和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

子供にコロコロ+灸

箇条書きによる解説 †

[1]基本的に †
(1)東洋医学の世界では、生物的な大人、つまり、第2次性徴出現以前を子供と見る。

(2)正中腺(縦)と脇腹(横)と手足の指(末端)を整え、陽明で気を下げるのが基本。

(3)子供は野生動物、触る事が大切。動物の母親が嘗める事と同じ。

(4)歪みや凝りが大人並の子が増えてきている。(治療は大人に準ずる)

(5)現在では、生物的大人と社会的大人の年齢差が大きい事も思春期の病気の原因となっている。

(6)甘い物(白砂糖)の過食者は、ツボが消えにくい。(化学調味料,精製塩,添加物も)


[2]ツボが出やすい所、狙い目 †
(1) 正中線(縦)
  身柱、命門、後頭部、臍周り

(2) 脇腹(横)
  京門、章門、帯脈

(3)手足の陽明
  特に、手の前腕、示指・親指側

(4)手足の末端
  井穴、指端、指裏横紋端、八邪八風(赤ちゃんなどを筆で)

(5)症状別:くすぐったがる所などが狙い目

 1. 肺   :中府、肩貞,肩甲間部

 2. 腹   :中完,左梁門~腹哀、膈肝脾愈
       (灸、皮内鍼)

 3. 心   :檀中、労宮

 4. 疳の虫 :手陽明(示指・親指側)(灸)

 5. 慢性病 :足の指端、指裏横紋端(灸)

 6. 脳性麻痺:足の指端、指裏横紋端(灸)
       コワバリ部分を緩める、特に胴。
       操体など子供が喜ぶリハが良い

 7. 傷、虫刺:そこに糸状灸(擦り傷は棒灸)

 8. 打撲  :境目と中心に糸状灸(or局所冷却)


[3]手順 †
(1)基本的な小児鍼(ローラー鍼、硬めの歯ブラシ、ブロアブラシ)

 肩甲間部(縦に) → 両脇腹(横に) →*→ 手の前腕(末端へ)

 *:症状の出ている所(くすぐったがる所)が有れば加える

 ・この順にくすぐっても良い。
 ・0歳児は、ブロアブラシ(書道筆)で充分な事も多い.
 ・1歳児は、絵筆、チークブラシなど先端を切りそろえたものくらい

(2)灸(補の灸)

 座位→俯せ→仰向け→手示指指端(骨空や親指側横紋端でも良い)

 ツボが出ている所のみ行う。
 手示指指端(殆ど捻らない糸状大で軽く寫の灸←子供はのぼせやすいので)


文章での説明 †

[1] 基本的に †
 東洋医学の世界では、生物的な大人、つまり、第2次性徴の出現前までを子供と
見なします。本格的な刺鍼は控え、ローラー鍼を始めとする小児鍼や灸、皮内鍼や
円皮鍼などを用いて施術します。

 正中腺で縦方向を整え、脇腹で横方向を整え、末端の手足の指で経絡を整えるの
が基本です。また、気が上がりやすいので、陽明を使って気を下げます。特に、歩
けない段階、座位が充分に決まらない段階では、胴体部を中心に施術します。手足
の経絡と胴体部の関係は、立ち歩くのが日常的になってから生じる重力負荷の分担
に由来しているからです。

 子供、特に、赤ん坊は野生動物です。小児鍼や擽りは、動物の母親が子供を嘗め
る事と同じと考えて下さい。子供は触る事が大切で、ツボなど解らなくても全身触
り続ける事が一番効果的なようです。特に、喘息やアトピーなどの疾患の場合。

 歪みや痼りが大人並の子が増えています。そういう子の治療は本格的な刺鍼が必
要な場合もありますが、案外、刺鍼を嫌がらない事が多いです。ゆっくり、じっく
り説明して納得してもらいながら刺鍼に持っていくようにします。接触鍼をしてみ
て無理なく鍼が入っていくようなら、そのまま刺入していきます。

