和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

動きからカワや重さへ

はじめに †
•前回は、動きの操体の新旧比較をしてみました。
•今回は、そこからカワや重さの操体までのバリエーションを紹介します。

動きからカワへのバリエーション †

タイプ6.自力と抵抗を逆に †
•受け手の方に膝を倒してもらい、
伝え手が手首を捻って抵抗する形は、
受け手の方の負担が大きい事に気が付きました。
◦足が重いので、
充分気持ちよさが味わえるまで続けられない
と言われました。
■膝を適度な角度に保つ姿勢を維持するには、
それだけで大きな力が必要なためです。
•それで、
膝を倒すほうを伝え手がして、
受け手の方には手首を捻るほうをしてもらったら、
みなさん絶対こっちのほうが気持ちよいと言いました。
◦これでも、
タワメの間(マ)での体全体の格好はおなじになるからです。
◦ただ、操者のほうも重い足を動かし、
長い時間一定の位置に保持するのは大変でした。
■気持ち良さが感じられるほどタワメの間が長くなる傾向にあるため
だと思われます。

タイプ7.大腿を床に倒してから †
•それで、
先ず膝を楽なほうに倒してもらい、その時に
胴体と脚の角度が開きすぎて無理な格好にならないように
上半身を浮かすように動かしてもらいました。
◦つまり、
タワメの間の時の胴体と脚の捻れる角度が
仰向けで膝倒している場合と、同じになるようにしたわけです。
■一番気持ちの良い膝を倒す角度はそのままで、
床に背中がついた仰向けの姿勢から
倒れていくほうの大腿の横側が床に着く格好になってもらったわけです。
•その姿勢で、
膝が浮き上がって来ないように伝え手が押さえ、
受け手の方に手首を捻ってもらいました。
◦受け手の方は倒れていくほうと反対側に
腕を伸ばしているだけでも結構効果がある事もわかりました。
■受け手の方も伝え手も共に楽で、
長い時間気持ち良さの味わえるバリエーションが出来ました。
•倒した脚の大腿部に布団を畳んで乗せれば、
一人操体としても愉しめます。

タイプ7-2.座布団を積んで †
•背中が床に着いているほうが安心できるという方に対しては、
布団などを畳んだ物を膝が倒れていく側に
気持ちの良い角度の分だけ積んでしまうと、
やりやすい事もわかりました。
◦でも、比較すると、
横向き寝に近い格好、つまり
背中上部を浮かせてしまうほうが気持ちよい
という方が多かったです。

タイプ8.押す代わりに皮膚をズラす †
•大腿を押すバリエーションをしているうちに、
大腿を浮かないように床に押しつけるよりも、
腰と大腿の境目付近の皮膚を膝方向にずらしたほうが気持ちよい
という受け手の方が多い事に気が付きました。
◦これでも
受け手の方が作る腕の動きに対して逆モーメントの抵抗になっている
事がわかりました。
•そして、私はこの時に
カワの操体が生まれた理由(わけ)を納得できました。
◦動きやすい方向に動かす事と、
皮膚をズレやすい方向にズラす事を比較してみると、
どちらをしても、
タワメの間の姿勢を中心に考えれば
同じモーメントの動きが受け手の方の体に生まれてくる
事に気が付いたわけです。

タイプ9.抵抗も皮膚ズラしで †
•受け手の方が動かしている腕のほうも
皮膚をズラすのに変えたらどうかなと思い、
空いているもう一方の手で
肩付近の皮膚を、大腿の皮膚と逆モーメントになる方向に、
ズラしてみました。
◦受け手の方の口から
「これは気持ちよい」という声が返ってきました。

タイプ10.重さの操体として見ると †
•このやり方をしばらく続けているうちに、このやり方は、
i.下半身の重さを腹側に移し、
ii.上半身の重さを背中側に移している
 事にもなるなと思い、
中腰尻振り運動などが操体の中にあるのも納得できました。
◦先程書いた、
受け手の方が
腕を膝が倒れていくほうと反対側に
腕を伸ばしていくだけでも効果が出るのも、
腕の重さを利用して膝が倒れていく事に抵抗している
のだなと思いました。

