の最初に大鐘を使うと良いでしょう。
•足表側の刺鍼も、先ず陽経側、次に陰経側の順で刺鍼します。
◦足表陽経側は、足の甲の2,3間か3.4間に引き鍼した後、
大転子と上前蝶骨棘の辺りから大腿にかけて、下腿から足首にかけての順で出ているツボに刺鍼します。
■居寥、髀関、伏兎など。
◦足表陰経側は、足の甲1,2間に引き鍼してから、大腿、下腿の順で刺鍼します。
■衝門、箕門、足五里、陰包など。

3.動作鍼 †
•股関節は肩関節の次に可動域が広いので、いろいろな動作制限があります。
◦基本的には、屈曲・伸展、外転・内転、外捻・内捻なのですが、
実際に制限があるのは、それらが組み合わさったものが多いです。
•どういう姿勢で、どういう動きをすると制限があり、何処まで動かすと痛みが出るか
を先ず良く調べ確認し、見付けていきます。
•動作制限が一つ見つかった場合の手順は、
◦その痛む直前の姿勢で、
大転子の周りから腹側や臀部側の足の付け根付近を調べ、凹んでいる処が無いか調べます。
■凹んだ処から大腿に窪んだ溝が走っていれば狙い目です。
■一番凹んだ処を押して、圧痛を調べ、ツボが出ていたら刺鍼します。
■その後、動作を一度戻してから、同じ動作をしてみます。
■少し可動域が広がると思います。
◦先ほどの窪んだラインの延長上で少し膝よりを探すと次のツボが見つかる可能性が高いので、
出ていたら刺鍼します。
◦腰臀部や腹側蝶骨付近にもツボが出ている可能性があるので、調べて出ていたら、そこも刺鍼します。
◦また、一度元に戻してから、制限の在る動作をしてみて痛む直前の姿勢でツボが出てないか調べて・・・
というのを繰り返して行きます。
•別の動作制限があったら、繰り返して動作鍼をします。
•辛い動作によっては、座位で症状が確認しにくい事もあります。
そう言う時は立って確認したり、横向きなどの寝た姿勢で確認したりもします。
◦階段を下りる動作が辛い場合などは、膝の時と同じ様に
階段でチェックして、座位で刺鍼を繰り返して行います。

4.後始末 †
•頭に散鍼した後、手の甲に引き鍼しておきます。
◦陰経側にも刺鍼する場合が多いので、治療後に頭が痛いなどの体の上半身の
症状が出るのを防ぐためです。
•あまり無いとは思いますが、陽経側だけに刺鍼した場合には、
足の甲の陽経側に刺鍼して終えてもかまいません。

(注)時間が無い時 †
•時間が無い時に、動作制限がはっきり特定できる場合には、
◦処置前半で足甲に陽経側~陰経側の順で引き鍼しながら軽く運動鍼をした後、
直ぐに、動作鍼をして、終えたら後始末という方法も出来ます。

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