和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

動きの操体の新旧比較

はじめに †
•さて、今回から「操体の自然則」編に入ります。
◦昔(と言っても20年ほど前でしょうか)操体を習った方や
橋本敬三・翁先生などの本を読んで操体を知った方には、
今まで私が書いてきたような操体が本当に操体なんだろうか
と疑問を持たれている方もいらっしゃると思います。

動きの操体の変遷 †

操体と聞いて多くの方が思い浮かべるのは †
タイプ1.ギュッ、パッ、ストン

•『万病を・・・』が出版されて全国的に有名になった頃、
それは私が操体を知り最初に習った頃でもあるのですが、
操体というと次のようなイメージでした。
◦動作を左右比較して楽なほうの動作をしてもらい、
それに伝え手がめいっぱい抵抗を掛けて、数秒その状態を保った後
「はい脱力して」と声を掛けて脱力させる。
■擬音表現で言えば、「ギュッ、パッ、ストン」。
◦受け手の方にしてもらう動作も目一杯頑張ってもらう事が多かったようです。
•橋本敬三・翁先生は「頑張らないで気持ちよいほうに逃げろ」と書いていますが、
あの当時に操体として伝わった操法は、
受け手の方にも頑張らせる形が多かったように思います。
◦また、今でもそういうイメージで操体を知っている方が
一般的には一番多いと思います。

ギュッ、パッ、ストンからカワまでは連続している †
•そういう風に思われている操体とカワの操体が
何故同じ「操体」という言葉で語られるのか、
実際にカワの操体を達人の先生方から受けた事の無い方は
疑問に思われると思います。
◦「操体の自然則」について書いていく手始めに、
仰向け膝倒しを例にして、
ギュッ・パッ・ストンからカワの操体までの間の操体のバリエーション、
適切に行えばほぼ同じ効果を出せるバリエーションを紹介する事で、
それら一連のバリエーションを全て「操体」と感じていただける
ようにしたいと思います。
■疑問点はぶつけてください。

タイプ1.ギュッ、パッ、ストン †
•さて、私が知っている一番古いというか、
ギュッ・パッ・ストンというイメージに近い仰向け膝倒しの操法は、
i.左右比較して楽なほうを見付けたら、
ii.逆の辛くなる手前の状態にして、
iii.そこから楽なほうに受け手の方に自力で動くように指示し、
iv.伝え手は受け手の方が動いて来るのに頑張って抵抗し、
v.受け手の方の動きが止まった処で数秒保った後
vi.「ハイ脱力」と指示するというものです。
◦辛いほうから楽なほうへ動きが変わるところで
抵抗する手の置き方を変えないと巧く出来ませんでした。
■そのためか、楽なほうが見つかったら
膝を真ん中に戻してから行うようになっていきました。
•このやり方の特徴を書き出してみます。
1.仰向け膝倒しと言う、
やりにくい動作そのものの逆の動作を受け手の方にしてもらう。
2.受け手の方が動かそうとしている膝そのものに対して伝え手が抵抗を掛ける。
3.適度な処で動かなくなった時にその姿勢で抵抗を掛けている時間は数秒。
この間を「タワメの間(マ)」と呼ぶ。
4.伝え手が脱力を指示する。

タイプ2.フワー・パッ・ストン †
•そのため、というか、主に
2.受け手の方が動かそうとしている膝そのものに対して伝え手が抵抗を掛ける
のため、
全身に連動させる事が出来ない方が沢山いました。
◦そのせいか、抵抗を掛けながら、
伝え手が「全身に連動させて」という指示を出すようになりました。
■このあたりは、
その全身に連動する様子を「フワー」と言う言葉で表現する事が多くなり、
擬音表現で言えば「フワー・パッ・ストン」と表現されるような形になりました。
•この形を操体だと思ってらっしゃる方が2番目に多いと思います。

