和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

気持ち悪いと歪み、気持ちよいと治る、そのわけ

操体は自然則

  •  さて、いよいよ、「体の自然」編です。橋本敬三・翁先生は「操体は自然則」という言葉を残してられます。
    本当にそうだなぁと思います。
    これから、しばらく、体という自然に在ると私が感じた自然の法則みたいなものを書いていきます。
    少し理屈をこね回す事になりますが、できるだけみなさんにガッテンして納得してもらえるような説明をしていきます。

「体の自然」の原則

  •  「体の自然」の原則が解れば、先生方の実演の時に、先生方のやっている事と患者さんの反応を見て、やっている事の意味が分かり、直ぐにマネして出来るようになると、少なくともマネしやすくなるのではと思っています。
    そういう風に皆さんが成れるような説明が出来たら良いなと思います。
    先生方が実際に患者さんにやっている事の中で、患者さんの治療に役立つというか、自己免疫機能を活発にさせる事に限れば、そう違いは無いように感じています。
    他の手技療法も含めて。

操体はアクビの技法化

  •  「体の自然」に関する基本的な原則を知っていれば、後は、操者の得意な事や夢中になれる方法に磨きをかけて、患者さん一人一人のその時その場の体や心の状態に合わせて、丁度良い事ができれば良い・・・、
    操体って赤ちゃんや動物のアクビやノビの技法化だし、二人操体って、動物のお母さんが赤ちゃんを嘗めている事の技法化じゃないかと思います。
  •  違うのは、説明というか、「心に言葉で描かれた物語」。
    その違いの大きさに初心者の方々は面食らってしまうわけです。
    そういう「物語」を出来るだけ省いた処で言える事を書いていくよう心がけていきます。
    橋本敬三・翁先生が昭和13年に書かれた「力学的医学の構想」の私なりの発展形のつもりです。
  •  先ずは、何で、気持ち悪い事をすると体が歪み、気持ちよい事をすると歪みが取れるか考えていきましょう。

操体では、

  1. 気持ち悪い事をすると体が歪み、
  2. そして、なんとなく変な嫌な感じの不定愁訴になり、
  3. それから、検査に異常の現れる機能異常の状態になり、
  4. 続いて、器官が破壊される
    という順番で病気が進行するとされています。

治る順序は逆で、

  1. 気持ちよい事をすると体の歪みが取れ、
  2. すると、不定愁訴が消え、
  3. 次の日くらいに機能異常が改善され検査結果が変わり、
  4. しばらくして、器官破壊も可逆変性出来る範囲では改善される
    ・・・でしたね。

気持ち悪い事をしている時の姿勢

  •  さて、気持ち悪い事をしている時の姿勢を良く思い出してみましょう。
    あまり良くない姿勢をしている事が多くありませんか?
    極端な言い方をすれば、目と手だけ気持ち悪い事に向いていて、それ以外はそっぽ向いている姿勢をしていませんか?
  •  たいていは、手首は甲を反らせる方向に折れるような感じで曲げて、肘は出来るだけ体から気持ち悪い物を離すように伸びていて、肩は上がっていて、腰は曲がっていて、顔はそっぽ向いて、体の正中腺もそっぽ向け、目だけ横目で気持ち悪い物を見ている、
    つまり、手先と目以外は気持ち悪い事から遠ざける姿勢、そんな姿勢じゃないですか?
    実際に極端な例をやってみると、ああ、なるほど、これでは、長い時間この姿勢では体が歪むだろうなと納得できますので、やってみてください。

気持ち良い事をしている時の姿勢

  •  逆に、気持ちよい事している時は、気持ちよい物を出来るだけ自分の体に近づけ、体の正中腺の前に持ってきて、手首はあまり曲がらず、肘は少し張り気味、肩は降り、手首・肘・肩・背中が一つの円を描き、腰から仙椎にかけは反っていて、頭や目は気持ちよい物に向いているという姿勢をしていませんか?
    こういう姿勢だと長い時間やっていても疲れにくいです。
    いわゆる良い姿勢に近いですね。
    操体や鍼灸なども、この姿勢で出来るようになると効果が出やすくなります。