 現在では、生物的大人と社会的大人の年齢差が大きすぎる事が思春期の病気の原
因になっている感じを受けます。産業革命以降、思春期に学校で行かせるようになっ
たのが原因と見られます。当初は学問技術の進歩が遅かったので学校で習った事は
一生役立ったし、20歳前後の筆記試験の成績でその後の身分が決まる階層社会で
もあったので、受験競争に拍車がかかりました。しかし、現在はルーチンワークは
コンピュータ化され、学問技術の進歩は早くなり生涯学習の時代になってしまった
ので、産業革命以前のように、生物的成人を社会的成人にし、10代中頃で第1子
出産するという形態に再度制度変更する必要を感じています。

 白砂糖を始めとする甘い物を食べ過ぎている子供は、ツボが消えにくいし、消え
ても直ぐに復活する傾向にあります。化学調味料や精製塩、添加物も同様です。
(参照:「古いツボ、古い病ででるツボ」)


[2] ツボが出やすい所、狙い目 †
 正中腺上、脇腹、手足末端、陽明経が基本。細かくツボを採るよりも、その付近
全体を整えるつもりで見ていくのが良いでしょう。

 正中線上では、身柱付近の肩甲間部、命門付近の腰部、後頭部、臍周り。

 脇腹付近では、京門、章門、帯脈などがあるが、正穴に関わらず、一番くすぐっ
たがる処を取ると良いです。

 手足の陽明では、上がった気を降ろします。子供は気が上がりやすいので、陽明
で気を降ろす事を重視します。特に、手の陽明前腕。また、疳の虫など、特に、気
が上がり方の激しい症状には、手陽明経の末端、人差し指の親指側、横紋端、二間
などに昔から灸をしました。

 手足末端は、経絡的な変動調整に向きます。井穴、指端、指裏横紋端などや、指
の間の水掻き状の部分にある八邪八風が良く使われます。

 症状別では、くすぐったがる処などが狙い目です。
1.肺や呼吸に関係する症状では、中府、肩貞、肩甲間部。
2.腹の消化器系の症状では、中完や、結腸が横行から下降に移る付近(左の梁門
  から腹哀)、胃の六灸で有名な膈肝脾愈など(灸、皮内鍼)。
3.心のコリには、檀中、労宮。
4.疳の虫には、上記のように、手陽明の示指・親指側(寫の灸)。
5.打撲、切り傷、虫刺されにはその箇所に糸状灸。擦り傷は棒灸で炙ります。
  打撲は、境目と中心に糸状灸をします(または、局所冷却)。

 慢性病で、既に普段は立ち歩いている状態の場合には、足の指端、指裏横紋端、
女室、失眠などに灸して、じっくり経絡的な調整をしていくと良いです。

 慢性病でも脳性麻痺などで、まだ歩けなかったり座位が決まらない場合には、胴
体部の背骨始め正中線と腰から脇腹をととので、背骨が立った状態を作る事と、指
など末端を刺激する事を併用します。脳性麻痺では、末端の灸のほか、体のこわばっ
た部分を解し緩めてていく事も関節可動域の改善に役立ちます。歩くのが上手でな
い時期には、体幹部の大きな歪みが改善されないと手足の細かいリハビリは効果が
少ない事も多いです。

 また、親子関係が壊れないよう、無理せずに、操体など子供が喜ぶ方法を工夫し
ます。(cf.[6-9] 歩けないほどの歪み)


[3] 手順 †
 小児鍼の基本的手順は、肩甲間部を縦に往復し、命門から脇腹を横に往復し、手
前腕陽明経を肘から手首に向けて動かして終えます。陽明経は、気を降ろすのが目
的なので、手首から肘方向へは動かさない事が大切です。

 子供は「コロコロ」と呼んでローラー鍼が好きですが、硬めの歯ブラシでも良いし、
この順で擽っても良いし、心のコリには皮膚の操体も効果的です。乳児では、ブロ
アブラシやチークブラシ、使い古しの書道の筆で充分な事も多いです。症状別の狙
い目が在れば、手前腕の前に付け加えます。

 灸は、座位、俯せ、仰向け、手示指指端の順で、ツボが出ている所のみ補の灸を
行います。終わりの手示指指端は、殆ど捻らない糸状灸で軽く寫します。子供はの
ぼせやすいので。この手示指指端は、骨空や親指側の指関節横紋端でも良いです。

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