筆者は「ギュッ・パッ・ストン」タイプは好きで無かった †
•実は、私は、
1970年代後半から80年代前半に東京付近で知られていた
「ギュッ・パッ・ストン」タイプの操体は、
あまり好きではありませんでした。
◦そのころまでに知っていた
ヨガや太極拳などの他の運動療法よりも気持ちよくなかった
からです。
■本に書かれている通りにやるよりも
少し動きを変形したり、
タワメの間を長くしたり、
脱力を殆どしないほうが
気持ちよかったりしました。
◦橋本敬三・翁先生の本は好きで読んでいて、
「考え方としては一番面白いのに、
 どうして実技は気持ちよくないのだろう」
  とずっと思っていました。
■でも、気になるので操体の本は集めていました。
•そして出会ったのが
三浦先生とコン先生が書かれ、マル先生がイラストを描かれた
『操体法治療室』(初版は栢樹社、現在は谷口書店)です。
◦読んで、
自分がやっていたような変形も操体では「あり」
なんだと解りました。
■「ラクな動きや本に書かれた動きと、
 気持ちよい動きが違っていたら、
 気持ちよいほうを選んで動きなさい」
  というメッセージが伝わってきました。
◦コン先生のほうが合うかなとも思ったのですが、仙台は遠いので、
三浦先生に手紙を書きました。
■そしたら、講習会に来てみないかと言うことで出掛けました。
20年近く前、80年代後半の事です。

タイプ3.フワー・ポワワン・パッ・ストン †
•さて、ここからは、
その後、達人の先生方がいろいろ工夫された領域に入ってきますので、
今でも操体を工夫し続けている達人の先生方に直接指導を受けた方以外には、
あまり知られていないかもしれません。
◦先ず一つ目は、
タワメの間が長いほうが気持ちよい
という受け手の方が沢山出てきました。
■たぶん、巧く全身に連動するようになったせいだと思われます。
◦それで、その時間を長くするようになったようです。
■擬音表現で言えば
「フワー・ポワワン・パッ・ストン」と表現されるような形です。

タイプ4.ふわーぽわわん・ふっくにゃぁ †
•次には、
タワメの間が長くなったせいか、受け手の方の中に
「パッ・ストン」という形の脱力を気持ちよく思わない
方が(特に、都市部では)沢山出てきたため、
「ふっ・くにゃぁ」という感じの脱力
でも良い事にせざるを得なくなったようです。
◦擬音表現で言えば
「ふわーぽわわん・ふっくにゃぁ」と表現されるような形です。
■カタカナ表記よりもひらがな表記のほうが似合うようになりました。
•面白い事に、
橋本敬三・翁先生が70年代中頃
ご自身で一人操体している際の
瞬間脱力が「ふっ・くにゃぁ」型でした。
◦その頃仙台NHKが取材・放送したビデオが残っています。
■三浦先生は
「橋本先生の瞬間脱力は
 何時(いつ)何処(どこ)でしているのか解らないぐらいだった」
とおっしゃっていました。

タイプ5.遠い処で抵抗 †
•その次の変更は、
声を掛けるだけでは全身に連動出来ない方も多かったので、
動かしている膝に対して遠い処で抵抗を掛けるようにした事です。
◦こうすると、
全身に連動しようと思わなくても自然に全身を使った操体になる
からです。
•倒れていくのと反対側の腕を使って抵抗を掛けました。
◦膝が左に倒れていく場合には、右手。
◦腕の置き方によって、やり方が少しづつ違いますが、ようするに、
膝を倒すのと逆モーメントの動きが胴体部分に起きるような動き
を腕に作れば良いのです。
■腕を腰と反対方向(上)に伸ばしている場合には、
小指を甲側に捻る動きが抵抗になります。

次回は、「ラクな姿勢をちょっと強調する」までのバリエーション †
•さて、私が習ったのはここまでだったと思います。
◦同時に
皮膚をズラすという方法でも気持ちよさを感じてもらえる
事も習いました。
■そういえば、
私が最初に三浦先生に習った講習会のコースで、
三浦先生は始めて皮膚をズラすという方法
(三浦先生は「渦状波」と呼んでられました)
を教えたそうです。
•次回は、そういう習った事から、
今、私がしている「ラクな姿勢をちょっと強調する」までのバリエーション
を展開してみます。

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