和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

タワメの間の姿勢と操体の焦点

タワメの間から焦点を予測する †
•先回は、操体操法は、
背骨に伝わる動きが近い物は似たような効果が出る、特に、
◦手足で左右差がある動作制限に対しては、
やりやすいほうを少し強調するとやりにくかったほうが改善する
 という事を書きました。
•今回は、その続きとして、
操体の操法をして、
ある特定のタワメの間になった時に、
背骨のどの辺りに伝わるか、
胴体のどの辺りに効いているかを予想する
方法について書いていきます。
◦結論から先に書くと、基本的には、
あるタワメの間の姿勢になった時に、
その操体操法で主に動かしている手足の、
上腕・大腿から胴体に働いている力の方向に、
その時に体が操体の効果を出したがっている処があります。
■単純な動作の場合には、
上腕・大腿の延長線上か、または、
延長線と直角で手足の付け根を通る直線の延長上になりますし、
■胴体に捻れる力が加わっている場合には、
その二つのラインに平行なラインも候補になります。

上腕・大腿の延長線上に焦点はある †
•詳しく説明していきます。
•タワメの間で、
主に動かしている手足の上腕・大腿部の長いほう、というか、
上腕骨、大腿骨と同じ方向、言い換えれば、
胴体から肘・膝までのラインに沿う方向に
力が加わわって入る状態なら、つまり、
その方向に伸ばしたり縮めたり、また、
それと同じ方向の皮膚ズラしをしたりしていれば、
その延長線上に効果が現れる可能性が高くなります。
◦簡単な例ですと、
手を頭の上のほうに伸ばしている場合です。
■この場合には、
その伸ばしている腕の上腕部中央のラインを
そのまま胴体の方に延長したライン上に、
その時に体が操体の効果を出したがっている処がある
可能性が高いわけです。

上腕・大腿と直行するラインも候補になる †
•そして、タワメの間で、
主に動かしている手足の上腕・大腿、つまり、
胴体から肘・膝までのラインに
垂直な方向に力が加わっているなら、
手足の付け根を通る、
その垂直なラインと平行な延長線上に効果が現れる
可能性が高くなります。
◦例えば、
上腕に左右捻転の力が加わっている場合や
膝倒しの場合になります。
•こういう現象が成り立つのは、
骨に沿う形で伸縮させる運動の向きと、
捻転運動の向きが基本的に直角に交わる事から来ています。
◦膝倒しの場合には、
骨盤を捻る動きが生まれる事から来ています。

腕垂らし手首捻転の場合 †
•簡単な例では、
腕などを垂らした状態などで
手首を捻転している場合に当たります。
◦捻転運動の力の向きは
腕を伸ばした状態では
上腕部の骨と直角になる方向です。
■それで、その場合には、
肩から垂らし伸ばした腕と、
肩を起点に直角の方向の胴体部分に、
その時に体が操体の効果を出したがっている処が在る
可能性が高いわけです。

膝倒しの抵抗は、上腕の延長と直行の二つのラインが候補になる †
•上記の二つの腕の動きの例、つまり、
腕を上に伸ばす動きと垂らした腕を捻る動きは、
仰向け膝倒しで倒れていく膝に対して、
倒れていくほうと反対側の腕で抵抗を作る場合に
よく使われる事の多い動きです。
◦腕を伸ばすほうを詳しく書くと、
倒れていく膝の大腿部と平行で逆向きの方向に、つまり、
腕を肩より少し斜めに上げたほうに
腕を伸ばして抵抗を作るやり方です。
◦また、捻転のほうは、
一つ目のやり方と丁度直角に上腕部がなるように
腕を肩より下げて、
小指側が手平側に回転する方向に手首を捻転させるやり方です。
•この二つの場合には、
捻転と伸展の両方を使う場合が多いですが、
i.一つ目の場合には、
先ず手首を捻転させて極めた状態にしてから
伸ばしたほうが効果が出やすいですし、
ii.二つ目の場合には、
先ず腕を軽く伸ばし極めてから
手首を捻転させます。
•捻ってから伸ばすか、
伸ばしてから捻るかの違いで、
どちらも後のほうの動きが胴体に伝わります。
◦どちらも似たような効果を上げますが、
どちらがより効果を上げるか、
受け手の方が気持ち良さを感じられるかは、
受け手の方の体の状態によって異なって来ます。