基本はアクビやノビ

  •  そういう気持ち悪い姿勢を続けていると体が歪みますので、体は自然にそれを改善しようとする行為をしはじめます。
    いわゆる、アクビやノビです。アクビは体を反らせて上を向く事が多いですが、その前には、体を前に折り曲げたり、下を向いている事が多いと思いますが、いかがでしょう。

運動療法はアクビの様式化

  •  私は、操体を始め、ヨガ、気功、整体など、体を動かす運動療法は、みな、アクビの様式化ではないかと考えています。民族の違い、体形の違い、好みの違いによって、いろいろな形や方法への変化が起きているだけで、また、心に言葉で描かれた物語が違うだけで、本質は、みんな同じに見えます。
  •  アクビの時に、始めにフワーと動いていく事を中心に様式化したのが気功で、
    その後にしばらく動きが止まる姿勢(操体で言うタワメの間)を中心に様式化したのがヨガで、
    次ぎに、口がフッと瞬間的に脱力するのを中心に様式化したのが整体やカイロなんじゃないかなと思えるのです。
    ついでに言えば、その後の大きく息を吐き出した状態の後を様式化したのが自律訓練法かもしれません。
  •  私は、ヨガや気功や整体をやっている時には、効果が出せても、何故効果が出せるか解りませんでした。
    操体をやって、理由がわかったように感じました。
    みんな、アクビの様式化なんだ。
    体が自然にやっている事を様式化しただけなんだ・・・と。

理想は赤ちゃん

  •  忘れられない思い出があります。生後半年ほどの長男がアクビとノビをしていたのを見てびっくりしました。
    それまで見た、どんな気功の名人よりも、整体の名人よりも、操体の名人よりも上手な見事な動きをしていたのです。
    本当にびっくりしました。
    理にかなっていて、自然で、文句の付けようのないほど、見事な動きでした。
  •  それ以来、こういう体を動かす健康法は、アクビの様式化で、覚えるというよりも、赤ちゃんの頃は出来ていて、成長に従って忘れてしまった事を思い出せば良いだけなんだなぁと思うようになりました。

原始的な快感覚の追求

  •  操体は、中でも、アクビに含まれる全ての要素がそろっていて、やっている人の「なんとなくホンワカとした気持ちよさ」という、原始的な快感覚を大切にしている点が好きです。
    なにせ、アクビやノビの様式化だと思っているわけですから。
  •  しかも、やっている人のその時その場での状態に合わせるように、今も工夫が続けられている点も気に入っています。
    創始者の始めた型の伝承に陥りがちな方法が多い中で、実際に、気持ちの良い、体に取って本当に必要なものは何だろう、今の時代の人の体の歪みにとって良い方法は何だろうと改良が続けられている点が凄いなと思います。
  •  橋本敬三・翁先生は「これをすると一生飽きないよ」とおっしゃってたそうだけれど、本当に面白くて工夫するのに飽きる事がありません。

ご指摘下さい

  •  さて、これで、みなさんは、気持ち悪い事をすると体が歪み、気持ちよいと治るワケを納得いただけたでしょうか?
    私は納得してしまっているので、納得できない方は疑問点をご指摘ください。
    お互いの論、つまり、考え方の間を繋ぐロジックを考えていきますので。

次回 「小さな病気は歪みを治す

  •  次回は、カゼを例に「小さな病気は歪みを治す」という視点から、今回書いた気持ち悪いと歪む事と、気持ちよい事すると治る事の間で、体の中で起こっている現象について書いてゆきます。
    つまり、アクビやノビなどの自然な操体が出来なかったり、それだけでは改善されない歪みが体に蓄積された場合に、体に起こる事を書いていきます。

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