和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

中焦:水毒の病

基本的に †
•中焦の病は、体の内側の横隔膜より下、臍より上に主症状やツボが出る病で、
消化器系ともいえます。
•水毒によることが多い
1.足の陰経(特に、太陰経)や、
2.横輪切りの背中の愈穴などに引きやすいく(とくに、胸椎の7,9,11の高さ)、
3.症状付近の大腹にも出ます。

中焦の水毒による病が増えている †
•2000年以降、中焦の水毒から発生した邪気が上焦・表位の病の原因となる例
が非常に多いです。
i.肩腕指にピリピリビリビリするシビれ感を訴える方が一番多いですが、
ii.慢性的な頭痛や眩暈などもありました。
iii.狭心症を疑われ検査したが正常という方が、
左大腹の水毒を減らす治療で良くなった例もあります。
iv.線維筋痛症の方の発症時のようすと似ている例も多かったです。

腹診での見分け方 †
•中焦に水毒がたまっている場合には、中焦である大腹にもシコりが出ますが、
肋骨下部を押してもパンパンに張っていて弾力が無いことでもわかります。
胸脇苦満とよばれる腹症です。左右差がある場合が多いです。

卒中の原因になることもある †
•中焦が水毒により硬くなっていると、
下焦の悪血や中焦の水毒より発生した邪気が上昇できずにたまってしまいます。
◦たまった邪気が限界をこえ鉄砲水のように上衝すると、
卒中とよばれる事態をまねきます。
■心下とよばれる横隔膜の腹側が硬かったり(心下痞)、
脇腹の左右差が目立つときは、そうなりやすいので注意が必要です。

その他の注意点 †
•消化器系の病で器官の変性をともなわないときには、
左中焦のガス停滞をなくすとなおることが多いです。
•また、肩頚の水毒はコり、内耳の水毒は耳鳴り・眩暈、上焦の水毒は咳・痰
の原因となります。
◦それぞれ、主症状に関係する治療のほかに、
中焦の水毒をへらす治療を加えたほうが経過が良いことが多いです。
•下半身の浮腫は、小腹(下焦)や足厥陰経(少陰経)との関連が深く、
下半身の冷えや発汗不足などの原因で、
中焦の水毒がひどくなくても発生することがあります。

ツボが出やすいところやねらい目 †

足の陰経 †
•慢性期には、膝ちかくの陰陵泉や大腿部に出ます。
•急性期には、足首より先、商丘、公孫に出ていることが多く
接触鍼なら陰白を使います。
◦灸なら節紋、裏内庭、第2指裏横紋など親指2指そばのツボを使います。
•地機、漏谷は、急性慢性どちらにも使います。
•すこしずつ、上下左右にずれることもあり、ほかの足の陰経にも出ることもあります。

足の陽経 †
•腹の表面のシコりは、足陽明から少陽に引けます。
下腿、足甲を使うことが多いです。
◦灸なら足指のツボも使います。
◦慢性期には、伏兎~梁丘、風市など大腿部にもツボが出ます。
◦腹のツボが、上肓愈など正中線ちかくのときには脛骨のすぐ脇に出ていて、
章門など横腹ちかくのときには豊隆のラインや足少陽に出ていることが多いです。
•下半身の冷えが関係するときは、足甲3,4間にツボが出ていることが多く、
補の灸でじっくり暖めます。患者さん自身で温灸をしてもらうのもよいでしょう。

陽位(背) †
•まず、胸椎7,9,11の1,2行線、督脈、華陀経で、
昔から「胃の六灸」とよばれているあたりです。
◦慢性期には、その中でも華陀経、つまり、背骨のすぐ脇に出ていることが多いです。
■また、すこし下で外よりの胸椎12~腰椎2のラインで脊柱起立筋の一番外側の
痞根にツボが出ていることが多いです。
•精神的な要因があるときには、
すこし上の頚肩、肩甲間の督脈・華陀経にツボが出ているがあります。

腹部 †
•肋骨下の不容、章門、任脈の中完、臍まわりやその横の天枢ちかく
に出ていることが多いです。
◦慢性期には、横腹の章門、臍まわりの上肓愈に出ていることが多くなります。

そのほか †
•手の陰経、中でも厥陰経に出やすいです。
◦慢性期には上曲沢。急性期には内関。

手順 †

慢性期 †
•ツボを考慮して慢性期の型の順で刺鍼します。
◦はじめに刺鍼する手の陰経のツボは上曲沢のことが多いです。
◦冷えて虚しているところや華陀経などにある古いツボに灸・灸頭鍼をし
手の指端の灸で仕上げます。
•灸や灸頭鍼と置鍼を組み合わせてもよいです。
◦手の骨空ではじめ、座位、うつ伏せ、仰向けの順で、ツボを選び、施術し、
手指端の灸で終え仕上げます。
■灸頭鍼は古いツボに効きます。
■腹への灸は、腹の邪毒の状態で可否を判断します。
邪毒実することが顕著で炎症性の熱感が強いときは、
避けたほうが良いことも多くなります。

応急処置 †
•内関に引き、足太陰~足陽経~背の順で引き、頭に散鍼し手の甲で終える
のが基本です。
◦はじめや途中で表位に症状が出ていれば、そのつど、手甲など手の陽経に引き、
背に引いたあとで肩頚に症状が出たら、肩頚に刺鍼します。
◦体を前に曲げて耐えているときは、背中側の一番出っ張ったあたりに引く
ことが有効な場合が多いです。
•症状が軽いときは、慢性期の手順で灸をしてもよく、子供の腹痛などに向きます。
•急性期は慎重にします。
◦処置後数時間以内に痛みが復活するときは、
器官破壊などをうたがい、救急医療と連携してください。
■症状が激しい場合には、
手を出さずに救急医療と連携したほうがよいことも多いです。
•急性期は内科系急性期で練習します。

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