和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

小さな病気は歪みを治す

はじめに

  • その1で、気持ち悪い事をする時の姿勢は、
    • いかにも体が歪みそうな姿勢だし、
  • そういう姿勢を続けているとアクビやノビをしたくなる、
    • それが操体のモト、原型なじゃないかという話をしました。
    • その中には寝相なんてのもはいるかなと思います。
      • 昼間嫌な事をして歪んだ体を寝ている間に戻そうとしているのが寝相というか寝ている間の無意識の動きという感じです。
  • さて、そういう解消法で消せないほどの歪みが出来た体は、どうなるでしょう。

未病の状態 †

  • 人の体には病気の症状が出ていない時でも歪みはあるわけですが、恒常性維持機能によって、歪みがあっても、それなりにバランスしています。
    • この時、体の中に溜まった邪毒、つまり、
      体に不必要で有害な物は動かずに静かにしています。
    • 曲がりなりにもバランスしているし、有害物質も静かにしているから、症状としてはっきりとは出ないわけです。
  • 症状が出ていないから体に問題がないわけではなくて、
    それが心にあまり意識されないだけの状態です。また、
  • その状態は一様ではなく、
    1. なんとなく調子の悪い不定愁訴の段階や、
    2. 色々な検査結果が悪く出る機能異常の状態を経て、
      1. 実際に体の中の器官が組織変性して破壊されていく状態まで、
        様々あるわけです。また、
    • 体の中の場所ごと、組織ごとに、そのバランスしている段階は異なっているのが普通です。
  • こういう状態の事を東洋医学では「未病」と呼びます。
    未だ病まざる、つまり、病が動かずに静かにしている状態の事です。

発作の時

安静にしていると †

  • 曲がりなりにもバランスしている未病の体に
    耐えきれないストレスが罹(かか)ると、
    静かにしていた病が動き出し、症状が心に意識される状態になります。
    • これは、無理のしすぎという、体が心や意識に発する警戒警報です。
  • こういう病が動いた典型的な例がいわゆるカゼです。
    1. 普段は影響のないウィルスが体の内側に入り込み、増殖して、
      症状を発するようになります。そして、
    2. 体はだるくなり、頭はボオッとし、熱が出て、呼吸は深くなります。
    3. 安静にして寝ていれば、やがて何らかの形で有害物質が排出され、体はスッキリさわやかになります。そして、
    4. 熱も下がり、呼吸も普段の深さに戻り、
      体のだるさ、頭のボオッした感じは段々なくなります。
    • 良く観察してみると、同じ未病の状態でも風邪を引く前より、体の歪みの少ない、元気な、生命力の高い状態でバランスしているのがわかるでしょう。

☆:安静、気持ちよい事

無理をしてしまうと †

  • ところが、カゼのような病が動いた時に、
    無理をしたり、もっとストレスが罹ると、
    • 症状が消えても、
      体は有害な物を取り入れ増やし、
      より生命力が低い歪みの大きい状態でバランスしてしまう事も有ります。
  • 現代は、症状を消すだけの治療が多く、
    どうしても軽い病気の時に無理をしやすいので、この傾向が強くなります。
    • 自己免疫に関わる病が色々出てきたり、
      突然重い病気になる方が増えているのには、
      この辺にも一因があるのだろうと考えています。
  • 小さな病気の時に無理をしないのが、養生の秘訣ですね。つまり、「小さな病気は大きな病気の保険」なのです。

病気が治っていく過程では †

  • さて、病が治っていく過程をもう少し詳しく観察してみましょう。
    • 安静にしている時でも、適切な治療をした時でも、
      同じプロセスを経るように思います。
  1. まず、寝るなど安静出来る姿勢になると、少し痛みが減ります。
  2. 次に、少し痛みが増え、頭がボオッとし、体が動かしづらくなり、息が深くなり、体温が少し上がります。
    • 生理学者の方の話では、こういう状態の時には、
      自己免疫機能が活性化しているそうです。
  3. しばらくして、姿勢が変わり、体全体の力が抜けます。
    • 体のだるさは残りますが、
      スッキリさわやかで体が透明な感じになり、表情も晴れ晴れとします。
  4. しばらくして、汗や下痢などの形で邪毒が排出される
    のが観察されるでしょう。
    • この時も直ぐに動いたりせずに、体温が低めでだるくて起きあがりにくい感覚があるうちは、暫く安静状態を続けたほうが良いでしょう。
  • 元気な子がたまにカゼをひいた時など添い寝しながら観察していると、こういう経過をはっきり辿る事がとても良く観察できます。

子供が小さい頃の例 †

  • 子供が小さい頃、外から帰ってきて
    「カゼ引いたみたいだから布団引いてくれ」と言われ、用事を中断して寝かせ、用事の一段落が付いた30分ほど後、カワの操体でもできるかなと様子を見に行きました。
  • 手を伸ばそうとして、既に深い息をしている事に気がつきました。
    • 当時、既に、操体や指圧・按摩に限らず鍼灸でも、効いている時には患者さんの息が深くなる事には気が付き、面白いなと思っていました。
      • それと同じ息というか、もっと深い息をしていたのです。
  • びっくりして、しばらく唖然としていました。そして、
  • 生理学者の方から聞いた自己免疫機能が活性化している時の体の反応について納得がいったわけです。

治療法が違っても経過は同じ †

  • 治療法が違っても、適切ならば、この治癒のプロセスは同じ経過を辿るように思います。
    • 自分の体で起きているこのプロセスが解るようになれば養生に役立つし、
    • 患者さんの体で起きているこのプロセスが目で見て手で触って解るようになれば、治療に役立てる事ができます。
  • 軽いカゼや腹痛などの時に、病の変化していく様子を観察する習慣をつけると良いでしょう。
  • 治療中にも似たような変化が起きます。つまり、
    • やっている事が効果を上げている間は、息が深くなります
      • それを目で見て手で触れて解る事が治療の第一歩ではないかと考えています。

息の深さはリアルタイムで変わる †

  • 自己免疫機能が活性化している時に外から見てわかる四つの変化、
    1. 体温が少し上がる、
    2. 頭がボッとする、
    3. 体がだるくなる、
    4. 息が深くなるのうちで、
  • 目で見て手で触って一番解りやすいのが、息が深くなる事です。
    • それに、他の三つよりも、体の状態に合わせて、より即時的(リアルタイム)に変化するように思います。
  • このあたりになると、カゼなどの時に直ぐ薬を飲んで症状を消してしまっている方には納得していただけないかもしれません。
    • 是非一度ヒマを見て安静にしながら病の変化していく様子をじっくり観察してみてください。
      再度、お薦めします。

次回から †

  • 次回からは、気持ちが悪い事をすると、最初に体に現れる変化、つまり、体が歪むという現象について考えていきます。
    • 体の歪むというのは、
      1. 体の組織の中では何が関わっているか、
      2. どういう順に歪んでいくか、
      3. 体の歪みに従って現れる、いわゆるツボの増え方や広がり方
        などについて、説明していきます。

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