和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

対角相関、動作時連動筋肉内

はじめに †
•さて、今まで、動作の負荷を分担する仕組みのうちで、
頭・胴体での横輪切り相関、体全体の縦切り相関、左右・前後・上下の相関を書いてきました。
•今回は、左右・前後・上下の組み合わせの対角の相関と、ある動作をする時に一緒に動かす筋肉内にツボが出る相関関係を説明します

対角相関 †
•先ず、対角ですが、これは、左右・前後・上下の組み合わせになります。

胴の対角相関 †
•胴の部分では、
右腰痛の方の場合に原因が左下腹に在り、そこを改善しないとすっきり治らない場合などが例になります。
◦同じ側に出る場合のほうが多いですが、1/3くらいの方は対角に出ます。
女性の方で悪血証が有る場合の腰痛などに良くみられます。

手足の対角相関 †
•手足の場合では、右足首の捻挫を左手首のカワの操体で治す時などが典型例です。
◦今までの相関と組み合わせて、
対角、上下、左右の順でだんだん患部に近づいていくとかなり改善している事が多いです。
◦例えば、調べたりするだけで痛がる右足首の捻挫なども、
右外踝前下方を伸ばした事が切っ掛けの場合には、
■左手首の小指よりの窪み付近に出ているツボ、
■右手首の小指よりの窪み付近に出ているツボ、
■左足首の外踝前下方の順で、カワの操体や鍼灸を行ってくると、
■調べたりするくらいはそれほど痛くなくできるようになっている事が多いです。
•この対角の例では、三浦先生に操体を習った講習会で、1回目の時に、
◦右膝裏の痼りを左肘付近のカワの操体(三浦先生は「渦状波」と呼ばれていました)
で緩めるのを見させていただいた時には唖然としました。
◦が、今では、そういう事もツボの広がり方として頻繁にある事だと納得しています。

動作時連動筋肉内の相関 †
•今まで書いてきた以外にも興味深いツボの出方もあります。
•それは、ある動作をする時に同時に動く部分にツボが出るという例です。
◦操体で言う「体は連動装置」という言葉が良く納得できる例でもあります。
◦例えば、
■足の脹ら脛がよくツる方のツボが同じ足のソケイ部に出たり、
■バトミントン肘のツボが同側の下腿前面に出たり、
■フォアハンドテニス肘のツボが反対側の下腿前面に出たりします。

足のつった時の相関 †
•足の脹ら脛がツった時には必ずソケイ部が縮みます。
◦つまり、足を折り畳むような格好で、大腿をお腹に近づけて耐えるわけです。
◦ソケイ部を伸ばしたまま、脹ら脛がツるのに耐える事はできないわけです。
•それで、脹ら脛が良くツる方ではソケイ部にそれに関連するツボが出るのだと思います。

テニスやバトミントンの場合 †
•バトミントンの場合には、
フォアハンドでもバックハンドでもラケットを持つ手と同じ側の足を支点にします。
•テニスでフォアハンドの場合にはラケットを持つ手と反対側の足を支点にします。
•テニスでもバックハンドの場合には同じ側の足が支点になります。
•これまで書いてきた相関に当てはめれば、
◦バトミントン肘やのバックハンド・テニス肘場合は上下相関に、
◦フォアハンド・テニス肘の場合は対角相関に相当します。

