和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

上焦:邪気の病

基本的に †

体の内側の横隔膜より上に主症状やツボが出る †
•上焦の病は、体の内側の横隔膜より上に主症状やツボが出る病で、
呼吸循環器系とも言えます。
•邪気に因る事が多く、手の陰経に引きやすいです。
◦また、横輪切りの背中の横隔膜より上にもツボが出ます。
■症状付近の胸側にも出ます。
◦中焦の水毒や下焦の悪血・虚等が原因の事が多く、
その時は、腹や、足の陰経・陽経、横隔膜から下の背中側にもツボが出ます。
■また、上焦の下部に水毒が溜まる事があり、咳や痰の原因になります。

ツボが出やすい所や狙い目 †

手の陰経 †
•まずは、手の陰経から。
◦触診してみて檀中付近より上の症状は手太陰、
◦檀中付近から下の症状は手厥陰に出やすいです。
◦胸郭内部背中側の症状は手少陰に出やすく、
特にその左側には心臓関連のツボが出やすくなります。
•急性症状が出ている時には、
鍼では手首付近を使います(手の平は痛いので)。
◦咳なら列缺、吐き気なら内関、不整脈なら左陰げき
 付近に出ている事が多いです。
◦灸では、手のひらや指のツボも使います
(労宮、裏合谷、親指関節横紋橈側など)。
•症状が長引いている場合、慢性症状の時には、
肘付近の上腕寄りにも出ます。
◦長引く咳には上尺沢、
◦檀中より下の症状の時や中下焦が原因の時は上曲沢に出ている
 事が多いです。

背中(陽位) †
•背中側の横隔膜より上の1,2,3行線、督脈、華陀経に出ます。
◦慢性期には、2,3行線や督脈・華陀経に良く出ます。
■特に、古いツボは、
筋肉の厚い処、華陀経や肩胛骨周りにでる事が多くなります。
•呼吸器系では肩胛骨の上半分に多く、
長期に渡る呼吸器系の病では、肩胛骨周り外側の肩貞に出る事が多いです。
•心臓系では左肩胛骨の下半分、特に、下角付近に出ます。
•また、水毒や悪血が原因している場合には、
横隔膜より下にも出ます。
◦中焦の水毒が原因の時は、
胸椎7,9,11ラインの1,2,3行線・督脈・華陀経や痞根に出やすく、
◦下焦の悪血や虚が原因の時は、
腰椎3~仙骨の1,2,3行線・督脈・華陀経や腰徹腹に出やすいです。
•この場合にも、病が長引いている場合の古いツボは、
筋肉の厚みの関係から、
胸椎7,9,11ラインでは華陀経に出やすく、
肋骨の無い処では脊柱起立筋外側の痞根、腰徹腹に出やすくなります。

胸腹部 †
•胸腹部の症状の表面付近にも出ます。
◦呼吸器系では中府、檀中と、
それを結ぶ斜め線上で、肋骨を1本上がる事に外寄りに出ます。
◦循環器系では左肋骨間で特に下よりに出ている事が多いです。
•水毒や悪血が原因している場合には、腹部にも出ます。
◦水毒が原因の時は中完、章門、
◦悪血が原因の時は水道や五枢維道の辺り、
◦下腹の虚・冷が原因の時は関元に出やすくなります。

足の陰経 †
•中下焦に原因のある時は足の陰経にも出ます。
◦下腹の虚・冷の時には照海、
◦水毒が原因の時は、地機、節紋(灸)、
◦悪血が原因の時は、蠡溝、中封に出ている事が多いです。
•慢性期には、足の大腿部にも出やすくなります。
◦詳しくは、「中焦の病」、「下焦の病」を参照してください。

その他 †
•腹の表面や背中の痼りの関係から足陽経に出ている事もあります。
•手陰経のツボの表側の陽経に出る事も多いです。
•下半身の冷えを伴う場合には、足の甲3,4間(灸)が効きます。

手順 †
•急性期は慎重に。
◦救急医療と連携も考慮に入れて下さい。
■見極めが大事になります。

慢性期 †
•急性期でもその時点で症状が激しくない場合には、
この方法で行う事が多いです。
◦基本的には、ツボを考慮して慢性期の型の順で刺鍼。
■ただ、既に表位に症状が出ている場合には、
先ず手甲の合谷などに引き鍼します。
■また、胸上部から鎖骨喉にかけてツボが出ている事が多いので
肩頚の後に刺鍼し、
それから仕上げの頭散鍼・手甲引き鍼に移ります。
◦必要に応じて、
窪んだり冷えたり虚したりしている処や
華陀経などにある古いツボに灸・灸頭鍼をし
手の指端の灸で終えます。
•灸や灸頭鍼と置鍼を組み合わせても良いです。
◦うつ伏せで手陰経肘付近,背上部を灸した後、
仰向けで胸付近を灸し、
手指端の灸で終えます。
■手指端は目覚ましなので施灸後寝られる時は省略します。
■表位の症状がある時や原因が水毒・悪血の場合には、
それぞれのツボを付け加え
座位→俯せ→仰向けの順で上から下に施灸します。   

応急処置 †
•手甲に引き、
手陰経の手首付近に引き、
背に引き、
頭に散鍼し手の甲で終えるのが基本です。
◦邪気の動きが早いので、刺鍼は早め早めにします。
■始めに表位に症状があれば、
最初に手の甲に引き、
途中で表位に症状が出たら、手の陽経に引きます。
■背に引いた後肩頚に症状が出たら、
肩頚に刺鍼します。
◦中焦下焦に原因が予想される時には、
背に引いた後で、
足陰経足陽経の順でツボを探し刺鍼します。
•詳しくは、[5-8] 上焦の急性症状で行います。

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