和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

ツボの出やすい処

はじめに †
•さて、前回まで数回、体の負荷を分担する仕組みとして、
ツボのいろいろな出方を書いてきました。
◦その内容を治療中に思い浮かべられれば、
患者さんの訴えや症状から、ツボの出ていそうな場所を、だいたい見当をつけられる
と思います。痼りの在りそうな場所もだいたい見付けられると思います。
•今回は、その先、
だいたいの場所が解った後、ツボの出ている場所をはっきり特定する方法
について書いていきます。
•人間の動きや体の構造上でツボが出やすい処は、或る程度、決まっています。
そして、歪みが大きくなった場合に古い歪みが出やすい場所もだいたい決まっています。
◦先ずは、ツボがどんな場所に出やすいか、その辺りの体の構造の特徴から。
◦慣れていない方にも解りやすくするために、
患者さんの体に触れた経験の長い方には当たり前と思える事も書いていきます。

ツボは筋肉と筋肉の間の溝に多い †
•先ず、一番目の特徴は、ツボは筋肉と筋肉の間の溝に沿って出ている場合が多いです。
◦表面の皮膚が厚かったり皮下脂肪が多いと少し難しくなりますが、
付近を筋肉の走る方向を横断する形で触ってみると解りやすくなります。
◦歪みが古い場合には、見た目にも凹んで見える事が多いです。
◦そういう筋肉間の溝は、首や胴体や腕、足の股(もも)や臑(すね)など、
太い筋肉が在る場所に良く見られます。
•そういう筋肉間の溝の中でもツボが出ている事が多いのは、
関節周りの骨の、首のようにくびれた部分の近くです。
◦骨の形は、一般的には、両端の部分が丸く太くなっていて真ん中は細い棒状というものです。
■マンガ等で犬がくわえている骨の形です。
■両端の太い部分は隣の骨と関節を作っていて、その部分には大きな筋肉は付いていない事が殆どです。
◦その太い部分が終わって細くなり始めた部分に良くツボが出ます。
■それは、その骨に筋肉が付く部分でもある事が多いです。
■解剖学的には「筋の起始停止」と呼ばれる処です。
■そこにツボが出やすいのは、きっと、負荷がかかりやすいからだなと思います。
◦と言っても、その上には他の筋肉が覆い被さっている場合が多いですが。
◦鶏のもも肉などを1本丸ごと食べる時に良く観察してみてください。
•この筋肉と筋肉の間、特に、その中でも関節近くにあるものが、ツボとしても大きいので、
カワの操体など手技療法で一番多く使われます。
◦有名な足の三里や膝裏の痼りもこのタイプです。

骨などの直ぐ傍(そば) †
•骨際、お臍や乳房の裾野周り、手術痕の周りなどにも出やすいです。

骨の際(きわ) †
•筋肉間の溝の次に多いのは、骨の際(きわ)というか、骨の直ぐ傍(そば)です。
◦頭の方から行くと、
目の周りの骨に指を押しつけるように押すと目の悪い方は痛い処があるでしょう。
◦顎の骨と頭の骨の間とか、頭の後ろの骨の首側(後頭骨下縁)、背骨の両脇、
◦肩胛骨の周り、鎖骨の首側、一番お腹や腰に近い肋骨の下側、骨盤の上側、
◦腰骨のお腹側、臑(すね)の骨の両脇、内踝や外踝の周り、踵の骨の上側など。
◦ここでの上下は、頭のほうを上、足先のほうを下にしています。

臍周り、乳房の裾野、手術痕の周り †
•このタイプに良く似ているのが、お臍の周りと女性の乳房の裾野周りに出るツボです。
•手術痕や古傷の周りに出るのも、似たタイプかなと思います。
•これらもみんな負荷が掛かりやすい場所という共通点があります。

骨と骨の間 †
•手や足の甲などでは、骨と骨の間に出ます。
◦ですから、手足の甲のツボを指定する時に「手の甲4,5間」などと表現します。
■これは「手の甲の薬指に繋がる骨と小指に繋がる骨の間にあるツボ」という意味です。
•手足の甲以外では、頭の頭蓋骨の上のツボもこのタイプが多いです。
◦大人になると一つのヘルメットのように繋がっていますが、
赤ちゃんの頃は分かれていた境目の処です。
•また、肋骨のある処では、肋骨と肋骨の間に出ている事もあります。
•背骨と背骨の境目や、骨盤を形作る仙骨と蝶骨の間(境目)付近にも出ます。