一つの動作で一緒に動く筋肉にツボが広がる †
•このように、体の連動性に従って、
ある動作をする時に同時に動く筋肉上にツボが出る事も多いのです。
•今まで書いてきた、横輪切り、縦切り、左右、前後、上下、対角も、
まとめてみれば動作時連動筋肉という事なのかもしれないなとも思います。
•筋肉は、たいてい反対に動くものどおしで対(ペア)になっていますし、
人間の動きは直立2足歩行が中心になります。
•その辺りも含めて、
ある動作をする時に一緒に動く筋肉で負荷を分担しあっているのだと考えます。
◦ま、一緒に動く筋肉の一つにツボが出来ていれば、他の筋肉に余分な負荷がかかるから、
しだいに、それらの筋肉にもツボが出来ていくと考えても良いです。
◦そう考えると、ツボの広がり方が解りやすいし、
一つの痛みや動作の制限に対して、関係するツボが出やすい処の大雑把な見当がつけやすい
と思います。
•ですから、運動選手の痛みや辛さで治し方が解らない場合には、
練習を見学してみるのも良い方法です。
◦実際に参加して次の日に筋肉痛を起こした箇所を調べてみると、
もっとツボが見つかりやすいでしょう。
◦もっとも、普段全然運動らしい運動をしていない場合には、
全身が筋肉痛で決める事が出来ないなんて事になるかもしれませんが。

筋肉の負荷分担という視点からツボ探しへ †
•ここ数回にわたり書いてきたように、
ツボは筋肉の負荷分担により増えていきますから、
横輪切り、縦切り、左右・前後・上下、そして、
それらの組み合わせの対角や動作時連動筋肉内など、いろいろな出方をします。

ツボを外したら結果が出にくい †
•可能性の高そうな順から試していけば良い訳なのですが、
だいたい、その辺りとわかっても、1cmずれたりしたら、結果が出ない場合もあります。
◦橋本敬三先生は1mm以内だと書かれています。
◦例えば、膝裏の痼りを反対側の手の肘付近で緩める事など、
私はなかなか出来るようになりませんでした。
◦でも、今では、自分で出来るだけでなく、
始めて操体を習う方にもその場で結果を出していただけるようになりました。
•伝え方を工夫し、
ツボの探し方や触れ方、皮膚のズラし方をステップを踏んで伝えれば、
比較的簡単に出来るようになります。
◦お灸のツボでは2,3mmずれても効かない小さなツボを使ったりもします。
■そういうツボ探しも、その場で出来るように伝えています。
•ツボが出ている可能性の高い場所、その中からツボの場所を選ぶやり方
がしっかり伝えられれば良いようです。
•まぁ、カワの操体の場合は、場所が特定できなかったら
手の平でその辺り全体を動かすという方法も可能です。
◦が、ツボが特定できれば変化を起こせる可能性は高くなり、確実に出来るようになります。
•言葉での誘導が巧く出来ないから、あるいは、触れ方や動かし方、ズラし方がわからないから、
巧くカワの操体が出来ないという方がいますが、
手で触れている場所がツボから外れている場合が多いです。
◦出ているツボに手や指がきちんと当たっていれば、
ズラし方や動かし方は多少違っていても効果が出ますし、
あんまり考えずにボッとしていれば自然に適切なズレ具合になっていきます。
■また、言葉の通じない、赤ちゃんや重度の障害を持つ方にも、カワの操体が出来るようになります。
•鍼灸の場合でも、どういう鍼の刺し方、灸のすえ方をするかよりも、
ツボが的確に取れているかどうかのほうが効き目を大きく左右します。
•手の平で動かす場合にも、
手の平の中で相手の皮膚に対して一番圧力が掛かっている場所がツボに当たっている
と確実に効果が出せます。
◦この辺りは、始めての方でも天性で出来てしまう方もいますね。
でも、天性で出来ない方でも、探し方を身に付ければ出来るようになります。
•また、動きの操体でも、ツボが出ている場所が特定できれば、
有効な操体を見付けやすくなります。
◦基本的には、
ツボが出ている筋肉を縮ませる連動が生まれる動きの操体を選んでいけば良いのですが、
詳しくは「操体の自然則編」で書きます。
◦また、動きの操体をしている最中に片方の手の指を出ているツボに当てていれば、
操体をしている間の患者さんの体の変化をよりリアルに感じる事が出来ます。

次回は、ツボの出やすい所、状態 †
• そこで、次回は、ツボが出やすい部分や、ツボになっている部分の皮膚や筋肉の状態、
そして、次々回は、その辺りの中からぴったりの点を探す方法を紹介していきます。

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