どの操体にも、動き、カワ、重さのバリエーションがある †
•そうして、
どの操体操法も、
i.関節筋肉を動かす形、
ii.皮膚をズラす形、
iii.重さを移す形に変化させる
 事が出来るようになりました。
◦その時その場で、
受け手の方が気持ちの良いもの、
イメージしやすいもの
を選んでいけば良いのだなと納得しました。

歪みの酷い方は先ず横向き寝で †
いろいろな方に操体をしているうちに、
歪みが酷くなるほど、症状が辛くなるほど、
横向き寝で寝るのがラクな方が多くなるのに気が付きました。

•それで、私は、今、
横向き寝がラクな人に対しては、その格好のままで、
腰付近と肩付近の皮膚をズラしやすい方向にズラしてみる
事を最初に行うようになりました。
◦その部分をしばらくズラしてみて
息が深くなるかどうか見守ります。
■言葉が通じる方に対しては、息が深くなった時点で気持ちよさを聞きます。
◦もちろん、ズレ具合によっては、
 仰向け膝倒しと違う操体操法のバリエーションになってしまう
 事もありますが、長くなるので、後で、
 姿勢ごとの操体の具体的なやり方を書く時に説明します。

皮膚ズラしとシーソーバランス †
•そして、皮膚をズラしながら、
受け手の方の上半身と下半身の重さの移り具合を両手に感じて、
シーソーや天秤(てんびん)のバランスを取るように、
その時その場の患者さんの体の状況に合わせて、
ズラし具合や向きをリアルタイム(即時即応)で調節
するようになりました。
◦重さの操体という見方を思いついたので、
皮膚をズラしたり、筋肉を動かしたりしている時でも、
微妙なバランスを取りやすくなったように思います。
■いつも重さを意識の片隅においておく事で、
タワメの間(マ)で、
二つの互いに逆モーメントの動きの極僅(ごくわず)かな変化感じて、
受け手の方の体の望みにちょうど良く合わせていく
事が以前より出来るようになりました。
◦ヤジロベエがバランスを取って動くように、
モビールが風に吹かれてゆっくり動いていくように。

体の発する止め時の信号 †
•また、こうしていると、
もうその操体を止めても良いと受け手の方の体が感じ始めたサイン
も見付けやすいです。
◦受け手の方の体が姿勢を変えたがるような動きを見せたら、
たいてい止め時です。
■それは、それまでの
ヤジロベエがバランスを取るような、
モビールが風に吹かれて動くような動き
とは全く別の種類の動きです。
•ただ、
実際の人の動きはヤジロベエやモビールよりもダイナミックで、
終わったと思った時点から次の操体への動きが始まっていく方もいますし、
一つのタワメの間の時のバランスを取る動きも、
弾力に富んだ生き物らしいダイナミック動きを伴ったものになる方も多いです。

タワメの間には、必ず、逆向きの同じ大きさの力が働く †
ついでに書いておきますが、
互いに逆向きの同じ大きさの力が働くから、
「タワメの間(マ)」が出来るわけです。

•片一方の力だけ働くとしたら、
「タワメの間(マ)」は生まれず、
体は動き続けてしまいます。
◦一方の力だけに思える時にも反対向きの力は必ず存在します。
■体の重さや倒れまいとする動きが逆向きの力の時には
意識されにくいだけです。

次回はタイプ別向き不向き †
•さて、
「ギュ・パッ・ストン」型から
「その時楽な寝方を強調するように皮膚をズラす」形や
「重さを移してみる」形まで、
同じ操体という言葉で呼ばれる事を納得していただけましたでしょうか?
◦タワメの間(マ)を中心にして、
互いに方向が逆で大きさがほぼ同じ力が
ヤジロベエのように少しづつ動きながらバランスを取っている
イメージを心に思い浮かべられれば、
一つの操体から、いろいろなバリエーションを作っていく事が可能です。
■納得できない方は疑問点を書き込んでください。
•次回からは、
いろいろなタイプにおける手段の違いを通して、
操体の自然則を説明していきます。

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