骨の上 †
•骨関係では、あと、骨の上の窪みにもツボが出ます。
◦有名なのは、臑(すね)の「弁慶の泣き所」と呼ばれる、
筋肉が殆ど付いていない部分に二つ(中都、蠡溝)と
◦胸の胸骨の中央付近(檀中)にあります。
◦この3つとも古くなると見た目にも凹んで見える場合が多いです。
■「弁慶の泣き所」に在る2つのツボは骨の中に血管や神経が入っていく穴の処なんだそうです。

指先を使って †
•この骨周りの二つ、骨と骨の間と骨の上の窪みに出るツボは、
手で行う治療の時には指先で使います。
•カワの操体でも指先で行いますが、結構効果が出て驚く事も多いです。

指周りと耳のツボ、細かいです †

指のツボ †
•あと、もう少し細かいツボだと、手足の指周りにもツボがでます。
◦先ず、指と指の間の水掻き状部分、
◦指の関節部の手のひら・足の裏側の皺(しわ)の両端、
◦爪の根本などです。
•この辺りは指というか手技で使う一番末端のツボです。
◦三浦先生は渦状波(三浦先生風カワ操体)で指の皺の端を良く使ってらっしゃいました。
•お灸だと、もう少し細かい、
◦指関節の甲側の中央部の窪みや、
◦指の先端の爪との境目の中央付近や、
◦爪の上なども使いますが、
■手技だと、あまり使われないようです。
このあいだ、操体掲示板に、爪をカワの操体風に動かしてみるという報告が有りましたが、珍しい例だと思います。
•こういう指周りのツボは、経験上、
急性症状を取りあえず少なくする応急処置に使うと効果があるように思います。

耳のツボ †
•鍼の世界では、耳のツボも使いますが、
◦これは大変小さくて1mmずれても効かない事があるので、指では使いにくいです。
◦耳たぶを抓んだり、耳殻(耳の外に出ている部分)の硬い所を抓んで、
いろいろな方向引っ張るという形では使えます。
◦両手で両耳を引っ張ると頭の中に変化が起こっているような感じがするのが面白いです。

筋肉が太い所には少し離れた所でもツボが出る †
•もう一つ面白いのは、
筋肉の大きい部分には少しずれていてもツボが出る事がある事です。
◦目の悪い方には、「顎の付け根」と「耳の下の骨」の間にツボが良く出ますが、
■ここは、目の横輪切りのラインからは少しズレています。
■目の横輪切りライン上には大きな筋肉がないので、
一番近い太い筋肉のある此処の部分に負荷が掛かりやすいせいかなと思います。
◦次男が赤ちゃんの頃、酸素ボンベをつけていた時に一番反応した
胸の、腕の付け根より(中府)も、
お腹側で肺の在る部分では一番筋肉の厚みのある処です。
•縦切り、横輪切り、左右・上下・前後、対角などを基準にツボ探しをする際に、
この辺りも頭の隅に思い浮かべられると、
出ているツボが見付けやすいかもしれません。
•この太い筋肉に出やすいという事は、お腹や背中のツボの出方にも現れます。
◦体に歪みが出始めた時に背中側で始めにツボが出るのは、
背中の筋肉(脊柱起立筋)の一番太い処です。
■しかし、歪みが古くなってくると、横にずれていきます。
■慢性症状を抱えた方などでは、
背骨の直ぐ脇(わき)(つまり正中腺のそば)と
脊柱起立筋の一番外側(つまり体の側面に近い部分)に出ている事が多くなります。
■これは、最初は負荷を筋肉の一番太い処で支えようとするのだが、
だんだん其処だけでは支えきれなくなるからだと思います。
◦同じ様な現象はお腹でも見られ、
■始めはお腹の臍(正中腺)と脇腹の中間のライン付近にツボが出るのですが、
■古くなると、臍周りと脇腹近くの肋骨下縁や腰骨のお腹側に出ます。

次回は、いよいよ、ツボの探し方 †
• 今回は、ツボが出やすい部分の解剖学的特徴について、主に書きました。
•次回は探し方に入り、ツボになっている部分の皮膚や筋肉の状態からツボ探しのコツを書いていきます。
◦今回の話でも何回も出ていますが、
その辺りで一番凹んでいる場所を探すのがコツなのです。
■ツボの出ている付近がどうして窪んでいるかも含めて次回詳しく書きます。

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