和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

末端の動きと体重移動での違いは

切っ掛けが違うと何が違ってくるか †
•先回は、
一つの操体で、気持ちよさを深める工夫として、
体重移動と末端の動きを組み合わせてみる事を取り上げてみました。
•今回は、
その二つをきっかけににする2種類の操法の
違いのほうを見ていきます。
◦つまり、
末端の動きをきっかけにする操体操法と
体重移動をきっかけにする操体操法の
大雑把な違いを書いていきます。

分かり易さと身に付け易さ †

末端を切っ掛けにするほうが解りやすい †
•先ず、
末端の手首や足首をきっかけにする操体は、何と言っても、
解りやすいのが特徴ですね。
◦本で読んでも、実演を見ても、
わりと直ぐに何をしているのかが解りやすいと思います。
■操体って言うと、
仰向け膝立て足首反らし(爪先上げ)というイメージがあるのも、
中腰尻振り運動などに比べて、
本を読んだだけでもだいたい何をしているのか掴みやすい
からでしょう。
■比べると、
中腰尻振り運動などは、
本を読んだだけでは何をやっているか解りにくいし、
実演を見ても解りにくいし、
自分でやってみても
最初のうちは何をどう調節すると気持ちよさが増すか
掴みにくいと思います。

末端・切っ掛けは、操体がバラけ易い †
•しかし、
末端をきっかけにする操体操法は、
その動きを頭で理解しやすい反面、
操体がまとまりにくい面があるような気がしています。
◦バラバラになりやすいというか、
注意していないと末端の動きだけになって
全身に連動しにくいと言うか、
からだ丸ごとの気持ちよさを感じにくい、
形だけの操体操法に終わる可能性が高いと思います。
■末端の手首や足首は動く範囲も広いし、
動く方向も沢山あり、
手首足首の関節自体もいろいろな動き方をするせいで、
その中から、
その時の体全体の歪みにピッタリ合った一つの姿勢を見付ける
のが難しいためだと思います。
•それに比べて、中腰尻振り運動など
体重移動をきっかけにする操法は、
出来るようになれば、
全身に連動しやすく、
体の動きがバラバラになりにくく、
からだ丸ごとの気持ちよさを味わいやすいように思います。
◦体重移動出来る範囲がせまいし、
慣れてくると
どちらに動かしたら気持ちよいかはっきり解る
ためだと思います。
■原始感覚というか勘というかが働きやすいようです。

膝・首などが切っ掛けは、両者の中間 †
•膝を動かしたり、首を動かしたりは、
手首・足首をきっかけにする場合と
体重移動をきっかけにする場合の
中間くらいで、
やや、末端を切っ掛けにする場合に近いと言えます。
•手の平を頭の後ろなどに付けて
親指を支点に手首を捻る事をきっかけにする操体など、
手を体に付けた状態から始めたり、
合掌した手や組んだ腕の肘をきっかけにする操体操法なども、
同じ様に中間くらいだと思います。
■つまり、
手首足首をきっかけにする操体操法よりも、
最初は解りにくいけれど、
出来ると連動しやすい。
■また、
体重移動よりは
最初は解りやすいけれど、
連動させにくいという事です。

末端を離す事、近づける事の違いは †
•また、
手首・足首を体から離していく操法を、
手首足首を体に近づけていく操法と比べると、
離していくほうが見た目に解りやすいけれど、バラけやすい
という事も言えます。
◦これも動く範囲が広く、方向も沢山ある事から来ています。
•例えば、
うつ伏せでお尻に踵が着かない場合に、
その足を伸ばすように誘導する操法がありますが、
足首を体から離す事を切っ掛けにしているせいか、
定番の動きの操体の中では、
効果を出せるようになるのが難しいと言われる事が多いようです。
■これは、
足は重いので一定の姿勢を長い時間続ける事が難しい
事からも来ていると思います。
◦私は、自分でもあまりこの操法、
うつ伏せからの足伸ばし操体をしませんし、
初心者に伝える事もあまりしません。
■やってみせる事はしますが、
出来るように練習しなさいとは言いません。
◦同じ効果が出せて、
もっと簡単に身に付けられる方法があるからです。