延長と直行に平行なラインも候補になる †
•さて、胴体に捻転の力が加わる場合には、
上腕や大腿をそのまま延長するラインと
それらと直行するライン、
その二つのラインの組み合わさった力以外にも、
それらと平行なラインにも、
体がその時に効果を及ぼしたがっている処がある
可能性が有ります。
◦例えば、
仰向け膝倒しの場合には、
大腿に直行するライン上の力も胴体に働きますが、
胴体を捻れる力も生まれ働きます。

螺旋的な力の変わり目も候補になる †
•胴体に対して大腿と垂直なラインを中心に
胴体を膝の倒れていく方向、つまり
大腿と平行の方向に捻る力、
ネジ(螺子)のような螺旋を描く力が働いています。
◦この螺旋的な力の場合には、
必ず何処か途中で反対向きに作用する螺旋的な力が有り、
その向きの変わり目のライン上に
体がその時に操体を効かせがっている処があります。
■二つの反対向きの螺旋の力が交わる
変わり目のラインに一番力が働くからです。
◦反対向きの螺旋の力が必ず有るのは、
無いとタワメの間が出来ないからです。

仰向け膝倒しと螺旋的な力 †
•仰向け膝倒しの場合の反対向きの力は、
先に書いたように倒れていく反対側の腕で作りますが、
腕を上げた状態の場合も下げた状態の場合も
作り出す力の方向は大腿と平行で向きが反対になります。そして、
◦大腿のラインと腕の作る力のラインの間、
腹から腰にかけての肋骨・骨盤の無い腰椎の辺りが
反対向きの螺旋の力の変わり目になる事が多くなります。
■雑巾を絞った時を思い出してください。そして、
■その時に体が仰向け膝倒しを効かせたがっている
変わり目のラインは、大腿とほぼ平行になります。

仰向け膝倒しとほぼ同じ効果の横着カワ操体 †
•ですから、
仰向け膝倒しで体を捻るタワメの間が気持ちよい場合と
ほぼ同じ効果を上げるカワの操体のバリエーションとして、
一番横着というか、伝え手の動きの少ないものは、
楽なほうを上にした横向き寝になっていただいた受け手の方の
脇腹の皮膚を、
骨盤に近いほうはお腹側にズラし、
肋骨に近いほうは背中側にズラすという形です。
◦やってみた事が無かったら野次馬してみてください。
■結構気持ちよいと言って下さる方が多いです。

体が操体を効かせたがっているポイントを予測する †

延長か直行か平行か先に胴体があるライン上に焦点はある †
•このように、
タワメの間で主に動かしている手足の
大腿や上腕の位置をみていくと、
だいたいその時に
体がその操体を効かせたがっている辺りに見当を付ける
 事ができます。
◦それらの延長か
それらと直行するラインを先ず思い浮かべれば良いわけです。
•それに、延長方向にしても直角方向にしても、
そのラインを伸ばしていった先に胴体部分がないと
効果が出る処がない事になりますから、
どちらかラインを伸ばした先に胴体部分があるほうが
効果を上げている方向になります。
■言い方を変えれば、
大腿と上腕の向きをそのまま延長したラインと
それに垂直なライン、そして
それら二つに平行なラインを参考にしながら、
その操体で力が胴体にどう働いているかを見ていけば、
力の働くラインとその延長上に
体がその時に治したがっている処がある
 可能性が高いわけです。

手足の二つの方向からポイントが決まってくる †
•また、
そのタワメの間を作るのに手足の両方が関わっていれば、
胴体部のどの辺りに効果を及ぼしているか
見当を付ける事が出来ます。
◦手足の動きが作りだしている
二つラインが交差する辺りになるからです。
i.胴体に捻れを生み出す力が働いてない時には、
大腿や上腕から力が伝わるラインの延長に、直接、
体が効かせたがっている処が在る可能性が高いですし、
ii.胴体にねじれを生む力が加わっている時には、
その力の働く直接延長のラインの他に、
ねじれを生む二つの螺旋の力が働いて出来る変わり目の辺りにも、
体が効かせたがっている処がある可能性が高くなるわけです。
■伝わったかなぁ。
解りにくい所があったら質問してください。

