和方養生技術伝承塾~鍼灸・操体実践講座~ 急性期から慢性期まで患者さんが喜ぶ技術を伝承します

「体は自然」が東洋的身体観の基本

人は動物、体は自然、人はロボットではないし、体は機械ではない †
•東洋的な身体観・病気観としては、「体は自然」という事が基本
になると思います。
◦難しい言葉で言えば、「天人合一思想」という事
になるのかなと思いますが、ようするに、
「人は動物、体は自然で、人はロボットではないし、体は機械ではない」
という事だと思います。
•それに比較して、臓器移植に代表される西洋医学の考え方は、
体を機械に近い物として見ているように思います。

病気になるのも治るのも自然現象 †
•「体は自然」ですので、
病気になったり治ったりするのも、
雨が降ったり雷が鳴ったり風が吹いたりする、あるいは、
それらが止んだりするのと同じ自然現象と見るわけです。
◦そして、雨が降ったり雷が鳴ったり風が吹いたりするのに
自然としての必然的な理由があるように、
病気になるのも体という自然なりの理由があると考えます。

鍼灸を含む東洋的物療で大切なのは自然則 †
•操体で有名になった橋本敬三先生は
「鍼灸を含む東洋的物療で大切なのは自然則」
という言葉を残してられます。
◦そういう自然としての必然的な理由を自然則と呼んで、
それを理解する事が大切だと言われたわけです。
■余談ですが、橋本敬三先生は、
1920年代に函館で毛鍼の名人から鍼を学んだ鍼灸の達人でもあり、
戦中戦後60年代までは鍼灸のほうがどちらかと言えば多かったようです。
1937年に発表された「力学的の構想」にも鍼灸の話が沢山出てきますし、
1980年代に一緒にいた今昭宏先生の話ではその頃も鍼灸治療をしていたそうです。
•この章では、そういう体という自然についての自然則の中で
鍼灸に関係している事を順次取り上げ解説していきます。
◦出来るだけ今の若い方にもガッテンして納得
していただける内容にしたいと思いますので、
古典に詳しい方から見れば、随分違う事を書いていると
思われる話も書いていきますが、ご容赦願います。
■若い方や、鍼灸以外の東洋医学をされる方、
他職種、例えば医師の方や、患者さんなど一般の方にも
同じ説明をして、ガッテンして納得していただきたいので。

自然則が解れば、達人の先生のなさっている事の意味が解る †
•「体は自然」ですので、その体という自然の原則が解れば、
いろいろな先生方の実演の時に、
先生方のやっている事と患者さんの反応を見て、
やっている事の意味が分かり、
直ぐにマネして出来るようになると、少なくともマネしやすくなる
のではと思っています。
◦そういう風に皆さんが成れるような説明が出来たら良いなと思います。
■先生方が実際に患者さんにやっている事の中で、
患者さんの治療に役立つというか、
自己免疫機能を活発にさせる事に限れば、
そう違いは無いように感じています。
鍼灸だけでなく按摩指圧操体なども含めて。
•「体の自然」に関する基本的な原則を知っていれば、後は、
施術する側の得意な事や夢中になれる方法に磨きをかけて、
患者さん一人一人のその時その場の体や心の状態に合わせて、
丁度良い事ができれば良いと思います。
◦違うのは、説明というか、「心に言葉で描かれた物語」。
■その違いの大きさに初心者の方々は面食らってしまうわけです。
◦そういう「物語」を出来るだけ省いた処で言える事を、
いろいろな先生方の実際している事の共通点を中心に、
体の自然則を書いていくよう心がけていきます。

病気の症状は警戒警報、養生すれば病気前よりも元気になれる †
•さて、体は自然なので、当たり前ですが、
病気も自然現象としてみますので、
病気観もだいぶ西洋の物とは違ってくるように思います。
◦西洋医学的な病気観は、病原体病源説に代表されるように
病気を克服すべき対象と考えているように思います。
■病原体病源説というのは、
細菌やウイルスなどのような病原体が病気の原因である
という考え方です。
•それに比較すると、東洋的な病気観には、
病気も体の養生システムの一環としてとらえる見方があります。
◦つまり、
「病気の症状は、体が発する無理のしすぎという警報で、
 それを切っ掛けに養生すれば、
 病気になる前よりも生命力の高い状態になれる」
という病気観です。
•無理、つまり、理がない、
自然則に合わない事をしすぎたと体が感じた時に、
それを意識させるために、また、
その状態を健康な状態に戻すために、
病気の症状というのが出てくるし、
それを切っ掛けに体を元に戻すように養生していけば、
病気になる直前の状態よりも生命力の高い元の健康な体になれる
という考え方です。

病気になるのも自己免疫機能の一部 †
•一般に、病気の症状は出ていないが、
既に無理して体が歪んでいつ病気の症状が出てもおかしくないというか、
もう少し無理が重なると病気の症状が出そうな状態の事を未病と呼び、
東洋医学の治療では、病気の症状を消すだけでなく、
未病を治す事が大切と考えられています。
◦ようするに、
病気になるという事も体という自然が持っている恒常性維持機能
の一つ、極論すれば、
病気になるのも自己免疫機能の一部
という考え方です。
•そういうわけで、
鍼灸をはじめとする東洋医学では、
病気の症状を消すだけではなく、
病気になる前よりも生命力の高い状態にする
事が求められています。
◦この事を良く覚えておいてください。
•この辺りのことは、
整体の野口晴哉先生の『風邪の効用』(ちくま文庫)
に良く書かれています。
◦野口先生は鍼灸はされませんでしたが、
上記の病気観でカゼという病気を観察した事が
詳しく書かれていますので、一度読まれる事をお薦めします。

目の前の方の今の状態に合わせる †
•さて、体は機械では無いので、
人間が作った仕様書通りに作られているわけではありません。
◦ですから、治すほうも
人間が作ったマニュアル通りに行っても治せない場合も出てきます。
•また、一人一人の遺伝子は基本的に異なっているので、
一人一人違っているわけです。
◦また、遺伝子が同じ一卵性双生児でも
全く同じ環境で全く同じ行動を取っているとは限りませんから、
一人一人のその時の体という自然の状況は異なっています。
◦そして、自然の状況ですから、
同じ方でも、診る時によって違います。
•ですから、東洋医学の治療は、基本的に病名治療ではなく、
目の前の方の今の状態に合わせていく病人治療になります。
◦ようするに、
目の前の方の体という自然にいま現在の時点で起きている現象を把握し、
自然則の面からそれを理解し、それに基づいて、
その方のいま現時点での状態に合わせて治療していく
という事になります。
■「東洋医学の治療は病人治療が基本」
という事も良く覚えておいてください。

次回は、未病の時に身体におこっていること †
•今回は「体は自然」という東洋医学的な身体観から
「病気になるのも自己免疫機能の一つ」という東洋医学的な病気観、
「目の前の方の今の状態に合わせる」という治療観まで
を説明しました。
◦納得していただけたでしょうか?
•次回からは、
病気の症状が出る前の未病の状態において、
体という自然の中で何が起こって病気の症状が出るまでに至るか
という点について書いていきます。

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