和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

新旧操体の向き不向き

今回は、バリエーションで何が違うか †
•さて、前の2回で「ギュッ・パッ・ストン」からカワの操体まで、
タワメの間が同じ形になる操体のバリエーションを紹介してみました。
•それらは、ほぼ同じ効果があるのですが、違いがあります。
◦今回は違いのほうに目を向けて比較してみたいと思います。

「ギュッ・パッ・ストン」タイプの特徴 †
さて、始めに「ギュッ・パッ・ストン」タイプの特徴を書き出してみます。

•一番の特徴は、
1.受け手が自力で動かす部分そのものに対して操者が抵抗を加えている
事です。それに続くのが、
2.タワメの間が短い事、
3.瞬間脱力が大きめな事
 です。
◦そういう特徴から出てくる事を上げてみます。
i.主に自力運動と抵抗が近いため、全身に連動しにくくなります。また、
ii.主にタワメの間が短いため、気持ちよさを充分な時間味わえなかったりします。
■それで、他のタイプと比較して試してもらうと、
こちらのタイプを選ぶ方は少なくなっていきました。

「ギュッ・パッ・ストン」タイプは、運動筋のその日の疲れに向く †
•ただ、このタイプが今では役に立たないというわけではありません。
◦例えば、
普段運動をしていない方がスポーツの大会に出たり、
ハイキングで長時間歩ったりした後に、
このタイプを試すと、
きっと爽やかに疲れが抜けていく事を体験できると思います。
■爽快な後味も愉しめます。
◦また、ある特定の処に焦点を当てて、
そこに効かせたいというような場合にも、
巧く行えば効果が出せます。
■特定の、特に表層にある、大きな動きを生み出す筋肉を
1日中繰り返して使った後などです。
•このタイプを知ってから20数年試してきて、私は、
その日の運動による疲れを取るのには、
この「ギュッ・パッ・ストン」は、効く
 なと思っています。

「ギュッ・パッ・ストン」タイプは姿勢維持筋には効きにくい †
•ただ、
同じ姿勢を維持したり、あるいは、
考えたり思ったりという活動の疲れを取ったりする
 のには向かないし、
何ヶ月も掛かって蓄積された歪みを取っていくのにも、
 あまり向いていないように感じています。
◦比較的深層にある姿勢を維持する筋肉を
縮めたままにする姿勢をとり続けた場合など
 がその典型例になります。
•姿勢維持筋の場合には、
スポーツの時に表層の筋肉を大きく伸び縮みさせるのに比べると、
長い時間縮ませる事だけを続ける場合が多いです。
◦この長い間縮ませた状態を続けるという事が
ギュッ・パッ・ストン型で緩みにくい原因となっている
のかなと考えています。
■ジワーと作られた痼りは緩めるのにも長い時間を必要とする
 のかなという感じです。

「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイプは姿勢維持筋に効く †
•そういう同じ姿勢を維持しながら
パソコンで書類を作ったりチェックしたり
というような仕事に代表される事が原因で歪みが作られた場合には、
「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイプのほうを気持ちよく感じる
方が多いという経験を積み重ねてきました。

「ギュッ・パッ・ストン」は戻りやすい? †
•また、このタイプの痼りを
「ギュッ・パッ・ストン」で取れたとしても、
数時間後には元に戻っていた
という経験も何度もしました。
◦特に、
全身への連動が巧く行かなかった場合に、戻りやすいようです。
■全身の歪みが調整されないと
体の他の部分の痼りは元のままですから、
無くなった場所にも痼りが在るほうが自然なためというか、
無いと全身のバランスが取れないためだと思います
(そのため、ギュパッストンタイプで全身調整するために、
 体の主な関節の一つ一つを4種8方向に動かし検査し調整する
 という事をしている先生もいらっしゃるようですが、
 凄く時間が掛かるみたいです)。
•「その場では効果があったんだけど直ぐ戻るね、効果が続かないね」
というような事を、よく言われました。
◦「その時にはまたギュッパッストンしてください」
と伝えるのは簡単ですが、
受け手の方にそれを納得してもらって、
ギュパッストンを習慣にしてもらうのは難しかったです。
■こういう痼りに対してギュッパッストンしても
気持ちよさがあまり無い事にもよると思います。

「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイプは戻りにくい †
•ところが、同じ痼りを
「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイプで消すことが出来ると、
短くても3日、たいてい1週間以上持つ事が多いですし、
2週間、1ヶ月以上痼りが出てこなかったという方も結構たくさんいて、
感謝された事も多いです。
◦また、
やること自体が気持ちよく感じられるせいか、
「毎日してるよ、クセになるね」
 という話を聞く事も多かったです。

昔の仕事と今の仕事の差が操体のバリエーションを作った †
•橋本敬三・翁先生が「力学的医学の構想」をまとめられたのは
1937年頃ですし、
臨床の、というか、健康回復の技術としてまとめようと
臨床の場で盛んに試してられたのは、
1960年代の仙台です。
◦その頃と今の体の動かし方、特に、
仕事の場での体の動かし方の違いがタイプの差を生み出した、
一番の理由のように思います。
■現在、宅急便の運転手さんなどでも、
物を運ぶ疲れよりも、
書類のチェックや時間に合わせるための行動、
お客さんとの応対などによる疲労のほうが大きい
のでは無いでしょうか?
•1985年ころから、
仕事の場のいろいろな処で
パソコンやコンピュータ端末を使うようになりました。
◦携帯電話が普及してからは
普段の私生活の場でも使われるようになりました。
■携帯電話は電話の形をしていますが、
中身は通信機能付きのコンピュータそのものです。
•そういう昔とは様変わりした環境の中で、
「ギュッ・パッ・ストン」タイプは、
だんだん選ばれなくなってきたように思います。
◦特に、
その日の運動による疲れを取るために操体を受ける方が少ない臨床の場では。

タイプによる違いをまとめてみると †
•そういう事を振り返ってみて、今、私は、
1.「ギュッ・パッ・ストン」タイプは、
その日の疲れ、特に、
表層にある大きな動きに関わる筋肉の伸縮を繰り返す事で痼りが出来た場合、
◦例えば、
普段運動していない方が急にスポーツやハイキングなどをした時などに有効で、
2.「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイプは、
何ヶ月かに渡って蓄積された疲れ、特に、
i.深層にある姿勢維持に関わる筋肉を縮めるような姿勢を
長時間とり続けた事で痼りが出来た場合、また、
ii.心や頭を使った仕事によって疲れた場合などに有効
 というふうに整理して、納得しています。
■心や頭を使った仕事は長時間同じ姿勢をとり続ける事が多いから
「ふっくにゃ」タイプが向くのだと思います。
また、
3.カワの操体は、
ふわータイプに近く、同じ様に使えるなと感じています。
•そして、
操体を伝える場合には、
受け手の方たちに実際に両方を味わってもらいながら、
そういう説明をして納得してもらっています。

疑問点はぶつけてください。 †
•この辺りは議論になる処だと思います。
みなさんは、どう思われますか?
疑問のある方はぶつけてください。
◦対話という形で疑問点をやりとりする中から、
操体についての新しい発見が出来たらと思っています。
■現在の日本の臨床の場で
操体を使いこなしていくためには避けて通れない
問題だと思いますし。
•よろしくお願いします。

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