仰向け足のばしの場合に、どこに効かせたがっているか †
•こういう予測が成り立ちやすい例は、
今まで挙げた以外にも沢山あります。
•例えば、
足の踵を突き出したりとか、
足を伸ばすのが気持ちよいという場合でも、
床にほぼ平行に伸ばしたい時と、
床から40cm位高い処に伸ばしたい時とでは、
受け手の方の体が、
その操体操法で焦点を当ててもらいたがっている場所が異なります。
i.ほぼ平行な時には
肩など上半身の調子が悪い時が多く、
ii.高い時には
腰など下半身の調子が悪い時が多くなります。
■上半身の場合には、
伸ばそうとしている足の大腿部のラインを延長していけば、
右肩が悪いか左肩が悪いかもほぼ解ります。
◦高さだけでなく、
伸ばそうとしている方向の全体の向き、
言い換えれば
大腿骨を天から見た場合の方向の延長線上に、
治したがっているほうの肩が在りますから。
■つまり、
先ほどは床と大腿の角度を見ていたのですが、
今度は背骨と大腿の角度を見るわけです。

似た効果の操体の中から、その時の患者さんの体に合ったものを選ぶ †
•先回の
「背骨に伝わる動きが同じ操体は似たような効果」
という自然則を使う時にも、
今回の
「タワメの間の姿勢で
 大腿・上腕の延長上か直行する方向を中心に、
 その操体で胴体に働く力の方向を見ていけば、
 その方向の延長線上に
 その時行っている操体操法の焦点がある」
という自然則を付け加えると、
その中でもより近い、
より効果が似た操体をアレンジしていく事が可能になります。
◦受け手の方から
「ほんのちょっと違う感じ」と言われたり、
息の深まり具合がいまいちな時などに、
操体操法を少し変化させる時に
思い出して応用してみると
喜んでもらえる可能性が上がると思います。

肩などの調子が悪い方の微調節の例 †
•例えば、
肩の調子が悪い方を寝た姿勢で操体する場合などに、
寝た姿勢での大腿の向きを延長した方向か
直行するラインを延長した方向に
悪いほうの肩が来るように、
大腿の向きを少し変えてもらったら、
「あ、ピッタリ」と言ってもらえる可能性が高くなります。
そして、
反対側の足や両腕も、
痛いほうの肩に力が働きやすいようにしていただいたりすると、
より深い気持ち良さを味わっていただける確率が高くなります。
◦この点については、次々回詳しく書きます。
•膝が倒れている場合には、
螺旋を描く力が胴体に働いているのを
思い浮かべると解りやすいと思います。
◦寝ている姿勢によっては、
その調整が難しくなるかもしれませんが。
■まだ、試していなかったら野次馬してみて下さい。

有る手技が有る症状に効果が出る理由がわかる †
•そして、操体でも、他の手技運動療法でも、例えば
内蔵系の病などにこういう方法が効果がある
という情報があった時にも、
その方法で効果が出る時の姿勢に注目すると、
その方法が効果を出せる理由に納得が出来る場合が結構あります。

姿勢から体が直したがっている所が解る †
•また、重度の障害で
或る特定の姿勢にしかなれない方を診ていく時にも、
赤ちゃんや痴呆の方など言葉が通じにくい方が
特定の姿勢を取りたがる場合などでも、
その姿勢での大腿・上腕の向きを観察していくと、
その方の体の悪い処、というか、
その時にその方の体が良くしたがっている処が見えてくる
可能性があります。
◦野次馬してみてください。

次回は、丁度良いタワメの間を見付ける方法 †
•今回は、
「タワメの間の姿勢で力が働く先に体が治したがっている処がある」
という事を書きました。
◦次回は、
膝裏の痼りなど目標にしている痼りがある場合に、
タワメの間でその痼りはどう変化しているかという話から、
丁度良いタワメの間を見付ける方法に付いて書きます。

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