うつ伏せ足伸ばしの代わりに、反対側の足で尻たたき †
•それは、
お尻に着きやすいほうの足の踵を少し余分にお尻に押しつける
という方法です。
i.足首付近を持って、ゆっくりお尻に近づけていきます。
■途中で反対側の足のほうに倒れていく方が多いです。
ii.抵抗が少ないほうに倒していきます。
iii.動きづらくなった時点で足首を押すのは止め、
iv.伝え手の反対側の手で
切っ掛けにした足首の延長の膝を持ち上げる
と気持ち良さが増す事が多いです。
v.気持ち良さがかなり長い時間続く事が多いので、
正座状態の伝え手の膝の上に
持ち上げた受け手の方の大腿部を乗せてしまうと楽です。
vi.お腹に息が深くはいっている事を確認します。
■この形まで持っていくと、
患者さんの胴体部分の体重を移動させている事になります。
vii.気持ちよさが減ったり、
受け手の方のお腹に息が深く入らなくなったり、
受け手の方が姿勢を変えたくなったりしたら止めます。
viii.足を伸ばしてから、
反対側の足をお尻に近づけていくと、
この操体をする前よりもお尻に近づきやすくなっていると思います。
•言葉だけで操法を伝えるのは難しいので、
あまり操法のイメージがわかないかもしれませんが、
実際にやってみると簡単ですし、
足を伸ばしてくる定番の操法よりも身に付けるのも簡単です。
◦定番と同じ効果が出るのは、
背骨に伝わる動きが同じになるからだと思います。
•末端をきっかけにする操体がバラけてしまって、
なかなか纏(まと)まりが付かない時には、このように、
背骨に同じ動きを作り出す、重さの操体や、
それに近い、末端を胴体に近づける操体にすると、
体全体に動きが伝わりやすく、
体丸ごとの気持ちよさが味わいやすくなるようです。
◦試してみてください。

両方ともお尻に近づきにくい時には †
•上に書いた操体は、
両足の踵がどちらもお尻から遠い場合には使えません。
•その場合には、
伸ばした受け手の方の足の大腿部の下に
操者の大腿部を入れて少し持ち上げ、
受け手の大腿部や脹ら脛にカワの操体をする
と効果が出る事が多いです。
◦大腿部を持ち上げるのは、
足を伸ばす定番の操法の時と大腿の高さを同じくらいに保つためです。
■高さの調節が巧く行かない時には
座布団やクッションを受け手の方の大腿の下に
丁度良い高さ分積み上げても良いと思います。
◦脹ら脛は掴んで親指側に捻りながら足首方向にズラし、
大腿部には手の平を置いた状態から同じようなズラしをする
と効果が出る可能性が高いようです。
■これは、
その方向に皮膚をズラす事と、
足を伸ばす事が体にとっては同じ事になるからのようです。
◦足首を持って伸ばすよりも、
操法が纏まりやすく、
今の時代の方には気持ちよいと言ってもらえる可能性も高くなりますし、
持ち上げているのに比べると楽なので長い時間続けられます。
■野次馬してみてください。

末端・切っ掛けを体重移動やカワ操体に置き換える †
•これまで書いてきたような理由で、私は、
臨床の場では、どちらかというと、
末端をきっかけにする定番の動きの操体はあまりしませんし、するにしても
体重移動や
カワの操体、特に胴体に近い部分へのカワの操体と組み合わせています。
◦臨床の場では、
末端の動きは補助的に使う事が多くなります。
■講座でも、
同じ効果で身に付けるのが簡単な操体のバリエーションがある場合には、
末端をきっかけにする定番の操体は紹介だけにする事も多いです。

次回は、背骨に伝わる動きが同じ操体は同じ種類 †
•今回は、
きっかけが末端と体重移動での違いを書きました。
•次回は、今回も少し書いた
「背骨に伝わる動きが同じ操体は同じ種類」という例をもう少しあげ、
詳しく書いてから、
操法が体の何処に効いているかを見分ける、逆に言えば、
どういう点に注意すると、体の特定の箇所に効果を生み出せるか、
という事に繋げていきたいと思っています。

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